【配信者向け】声の遅延についてあれこれ

みなさんは配信で声と他の音声、映像がずれる体験をしたことがありますか?
声が遅れてしまうと下記のような問題が生じてしまいます。

1:歌ってみた配信で音源に合わせて歌っていても配信上では歌が遅れてしまう
2:ゲーム配信でのリアクションがゲーム画面、音声とずれる
3:vtuberの口の動きがずれる

なぜ声が遅れてしまうの?

大きく下記の2つが原因であることが多いです。
1:オーディオインターフェイスのバッファーサイズ
2:オーディオのエフェクトによる遅延

オーディオインターフェイスのバッファサイズ??

使用しているオーディオインターフェイスによって設定画面が異なりますが、下記画像のような設定を見たことがありませんか?

参考:Tascam Mini Studio

このバッファーサイズの数字が大きければ大きいほど声の遅延が大きくなります。
「じゃあ小さければいいじゃん!!」と思うかもしれないですが、この数字が小さいほどパソコンへの負荷が大きく、数字が大きいほどパソコンの処理が軽くなります。

この数字は遅延を持たせることでPCに余裕を持って音声の処理を行わせる数値です。
バッファーとは直翻訳すると衝撃材になるのですが、このバッファーを大きくすることでPCへの衝撃を和らげる(時間的余裕を与える)ことができます。

バッファーサイズは秒ではなく"サンプル"の数値になります。

サンプルってなんだ!!見本か!!

聴き慣れている単語でもオーディオでは全く違う意味合いになります。
サンプルについて詳しい説明をしても良いのですが、面白くないので結論だけ記載しますね!

PCの音質を48000hzにされている場合1サンプル=0.00002083…秒(
PCの音質を44100hzにされている場合は1サンプル=0.00002267…秒

上記の数値xバッファサイズの時間が遅延します。
例:48000hzでバッファーサイズ1024=0.0213…秒(21.3ミリ秒)

この数値がわかったからどうするのかという説明は後ほど記載します。

エフェクターも遅延の原因

音声エフェクターも音声を処理して出力するので遅延が生じる原因になります。
これは使用するエフェクターによって遅延が変わるので簡単に確認する方法を紹介します。

Waves StudioRackを開き、エフェクトを適応していきます。
エフェクト選択画面の一番下に全体の遅延量がミリ秒で記載されます。

例:42.7ミリ秒


遅延補正をしてみよう

音声の遅延の原因と遅延の量が分かりましたね。
それではこの遅延による音ズレ、絵のズレを直してみましょう。

音声の遅延を合わせる

遅延を合わせると言っても遅れてしまったものを速くすることができるわけではありません。
そのため遅れてしまったものに他の音声や映像も合わせて遅延させることで出力されるタイミングを合わせるテクニックを紹介します。

OBSのオーディオの詳細プロパティを開きます。
同期オフセットという箇所があるのでマイク以外の音声(デスクトップ音声など)に声の遅延と同じ量の遅延を追加します。(バッファサイズ+エフェクトの遅延)

遅延の量はms(ミリ秒)での追加になります。
1秒=1000ミリ秒なのでバッファーサイズを秒で計算した場合は1000を掛けます。

今回の例
バッファサイズ=21.3ミリ秒
エフェクトの遅延=42.7ミリ秒
21.3+42.7=64ミリ秒

映像も音声の遅延に合わせる

映像も手順はほぼ同じです。

映像の遅延のフィルタを追加してオーディオの遅延と同じ数値を入力します。


ちまちま手間がかかることかもしれないですが、音と絵のタイミングがピッタリになることでユーザーさんの細かい違和感がなくなったり、歌配信では今まで以上に歌が上手く聴こえることでしょう。

ぜひみなさん試してみてください!

みなさんの配信上での音声の悩み事や書いてほしいテクニックを募集します。お気軽にコメントにてご記載ください。

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