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不敬と成りては

こんなはずじゃなかった。私は今回の公演準備・公演期間中、何度不敬と言われたかわかりません。同じセクションの先輩方には以前からたびたび不敬だと言われていたのですが、この2ヶ月で私に対してこの言葉を使う先輩が増えました。ある同期とは、先輩への不敬レベルを競い合うようになりました。非常事態です。
私の中では、先輩に対して不敬であったことは一度たりともありません。ただ、不敬認定された行動を振り返ってみると、後輩のあるべき姿ではないなとは思います。会話の途中から敬語が外れたり、先輩のお顔を見て笑ってしまったり、先輩の頭にそっとものを乗せたり、小道具のシャベルでちょっかいをかけたり。大学生とは思えません。1年前の私には考えられなかった言動ばかりです。
プリズムに入るまで、私にとって「先輩」という存在は敬わなければならない対象でした。もちろん先輩のことは好きでしたが、好意や尊敬よりも怖いが勝ってしまっていて。中高時代に所属していた部活は、文化系なのに規則が厳しく、遠くにいた先輩に対して会釈をしなかったことに気づかれてしまうと、同期と一緒に下足室や体育館裏に呼び出されお叱りを受ける、みたいなことがよくありました。私は怒られるとものすごい精神的ダメージを負うタイプなので、叱られたくない一心で先輩っぽい人がいたら学校でも電車内でも道端でもとにかく頭を下げる日々を送っていました。毎日ウォーリーを探せ状態。
ただ、プリズムの「先輩」は敬わなきゃというよりも敬いたいなと思う存在でした。普段お話しするときはユーモアに溢れていて親しみやすい感じなのに、自分の仕事をこなすときは真剣な眼差しになって、やるべきことをきっちりできる。やるべきことをちゃんとやるって難しいと私は思うので、当たり前のようにこなしている先輩はすごいといつも思います。というかプリズムはそういう人ばかりです。もともとの性格なのかプリズムで育てられるものなのかわかりませんが、自然と尊敬したくなる人ばかり。この中にいると私も仕事ができるような感覚に陥ります。これはよくない。
あと、人格者を集めたのかと思うくらい人柄が優れた人ばかりです。とにかく優しい。いつも同期や後輩のことを気にかけていて、悩んでいたら隣で最後まで話を聞いてくれて、解決策を一緒に考えてくれる。先輩としてというよりも、人として尊敬しています。
仕事の邪魔はしたくないので、私が不敬と言われるような言動をするのは、先輩が仕事をしていないときだけにしているつもりです。でも、そのときの距離の詰め方があまりにもすごいので不敬と言われるのだろうなと今気づきました。心を開けば開くほど距離が縮まっていくのは昔から変わらないのですが、私の中高時代と今の「先輩」という存在に対する認識が違いすぎて私の頭がバグを起こしていて、距離感もおかしくなっているのかも。そういうことにしておきたい。先輩を必死に探して頭を下げていた私ですが、今では先輩を見つけるとうれしくなって思わず手をぶんぶん振ってしまいます。あ、もちろん会釈もします。
稽古場日記の提出期限を2時間ほど過ぎる中、これを公の場に残すのか、という感じの文章ができあがりました。でも、先輩が生きているより恥ずかしいことってないよねと仰っていたので、その言葉を信じてこの文章を残そうと思います。うん。偉大な先輩が言うのだから間違いない。……また不敬って言われてしまいそうです。
さて、このようなまとまりのない文章を残すに至った原因はすべて深夜に起きていることにあります。ということでそろそろ失礼します。私は先輩を敬っている、ということが伝わっていればいいかなと思います。
この場を借りて、新人とは思えない働きぶりを見せてくれた24代、いつも同期でよかったと思わせてくれる23代、そしてたくさんのものをくださった22代の先輩方に感謝と慰労の意を表したいと思います。
そして、本公演に関わってくださったすべての方へ感謝申し上げます。
以上、本公演でカエニスを演じました、先輩を尊敬してやまない23朔弥でした。ばいばい。 

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