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まず願う

2019年末、盛和塾が36年の歴史を終えました。

塾生同士で
「塾がなかったら今の自分はいない」
「後進の自分達のような経営者はどうしたら良いのか」という話を良くします。

日本的経営の王道中の王道。ど真ん中だと思います。その土台をもとにそれぞれの個性を生かした経営をしている訳ですが、その学び場がなくなってしまったことはとても残念です。

学びの中でも現在に強く生きる原理原則を僕の学びとして書いてみます。

「まず願う。」

しびれる名言です。

(最後まで読めばあなたもしびれるはず!)

稲盛さんが松下幸之助さんの講演会に行った際、内部留保を重視したダム式経営について、聴衆が
「内部留保を重視した経営が大切なことは分かった。しかし、どうやったらそれができるのか?」と聞いたそうです。

松下幸之助さんは少し考えて、「そうなりたいと願うことですわなー」的な答えをしました。

具体的な手法を期待していた聴衆が失笑に近い雰囲気の中、稲盛さんはカミナリが落ちるような衝撃を受けたとお話ししています。

みなさんはしびれましたか?
しびれないなら聴衆側かもしれませんね(笑)

現実では日常は目先に埋もれています。SNSを見たり投稿すること、目の前の仕事を終えること。トラブル対応。

こうなったら良いなと(漠然とした願い)考えてはいても、頭を占めているのは目先の事です。

「それではいけない」
と松下幸之助さん、稲盛さんは言っているのです。

自分はどうなりたいのか?
今風にアレンジするなら
「どうしたらワクワクするのか?」

一般的な聴衆はこう思うのです。
「だから、それを具体的に実現する方法を知りたいんだ!」
「具体的な方法が分からなければ、願っても意味がないではないか」と。


そう思っている聴衆の空気を分かったうえで

「そうなりたいとまずは願うこと」

と言ったわけです。(そろそろしびれてきましたか?w)

こうなりたいと願う思いの強さはエネルギーだと思います。

今は不可能だ、具体的な方策が見えないという事でも、強いエネルギーで前進することで現実は変わっていくのです。


一番大切なことは
「そうなりたいとまずは願うこと」


これを考えるのに、もうひとつ触れておきたいことがあります。

松下幸之助が問われたのは、「内部留保のある経営」です。

家庭で考えれば、「貯金を増やしたい」みたいな話です。

崇高な目的ではないという事です。

会社の中で、「ワクワクする目的、願いを考えよう」というと、崇高なことを考えてしまいがちです。しかしその必要はないという事もこの話は教えてくれます。

もちろん、前提に素晴らしい経営をしたい。景気変動があっても社員を守れる会社にしたい。新しい事業にチャレンジできる会社になりたい。という思いはあるかもしれません。

それを実現するために「内部留保、ダム式経営」なんだと思います。

ただ、願うことは「内部留保」です。
それがあれば、どれだけ自分の経営が可能性に溢れるのか?というワクワクがそこにあるから強く願えるのだと思います。そこには現実の厳しい経営環境から逃れたい、という本音ももちろん入っていると思います。だからこそより強く願えるとも思います。

「まず願う」

その思いの強さこそがエネルギーで現実を作るのだとしたら。

できているでしょうか?


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