12-賛成意見と反対意見

URL: 

https://open.spotify.com/episode/4lwiOAAJpRjiwCYFZVqap1?si=2b21b9ab164f4c0a

概要:

この発言は最初PITT (トランスの不都合な真実を知る親の会 URL: https://pitt.substack.com)で公開された。ニューヨーク在住の法律家である母親が、早期のジェンダー移行についての賛成意見と反対意見を掘り下げる。
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私はニューヨークに住む親です。私の娘は13歳の時に自分は実は男の子だと宣言しました。現在15歳です。法律家として、私は賛成意見と反対意見を掘り下げてみました。事実を調査した上で、それぞれのメリットを論じました。この問題について2年ほど調査熟考した結果、いわゆる早期トランジションの賛成意見と反対意見を理解するに至りました。

以下がその概要です。

早期トランジションへの賛成意見:

ジェンダーアイデンティティとは、ある人が感じる男性・女性・両性・どちらでもないというジェンダーの感覚である。男性らしさ・女性らしさ・性的指向・ステレオタイプな行動や好みなどとは一切関係がない。人はいつでもジェンダーアイデンティティに気づくことがあり得る。そしてひとたび認識すると、その後はアイデンティティが変わることはない。変わるとしても極めて稀であろう。ジェンダーアイデンティティは生まれつきのもので、年齢や環境によらず誰であっても自分のジェンダーアイデンティティに混乱することはない。ジェンダーアイデンティティが確立していくことによって、深刻な行動が正当化されることがある。

もしジェンダーアイデンティティが生物学的性別と一致しないときは性別違和感の原因となる。これは不一致の場合の通常の反応であり、精神的な要因ではない。また、性別違和感を訴える人の急増は社会的伝染が原因と主張する向きもあるが、実際は情報を得られるようになったことと、社会の雰囲気が容認的になってジェンダーアイデンティティを自由に表明し、違和感に名前をつけることができるようになったためである。この自由と情報がなかった時代には、多くの人が自殺した。

性別違和感と障害は人々を自殺に追い込むか、よくても惨めな人生を送ることになる。そのため、ただちに社会的・医療的な介入を行って違和感を治療する必要がある。生物学的な性別と折り合いをつけて助けようとする試みは、その人のジェンダーアイデンティティを変えようとすることであり、ゲイの人々に異性愛を強制する不適切な転換療法と同じである。

早期トランジションへの反対意見:


ジェンダーアイデンティティでは、男性と女性はそれぞれ別々に生物学と、社会的に作られたステレオタイプから定義される。では男性・女性であることとは何を意味するのだろう? 生物学的男子と女子の感じることは違うだろうと想像はできるが、どのように異なるのだろうか? また、その差異は彼らの身体と無関係なものなのだろうか?

全ての女性または男性は、それぞれ異なる女性・男性を経験する。それはつまり、女子であると感じる・男子であると感じる感覚は何億通りもあるということである。生物学的身体とステレオタイプ的な好みや行動の一部によって男性・女性を区別して感じるとするのは出鱈目である。

ジェンダーアイデンティティとは、実際には社会的に定義された女性らしさ、または男性らしさのことで、本質的にステレオタイプのことである。性別違和感は、単なるジェンダー不適合への不安であるか、または何らかの異性向けの社会的サービスを享受したいという欲求か、または自身の身体への気持ちの問題である。

このような心理的な現象を治療するために、健康な体を医療的に改造するのは前例がない。社会がジェンダー不一致をそのまま受容すればいいのだが、皮肉なことに、社会は自分を受け入れる進歩的な行為だとして医療的な性別移行を推奨している。

仮にジェンダーアイデンティティが先天的なものだとしても、なぜそれが生物学的身体と一致する必要があるのか? 男性のジェンダーアイデンティティを持ちながら女性の身体であったり、その逆ではいけないのか? 不一致は先天的な間違いではない。また、性別違和感は不一致への通常の反応ではなく、不一致の悩みによる精神的な問題であろう。繰り返しになるが、健康な身体を医療的に改造して治療する必要はない。

デトランジショナーとトランス中止者が急増している。中止者は投薬手術によるトランジションの前にジェンダーアイデンティティについての考えが変わった者で、デトランジショナーは投薬手術の後に考えが変わった者である。彼らの存在は、もしジェンダーアイデンティティが存在するとしても、それは不安定であるため、早期のトランジションを正当化するものではないことを証明している。

さらに、児童や10代の子どもは自己のアイデンティティを探究するため、好みも意見も日毎に変わっていく。脳が完全に成熟するのは25歳頃である。10代の子どもの気持ちに基づいて、一生続く、健康にリスクのある身体改造を行うのは理にかなっていない。同様に、4歳児の自分は男だと思う、女だと思うという自己申告に基づいての社会的トランジションも理にかなわない。

複数の研究によると、違和感を抱える子どものおよそ80%は、医療介入をしなくても成長と共に違和感は解消されていく。それと対称的に、思春期ブロッカーを投与された子どもの96%もが人造ホルモン投与に進んでいる。統計によれば、早期のトランジションを行われたことによって投薬手術によるトランジションに進む子どもがおり、そのほとんどが、後に自分の身体に不快感を感じるようになることを示している。

もし性別違和感が治療されなければその患者はしばしば自殺するというのなら、そして性別違和感に苦しむ人々が常に一定の数存在するならば、違和感に苦しんだ過去の自殺者の統計はどこにあるのだろう? そのような統計は存在しない。

逆に早期のトランジションについてのいくつかの研究を見てみると、自殺率の低下は指摘されていない。加えて、4歳児の自殺はほとんどないことからも、幼児の社会的トランジションは正当化され得ない。

ジェンダーアイデンティティは、身体に問題があったり、自閉症、不安、社会不適合のジェンダー不一致を抱える10代の若者たちに、なぜ自分は他の人と違うと感じるのかとその解決策を提示し、不当に混乱させている。ジェンダー不一致が、若い子どもたちに社会的トランジションさせることを正当化するのに使われている。これは大人たちの無意識の同性愛嫌悪や、ジェンダー不一致に対する不安からであるかもしれない。こうした大人たちは、子どもが違う性別であるとみなしたがる。

周囲の大人たちがジェンダー不一致の子どもに社会的トランジションを勧めるなら、その子どもがありのままの自分を受け入れられる見込みはほとんどない。フィクションを育てることで、ジェンダー不一致の子どもをトランスキッズに変えてしまうのである。

早期トランジションについての賛成と反対意見双方を比較して、私は子どもや10代の若者を投薬手術によるトランジションに急き立てる根拠はないと結論付けました。皆さんはどう考えますか?

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