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事業再構築補助金の真の難易度

事業再構築補助金が登場してから3度めの夏を迎えます。当初はコロナ対策として登場したこちらも、今年度からは名前の通り社会の変化に合わせた変革を行うための補助金に衣替えしました。

事業再構築補助金自体がコロナで出てきたことから結構手軽に大きな補助金額を受けられると巷では評判になり、多くの事業者がチャレンジし採択されたと思います。採択される確率はその枠によるのですが大体5割ぐらいでしょうか?こう読み解くと結構難易度が今までよりは低いように思われるのですが、採択以降完了まで到達できた件数で割合を弾くと、結構難易度が高いのではないかなと、支援してきて感じています。

そもそも補助金制度自体がマイナーな存在で、知っている企業は何度も採択されたという状況でした。それがコロナによって誰でも受けられると一時期は勘違いされたこともあって、だいぶ一般化したのが現状です。

私は補助金自体はとってもめんどくさいものだと思っています。ただで補助して貰える、しかも税金でね・・・ので補助金を受け取るまでには、書類関係のやり取りをきちんと行なっていかないといけません。大企業ならばコンプライアンス等が整備されていてその辺りはほぼ万全ですが、中小企業では、人手不足なところも多く、取引関係でも商習慣に則って行われているので、なんでも書類を残すということには慣れていません。

事業計画書で公募要領に則って考えながらきちんと作成すれば採択されますが、そこから先の労力がどのくらいかかるかを初めてその時に知るというケースが多く、忙しすぎて結局補助金を受け取れなかったという話が多くなってきています。蔡鍔がゴールではなく、補助金を受け取るまでがゴールということですね。

実際に声を聞いていると、事業再構築の交付決定までの時間がものすごくかかっているそうです。簡単に説明すると、採択(この事業は事業再構築に値するよ)→交付決定(この事業で補助する費用の範囲を決めるよ)→完了報告(確かにその費用を使ったね、じゃぁ、補助金を支払うよ)の3段階プロセスになっています。なので、採択されたから補助金額が確約されたわけではなくて、あくまで予算枠(税金が源泉)を確保しただけであって交付決定フェーズで当初想定していた費用が認められないというケースもかなり出てきています。

交付決定は当初2週間ぐらいで出るなんて言われていましたが、現在(23年6月時点)は申請数がかなり多く事務の人手が足りていないことと、申請された書類不備が多くて差し戻しが多発していること、審査が厳格化されたことで、事務局自体がパンクしていて2ヶ月から半年かかるケースもあるようです。補助金は交付決定されてから着手することが前提なため、事業完了の期限である採択から約1年以内の残り時間も少なくなっているようです。

いちおう、事前着手という制度もあるので、補助金に拘らず進める場合は問題ないのですが、補助金ありきで考えていた場合は時間切れで諦める事業者様も多いと聞きます。(最悪、「交付決定が遅れたから間に合わない」と事務局に交渉すればなんとかなるケースもあるみたいですが・・・)

では、交付決定を縮める方法はあるのでしょうか?
長期化する例では、事務局からの差し戻しや質問の回答で時間がかかるケースがほとんどです。
なので、差し戻しを受けないようにすることがいちばんの近道になります。そのためには、補助事業の手引きを熟読して不明点は事前に事務局に確認してから交付申請を進めるのがいちばんだろうと思います。
また、書類は全て必要になると考えていください。手引きには必須と書いていなくても事務局判断でほとんど必須になるし、取れない場合でも何かしらの書類提示を求められる、あまり融通が効かない前提で進めるくらいがいいかと思います。なので事前確認が必要ですね。

これが、中小企業にとってはかなり手間です。しかも、この部分は他社に代行してもらうことが基本的にできません。事務局(≠国)としては、この補助金を機会にそう言った部分を四角利やるくせをつけてもらいたいという思いもあるのかもしれません。

もっとも、電子で完結すれば全てこの辺りも楽になるはずなんですが、ここは不思議な国のにっぽん。中途半端に電子化されてて紙も必要ということで、さらに手作業が増えるという・・・・

ちなみに、完了報告も交付申請と同じトーンになります。
なので、せっかく補助金に採択されても途中で辞めてしまうケースも多いですし、完了まで行っても「もうこりごり」という声も聞きます。
そう言った意味で事業再構築補助金の難易度は高いのだろうなと思います。
事業者にとって有意義な事業になっていればいいと祈るばかりです。

うーん、難しいですね。ほんと

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