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The Art of Game Design

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美しいゲームデザインについて語ります。
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#風ノ旅ビト

ゲームデザインを改善/批評するための時間構造モデル「ワンダールクス」

geekdrumsと申します。インタラクティブミュージックの連載でこのnoteをフォロー頂いている方が多いかと思いますが、実はそれと比べるとあまりバズってないゲームデザインの連載も書いていました。 たしかに本業はプログラマーだし専門は音楽なんですが、コミケで2度も「ゲームデザインの魔導書」という同人誌を頒布するなど、ゲームデザインの研究活動も同人レベルで行ってたりします。 この同人誌に執筆したのが、表題にあるゲームデザイン理論「ワンダルクス」です(魔導書という体裁のため、

本気でゲーム依存に向き合う

香川県によるゲームの規制案について、あまりにもゲームを乱暴にまとめた議論が飛び交っているため、私なりに議論の根本的な前提について整理させてください。 ネット・ゲーム依存症対策条例案に関する状況整理先日(2020年01月09日)、香川県議会が条例素案としてネット・ゲームに対する規制を検討しているというニュースが世間を騒がせました。 条例素案については、コンテンツ文化研究会様が、「問題点が多く、緊急性も高い」として、入手された紙の資料を公開されています。(検索した範囲ではこの

「風ノ旅ビト」のアートは「想像が膨らまない」から美しい。

「風ノ旅ビト」のアートはなぜこんなにも美しいのでしょうか。 私は、アートの言葉ではうまく語れませんが、その理由をゲームデザインの観点から説明できると思っています。 それは「想像を膨らませていない」から。 え、逆じゃないの?世界について想像がふくらむデザインが良いんじゃないの?と思うかもしれませんが、その理由を解説します。 アニメーションなどと違って、ゲームでは「プレイヤーが何をすべきか、何ができるかを想像させないといけない」という話です。 ちなみに、なぜ2018年の