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The Art of Game Design

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美しいゲームデザインについて語ります。
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#gamedesign

ゲームデザインを改善/批評するための時間構造モデル「ワンダールクス」

geekdrumsと申します。インタラクティブミュージックの連載でこのnoteをフォロー頂いている方が多いかと思いますが、実はそれと比べるとあまりバズってないゲームデザインの連載も書いていました。 たしかに本業はプログラマーだし専門は音楽なんですが、コミケで2度も「ゲームデザインの魔導書」という同人誌を頒布するなど、ゲームデザインの研究活動も同人レベルで行ってたりします。 この同人誌に執筆したのが、表題にあるゲームデザイン理論「ワンダルクス」です(魔導書という体裁のため、

ゲームの「面白さ」とは「意識」と同じなのか?

CEDEC2018の次の講演がなかなか面白かった。 意識の統合情報理論 | CEDEC2018 https://2018.cedec.cesa.or.jp/session/detail/s5ae163a207655 このセッションを聞いて思いついたゲームの「面白さ」に関する仮説を提示してみる。大まかには以下のツイートで綴った内容となる。 「意識」とは何か「意識とは何か?」「脳と意識の関係は?」「AIに意識はあるのか?」 という哲学的な問いがあるわけだが、そういう話じゃ

「風ノ旅ビト」のアートは「想像が膨らまない」から美しい。

「風ノ旅ビト」のアートはなぜこんなにも美しいのでしょうか。 私は、アートの言葉ではうまく語れませんが、その理由をゲームデザインの観点から説明できると思っています。 それは「想像を膨らませていない」から。 え、逆じゃないの?世界について想像がふくらむデザインが良いんじゃないの?と思うかもしれませんが、その理由を解説します。 アニメーションなどと違って、ゲームでは「プレイヤーが何をすべきか、何ができるかを想像させないといけない」という話です。 ちなみに、なぜ2018年の