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ねこ愛を語る〜ジソンシン下村・前編〜

今回は無償の愛。昔から猫に囲まれて育ったジソンシン・下村。そんな彼が猫を飼うのは必然・当然。猫好き必読の前編は、彼自身が猫を飼うまでを語ります。

実家は三重県なんですが、自宅の庭には常に猫がいました。
当時、祖母がご飯あげて餌付けしてたみたいなんですけど、野良猫が集まってて、なんなら家の中にも入ってきてくつろいでました。
だから猫と一緒に生活するのは当たり前って感じでした。

中学の時、祖母も亡くなって、それに伴って庭にいた猫たちも、ご飯をもらえなくなったからか、いつの間にかいなくなったんですけど、しばらくすると母親が猫を1匹連れて帰ってきて、完全に家猫として飼うことになりました。

そこから1年ごとに猫が増えてくるみたいな状態に(笑)。
捨て猫を拾ったり、ペットサロンから引き取ったり……。実は、サロンに預けたまま取りにこない飼い主がいたそうで、そういう可哀想な不遇の猫を引き取ってくるというのが1年に1回……一番多いときは10匹、家にいました。だから猫がいない暮らしが考えられなかったです。

父親は2匹目くらいまでは、「まぁいいか」みたいな感じやったんですけど、3匹目から「ちょっと多くない?」みたいなこと言いだしてました。
でも無下にはできないので仕方なくって感じでしたけど、母親も増えるごとに巧妙になってきて、最初の2日くらい、連れてきた猫が他の猫と慣れるまで過ごさせて3日目くらいに居間とかに連れてきて、父親からしたら急に出てきた猫ですけど、他の猫からしたら既に知ってる存在じゃないですか、だから反対しずらい状況を作って受け入れざるを得ないという(笑)。

僕ら3人兄弟なんですけど、そっちも母親と猫の味方でしたし。
だから増えても、諦めてましたね。ただ5匹目から父親が猫アレルギーを発症してしまって、寝室とか別になったんですけど、本人からしたらホッとしたんちゃいますかね(笑)。

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下手したら多頭飼いと言われかねない頭数の猫を、自分の息子たち同様に最大の愛情を注いで面倒を見る母親の姿は、下村少年にも、のちに確かに引き継がれていたことがわかってくる。

18歳の時に、お笑い芸人目指して大阪に出てきました。
そこから7年ほど猫のいない生活をしていました。それまで猫がいることが当たり前だったので寂しいと思うことがありましたけど、そもそも一人暮らしだから猫飼えないって思ってましたし、実家帰ればたくさんいるので、めっちゃ飼いたいという気持ちはなかったです。

それが以前、ノラ劇団というトリオを解散してから、しばらくアルバイトばかりしてる日々が続きまして、ほんまに「大阪に来て何やってるんやろう」と、メンタル的にもしんどい時期があって、そんな時に何気にSNSを開いてみたら、今も和歌山の住みます芸人をやってる、わんだーらんどのたにさかっていうNSCの同期がいるんですけど、彼が“和歌山に捨て猫がいますので誰か引き取ってくれませんか?”っていう投稿をシェアしてたんですよ。

それに写ってた猫の写真がめっちゃ可愛くて、なんと気なしに「猫ってもう引取先決まったん?」ってコメントしたんですよ。そしたら2分後くらいに電話がかかってきて「しもやん飼えるん?」って。「まぁ別に飼えんことはないけどなぁ」って言うたら、一旦電話切るわ、と。
その後知らない電話番号から電話がかかってきて出たら、女性の声で「下村さん、猫を引き取ってくれるんですか?」って言われて、戸惑ったんですけど、今さら断ることもできなかったので、「他にいい人がいないのであれば」って言ったら、「ご自宅に車でお届けさせていただいていいですか?」と言われて飼うことに。

そこから、慌てて近所の病院がどこにあるかとか、ネットで子猫きたらどうしたらいいかとか調べまくって。それまで世話は母親任せでしたから必死でしたね。で、2日後に和歌山から来てくれました。

しばらくは親には猫を飼ってることは言わなかったんです。解散して芸人もやってない男が猫飼うてるって言うたら親としたらどんな気持ちになるんやろうって思ったら伝えられなくて。だから4~5年黙ってましたもん(笑)。

でも、僕がSNSに猫の写真を定期的にアップしてたんですね。親はSNSなんて見ない人なのでわからんかって思って。
そしたらある日、母と電話してる時に「あんた猫飼ってるの?」って。
なんで知ってるか聞いたら親戚がどうやら見てたみたいで親にタレ込んだみたいです(笑)。

母親は飼ってる猫に興味はあったみたいですけど、猫にストレス感じさせたらあかんので今だに実家には連れて行ってないですね。反対に母親も大阪に来ないので対面は一度もしてないです。

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ひょんなことから、捨て猫を迎え入れることになった下村。が、いざ一緒に暮らすとそれまでの生活様式が意識も含めて変わることに。まさに招き猫の存在に!?

2013年10月10日、和歌山から来た猫はテンくんと名付けました。生後2~3ヶ月でした。実際に飼ってみると、犬と違って手がかからないことを実感しました。最初は心配なんで家にいるようにしてましたけど、いてもずっと寝てるので、バイトに行くようにしても全然大丈夫でした。

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まぁいつくらいまでに避妊手術受けないとダメとかありましたけど、基本、世話はかからなかったでしたし、その頃メンタルやられてた自分にとって、とにかく癒しになりました。そして命を僕が預かってるという感覚にもなったんで、人生にハリが出てきましたね。ちゃんとこの子を食べさせるためにバイトせなあかんなと。

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調べたら万が一の病気やケガの時、医療費とか20万円くらいのもあったので、これはちゃんと貯めておかないとって思いました。子どもできたらきっとこんな感じなんやろなぁって(笑)。
それまでお金稼いだら、ギリギリまで使って生活してたのを、テンくんのために余分のお金を取っておくようになって、なんかメンタルも上向きになっていきましたね。

後編は、テンくんのキャラクター、そして新たに増えたもう1匹の猫ちゃん、さらに猫を飼ってるならこれがオススメという情報も! お楽しみに!

■ジソンシン プロフィール
酒井孝太下村啓太のNSC大阪29期生コンビ。2013年結成。
酒井の特技は書道とサッカー。下村の特技はバスケットボール、趣味は猫の世話、ペットショップ巡り、映画鑑賞。

ジソンシンINFO

ジソンシン下村 Instagram

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取材・構成/仲谷暢之(アラスカ社)
写真/月刊芸人編集部
写真提供/ジソンシン・下村


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