外国人の子どもたちを対象にプログラミング教室を始めます

こんにちは、岩崎です。タイトルの通り、今外国人の子ども向けにプログラミング教室を立ち上げようと思っているので、その経緯などを書いていきます。

自分は今でこそエンジニアですが、元々大学ではポルトガル語を専攻していて、国内の在日ブラジル人コミュニティをテーマに研究していました。何回か浜松にフィールドワークに行ったり、サークルでブラジル人学校に行って日本語を教えたりする活動もしていました。

日本にいるブラジル人は多くの場合、工場などで働く単純労働者です。1990年に入管法が改正され、大量の日系ブラジル人が日本に出稼ぎにやってきました。しかし、当時から日本側の受け入れ体制は十分とはいえず、地域コミュニティにおける摩擦や子どもたちの進路問題など課題は山積していました。

特に子どもたちは大きな問題を抱えていました。日本語が堪能な子は公立学校でうまくやっていくことができましたが、そうではない子は不登校になったり地域のブラジル人学校に通ったりしていました。ブラジル人学校に通う多くの子どもたちは、将来ブラジルに帰るか日本に残るか不安定な中で学ぶ意欲を失っているように感じられました。

自治体によってはボランティアで日本語を教える活動をしているところもありますが、彼らにしてみれば、日本語ができたところでそれはやっとスタート地点に立ったという意味しか持ちません。通訳として活躍できる場所は限られているし、多くの場合そこからさらに普通の日本人と競争しなければならないのです。

2008年にはリーマンショックが起こり、多くのブラジル人労働者が真っ先に職を失いました。自分もこの時フィールドワークで現地を訪問したのですが、率直に言ってなかなかひどい状況でした。

そして10年が経ち、最近ふと日本語の代わりにプログラミングを教えたらどうだろうという考えを思いつきました。

日本語を教えるという行為は、ある意味で彼らを日本社会に適応させるためにエンパワーメントするということですが、プログラミングを教えることで個としてエンパワーメントすることができるのではないか、ブラジルか日本かの二択ではない第三の選択肢を与えられるのではないか、そう考えました。なぜならプログラミング言語に国境はないからです。

今Web業界は売り手市場だし、働き方もとても自由です。腕の良いプログラマなら簡単に高い年収を得ることができるでしょう。少しくらい日本語が不自由だって、スキルさえあればいくらでも需要はあるはずです。プログラミングができれば、もし第二、第三のリーマンショックがあっても簡単に職を失ったりはしないでしょう。

ブラジルに帰ってリモートで日本の案件を受けたっていいし、逆も可能でしょう。自分でサービスを作って起業することだって不可能ではありません。プログラミングには、そしてインターネットには、ほとんど無限と言っていいくらいの可能性があります。

今の時代はプログラミング学習についての情報が溢れています。無料のサイトや動画もたくさんあるし、少しお金を払えば本当に質の良いサービスを受けることができます。こういう世界があるということがわかれば、最初のきっかけさえあれば、いくらでも学ぶことができるのです。

もちろん自分一人でできることは限られているけれど、ポルトガル語学科からエンジニアになった自分には、その小さなきっかけを誰かに与えることくらいはできるかもしれない。そしてもし、たった一人でもそれをきっかけに可能性を広げてくれたなら、きっとやる意味はあるはず。

ということを思いついたので、すぐに大学の先生に連絡を取って久しぶりに研究室を訪問し、そのままその足で地域のNPOを紹介してもらいました。

まだどういう形で何をやるかは全然決まってないのですが、近いうちにまずは小さく始められればと思っています。乞うご期待!












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