見出し画像

【セイバーメトリクス】大谷翔平投手の2桁勝利

はじめに

皆様、いかがお過ごしでしょうか?
高校野球が開幕し、毎日負ければ終わりの熱戦に、仕事の傍で目が離せない日々を送っていらっしゃる方も多いと思います。
この時期、野球ファンの話題の中心は専ら高校野球が大部分を占めると思いますが、個人的に頭の片隅にあるのが、タイトルにもあるテーマ、
「大谷翔平投手の2桁勝利」
です。

ベーブ・ルース以来104年ぶりの大記録を前に足踏みしている姿に、もどかしい思いをされている方もいらっしゃると思いますが、この大記録は達成されるのか、
関連するデータを並べてみました。

大谷翔平投手の投手成績

まずは、大谷翔平投手の、投手成績を並べます。

1.  直近3連敗の成績
2. 通算成績
3. 2022シーズン通算成績

の切り口で比較した結果が以下になります。

大谷翔平投手の成績

各指標の説明は以下の通り

W-L%(勝率)

勝率 = 勝利数 / 敗北数

勝率は直近3連敗はもちろん0となっております。
今シーズンもキャリア通算と比べると少し勝率を落としていますが、
5割以上はキープしております。
勝率は打撃陣の成績にも大きく左右されるため、大谷投手の能力を測る指標としては弱いといえます。

ERA(防御率)

ERA = 自責点 × 9 ÷ 投球回

防御率は1試合投げた時にどのくらい失点しているのかを示す指標です。
大谷投手の直近の防御率は、5点台とあまり良い数字ではありません。
ただ、今シーズンの防御率は2点台と、リーグ14位相当(規定未達)となっております。
ERAも同じく野手能力などに大きく左右される為、指標としての説得力はそこまでです。

IP/G(試合あたり投球回)

IP/G = 投球回 ÷ 試合数

試合あたり投球回は1試合あたりどのくらいの投球回を投げているかを示す指標です。
大谷投手は安定して6回途中まで投げることが出来ていそうです。

SO/W(1四球あたり三振数)


SO/W = 奪三振数 ÷ 与四球数

SO/W(SO/BB, K/BB)は、投手の制球能力を示す指標です。
1回四球を与えるまでに、何回三振を取るのかを示す指標です。
制球に難があり、立ち上がりに弱い印象だった数年前とは異なり、
最近は四球も少なく、奪三振数が多いため、非常に高い値を示しております。
(3.5を超えると優秀な選手と言われています。)
連敗中の直近でも、高い値を示しているため、制球が乱れている、三振が取れなくなったと言うわけではなさそうです。

SO9

SO9 = 奪三振数 × 9 ÷ 投球回

SO9は、1試合あたりどのくらい三振を取るかを示す指標です。
6試合連続奪三振など、三振を奪う力に注目されている通り、
大谷投手のSO9はキャリアトータルで11.7と、1000イニング未達のため参考記録になりますが、メジャー史上トップの成績になっています。
(1位はRobbie Ray選手の11.36、ダルビッシュ選手は10.86で3位)
その奪三振力は直近も衰えておらず、次回登板でも奪三振ショーが期待できます。

WHIP

WHIP = (与四球 + 被安打) ÷ 投球回

WHIPは、1回あたり何人出塁させるかを示す指標です。
1.0を下回ると球界を代表するレベル、1.2以下がエース級、1.4を上回ると少し課題を抱えているといえるそうです。
シーズン通算で、大谷投手はエース級のWHIPを示しておりますが、
直近は少し数字を落としているようです。
とはいえ、エース級に近い値を示しており、WHIPからも大谷投手の能力値の高さが伺えます。

投手成績まとめ

大谷投手の投手成績をまとめたところ、防御率とWHIPという、敗戦が響く指標は落としていたものの、奪三振力は落ちておらず、長いイニングを投げられていることが分かりました。
先発はコンスタントに投げ続ければ30回の登板機会があるそうですので、
あと10試合はチャンスがありそうです。
打線の援護があれば、2桁勝利は確実と言えるのではないでしょうか。

エンゼルスの打撃成績

先ほど、打線の援護があれば、と記載した通り、0点に抑えても得点が取れなくては勝利を掴むことはできません。
リーグ下位の得点力と言われるエンゼルスの得点力を以て、大谷投手の援護ができるのか、参考になりそうな指標を並べてみます。

サマリ部分は右上から、試合数、1試合あたり平均得点、勝利数、敗戦数を表します。
エンゼルスは1試合平均3.9得点を取っています。
大谷投手の防御率が、直近5点台なのと比較すると勝利は難しい気もしますが、
シーズン平均で2点台に抑えているパフォーマンスができれば、十分勝利出来るだけの得点は取っていると言えるでしょう(ただ、6回までに何点取れるかという懸念も残りますが。)

右上の円グラフは打点の内訳です。
故障中のトラウトと大谷が打点の大部分を創出していることが分かります。
トラウトの離脱は、大きな損失と言えるでしょう。

中段の棒グラフは今シーズンの試合毎の得点を示しています。
明らかに序盤に比べて得点の少ない試合が増えていることも、負の要素の一つと言えるでしょう。

下段は集計表です。
各指標と、ア・リーグでの順位を示しています。
ヒットや得点は下位なのに対し、3塁打は2位、ホームランは6位と、大振りな印象を受けました。

まとめ

大谷投手の2桁勝利に関連する指標を並べて、実現性の可能性を推測しました。
最近の連敗は調子を落としている印象は受けず、チームとしての得点期待値と、防御率などを比較しても、充分期待出来るのではないでしょうか。
そんな大谷投手の次回登板は、8/10 10:40-のアスレチックス戦です!
地区最下位のチーム相手に、どのような投球を見せてくれるのか、今から期待が高まります!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?