【詩】「檸檬」

「檸檬」
苦かった
あの頃に味わった果実の味
もう今はどうしょうもない

甘かった
君の揺れる影
通り過ぎる夏の記憶

上を向く度に
流るる酸いが
今もまたあの影追う

とりとめのない 衝動は
突き動かすたびに

あの日に灼かれ
僕は散り散りになるのです

生い茂る雑草が
上を向く僕を邪魔するのです

理解が
僕に目を閉じろと言うのです

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