【採用責任者は語る vol.2】これからの時代で真に求められる人材
次回に引き続き、日産自動車で新卒採用責任者を務め、現在は取締役や役員を指名する委員会を務める東郷さんを質問攻めにしたノンフィクションドキュメンタリーです(笑)。
今回のテーマは、
「これからの時代で求められる人材像」・「グローバルリーダーとは何か」
【 世の中に価値を残すのが”グローバルリーダー” 】
周:日産自動車では、インターンの名前にもついてるように、”グローバルリーダー”というのが一つ重要なキーワードになってるように思います。
東郷さんが考えるグローバルリーダーってどんな人ですか?
東郷:色々あるけど一言で言うと、世の中に対して価値を残せる人材。
リーダーという言葉を置いている以上求めるラインはあって、
頭でっかちに机上の空論を並べる事でもなく、
自分がやりたい事をやって自己満足に浸る事でもなく、
「世の中に対して価値を出す事」「人々の生活を豊かにする事」
全てはそこに収束するはずで、
それ以外の要素(思考力、行動力など)は全てそこに至る過程にすぎない。
( もちろん、これらが重要ではないと言う事ではないよ笑 )
周:価値を残すこと、、、響きました笑
グローバルリーダーについてより詳しく聞かせて頂きたいのですが、グローバルリーダーになりたい新卒が心がけること・新卒に求められることって何でしょうか。
東郷:誰でも最初から世の中に大きな価値を残せる訳じゃない。小さなことでもいいから自分で考えて動かせるかが大事。
自分でやりきって形を残せること・自己満で終わるのではなく価値を残すことが大事。グローバルリーダーになるには、その積み重ねが必要だよ。
言われた事をやってる間はまだまだで、
自分の頭で「こんな事をしたら面白そう&社会価値ありそう」を考えて、
自分から提案して、自分で仕事を取りに行く事が大事だと思うよ。
ある意味で、日本人の弱い部分というか、頑張らないといけない部分。
【 ”グローバルリーダー像”は時代と共に変化する 】
周:自己満で終わるのではなくのところ、好きです。
話を伺ってて、疑問に思ったのですが、グローバルリーダーという言葉を明確に定義していないように感じました。何か理由があるんですか。
東郷:定義は時代によって変わるから、これという定義はできないんだよ。
昔は、社長の言うことを聞いてその通りに動いていれば良かった。
でも今では、皆が考えて変化していかなければいけない。
今は答えがないから、自分の頭で考えて、
自分がこう思うという意思・信じ切る力が最も大事。
その次に来る大事なことは、
学び続ける力・新しい変化に柔軟に対応する学び続ける姿勢。
最近、ATカーニーという会社で30代の社長が誕生したよね。
彼は、デジタルフォーメーションに凄く強くて時代の流れに合っている方。私個人としては、そういった若い方が社長とかやってもいいんじゃないかって思っているよ。
何にせよ、これから会社に入る方は、現在会社にいる人とは切り離して自分自身のことを考えるべき。時代によって求められる人材は変わるから。
【 東郷さん対談のまとめ 〜編集後記〜 】
1:グローバルリーダーとは、「世の中に新たな価値を残せる人」
2:グローバルリーダー像には、世の中の変化と共に変わってゆく。
3:そんな時代の中で、私たちにできる事
1:グローバルリーダーとは、「世の中に新たな価値を残せる人」
個人的なイメージですが、こういうのって、
異文化適応能力があって、思考力があって、実装力があって、
みたいな答えが返って来ると考えてました。
が、そこら辺の能力の話じゃなくて、シンプルに、
「世の中に新たな価値を出せる人」というのが、妙に腑に落ちました。
2:グローバルリーダー像には、世の中の変化と共に変わってゆく。
リーダーには「文脈依存性」がある。という深みのある話。
確かにリーダーの定義というのは、一義的に決められるものではなく、
時代によっても、会社によっても、チームによっても柔軟に変わってくる、
また、変わるべきものだと思います。
だからこそ、「いま、自分に求められるリーダーシップとは何か?」
を考え続けなければならないのだと思います。
歴史を振り返ってみると、ローマの統治構造はかなり面白かった。
ローマは普段の平和な時、戦争がない時は、
二人の執政官(任期は1年で、必ず二人が選出され、互いに拒否権を持つ)
が最高権力者として、じっくり議論をしながら国を治めてました。
しかし、戦争を含む非常時は、そんな事やってる暇ないので、
一人の独裁官(任期は6ヶ月以内で、再任されない)が選任されます。
話し合うのではなく、頭が良い人がテンポ良く決めよう。
でも、長期の独裁を防ぐために、任期は短く、再任もされない。
という、今見返しても、かなりよく出来てる統治構造だと思います。ローマ人は、リーダーの文脈依存性を深く理解していたように思います。
( 少し、余談になりましたが笑 )
3:そんな時代の中で、私たちにできる事
東郷さんは、
3−1:決断を決め切る。信じ切る事
3−2:学び続ける力・新しい変化に柔軟に対応する学び続ける事
の2点をあげてくれました。
「決断を決め切る。信じ切る事」
というのは、本当にその通りだと思います。
超絶余談ですが、著者の最近の大きな決断だと、就職先を決めた事。
就職活動というのは、働いた事がないにも関わらず、
自分が向こう数年〜数十年?働く環境を決める大変な事だと思います。
内定承諾をするまでも悩みますが、
ぶっちゃけ、内定承諾をしてからも(個人的には)悩みます。
その中で大事なことは、
自分の選択肢を事後的に正しいものにする努力をする事
なのではないか?
という話を、改めて東郷さんに教えて頂いたような気がします。
「正しい決断を下す事、下そうとする事は大切だ」
「でも判断が正しいか間違っているかは、その時には誰にも判らない」
「だから大切なのは、下した判断を正解にする努力をする事」
(引用:約束のネバーラント)
個人的に、約束のネバーランドのこの話が凄く好きだったので少しだけ(笑)
***
東郷さんへのインタビュー記事第二弾は、ここで終了です。
次回は、「就活における人事視点と学生視点のズレ」について、特集していきます。
GCS 周毅博
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