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日本製紙石巻ときらやか銀行を応援している東北地区のオタクがTDKの応援で感極まった話 〜都市対抗野球大会 TDK対NTT東日本観戦記〜

12月5日に東京ドームで都市対抗野球大会を観戦しました。

この日は
①神戸市・高砂市・三菱重工West対東京都・東京ガス
②大阪市・大阪ガス対千葉市・JFE東日本
③にかほ市・TDK対東京都・NTT東日本
の3カード。
もともと第1試合は観戦する予定でいたのですが第2試合は高岡市・伏木海陸運送が勝ち上がったら、第3試合は体力とテンション次第という感じで考えていました。しかし大阪ガスも好きなチームだし、なんと言っても私の好きな東北地区の第二代表であるTDKが東京ドームで見られるということで翌日は普通に朝から仕事ではありましたが3試合とも見ることに決めました。

第2試合まではいつもどおりスコアを付けながら試合を見ていましたが第3試合は明日になるべく疲れを持って行きたくないという愛社精神()のもと、スコアはバックパックにしまってTDKの応援をしながら観戦することにしました。


TDKサウンドとともに過ぎった色んな想い

1回表、TDKの攻撃とともに応援も始まりました。

試合を鮮やかに彩るTDKサウンドを聞いて私は色んなことを思い出しました。

私が初めて東北二次予選を見に行った2018年、日本製紙石巻に10失点の大敗を喫したこと。
翌2019年には10安打を放ちながらホームを一度も踏むことができずに負けたこと。
予選敗退するたびに暗い噂が囁かれていたこと。
それでも花巻や弘前までたくさんの人たちが応援に駆けつけていたこと。

そして、2018年の敗者復活戦で後にチームを背負うこととなる当時19歳だった投手がきらやか銀行を完封したこと。

ボロボロになりながら戦っているTDKの姿を見ながら耳に入ってきていたあの応援が今、東京ドームで流れている。私の中で何か熱いものが込み上げてくるのを感じました。
そして、TDKの応援の中で1番好きなあの曲が早く聞きたいと思いその時を待ち続けました。

Dream in TDK

2回表。1回同様にファンファーレが鳴り響いた後、遂にこの瞬間が訪れました。

チーム、会社、にかほ市が一体となって試合に臨むという気持ちが込められているかのような美しいキーボード、華やかなトランペット、力強い中低音の三位一体でエモーショナルなメロディを奏でるという素晴らしいアレンジ。そして東京ドームでの試合ということで更にパワーアップした演奏。
私の中で込み上げていたものが涙となって一気に溢れ出てきた瞬間でした。

試合は序盤に1点を先制されますが6回表に1番北畠選手のソロホームランで同点に追いつきます。その時に流れていた曲もDream in TDKでした。

「さあ ここで夢を掴め 燃えろよ 勝利掴むみんなの想い」というDream in TDKの歌詞のように勝利や夢を掴みたいというみんなの想いを乗せたホームランだったように思いました。

TDKマイク

TDKの応援でもう一つ印象的だったのがマイク係を務めていた男性の方でした。
試合開始時からとにかく絶叫に次ぐ絶叫。序盤の段階で喉を心配してしまうような声になっていましたがそれでもとにかく絶叫を続けます。
これまで二次予選で苦汁を舐め続ける年が続いていたことに加え、昨年ようやく代表の座を掴んだもののコロナ禍の影響でドームで応援ができなかったという悔しさを今年のこの舞台にぶつけているように感じました。
また、今大会は応援はOKになったものの客席での声援や歌っての応援はできないため声が出せないお客さんの分まで声を張り上げて応援するという意志も感じました。
そんな熱い熱い声援を送り続けていたマイクの方ですが、個人的にすごく印象に残ったフレーズが2つあったので紹介したいと思います。

小木田投手が9回裏もマウンドに立つところが見たい!決勝戦まで小木田の姿を見続けたい!

今年のNPBドラフト会議でオリックス・バファローズから7巡目で指名を受けた小木田敦也投手。2年目の2018年に七十七銀行の補強選手として東京ドームデビューを果たし一躍脚光を浴びる存在となりましたが、ドラフト解禁となる翌2019年はコンディション不良で思うように結果を残すことができずドラフトでも指名漏れという悔しいシーズンとなりました。
2020年、投球術に磨きをかけて復活を遂げた小木田投手は大卒ルーキーの鈴木大貴投手とWエースを形成。二次予選第1代表決定戦で延長12回を一人で投げきりチームを久々のドームに導きます。
東北のみならず全国、そしてプロからも注目を集める存在でありながらも決して順風満帆ではなかった小木田投手。しかしそこから復活してさらなる飛躍を遂げ、チームをドームへ導くというその姿はまさにTDKの象徴だったのではないでしょうか。

一方で私は年を重ねるごとに円熟味を増していく投球を見て次世代の東北地区のエースになってほしいという気持ちがありました。そのため正直、今年のドラフトで指名された時は素直に喜べずにいました。

来年も、再来年も。TDKを、東北地区を、社会人野球を引っ張っていく姿が見たかった。そんな思いを引きずったまま8回裏からマウンドに上った小木田投手のピッチングを見ていました。

小木田投手はNTT東日本の3番からの打順をしっかり3人で抑えてベンチへ戻ります。TDKは2点ビハインド、残す攻撃は9回表のみ。もしかしたらTDKでの最後のピッチングとなってしまう可能性がありました。

その時、マイクの方が叫びました。

小木田投手が9回裏もマウンドに立つところが見たい!
決勝戦まで小木田の姿を見続けたい!

ビハインドで登板して3人で抑えてベンチへ向かうその姿。平常時だったら間違いなく小木田投手の名前を叫んでいたと思います。もしかしたら「プロに行かないでくれ」「来年もTDKで投げてくれ」と叫んでいたかもしれません。
しかし今年は大声を出すことが禁止されています。ただただ黙って小木田投手の姿を見つめていた私の耳に飛び込んできたこの台詞を聞いて心の中のモヤモヤが晴れて、そして理由は今でも分かりませんが来年からプロで頑張ってほしいという気持ちに変わっていきました。

深江、浅沼、中井の東北オールスターで絶対逆転しましょう!

2点を追う9回表。一死無走者から3番青木選手がヒットで出塁し、打席には4番深江選手。
5番浅沼佑亮選手(日本製紙石巻からの補強)6番中井隆盛選手(七十七銀行からの補強)と打順は続いていく場面でマイクの方は叫びました。

「深江、浅沼、中井の東北オールスターで
絶対逆転しましょう!」

私は日本製紙石巻を応援しているのでもちろんこう言ってもらえて嬉しかったというのもありますが、それ以上にチームを越えて、東北地区一体となって戦おうと言っているように感じて東北地区が好きな私にとってとても響きました。

そんなマイクの方の熱い気持ちがどこかに届いたのか、深江選手はサードエラーで出塁、5番浅沼選手に打順が回ります。
二次予選では貧打に悩まされた日本製紙石巻から唯一補強で選ばれた浅沼選手。もちろん頑張ってほしい気持ちもありましたが足を引っ張ってしまって補弱と揶揄されるのではないかという怖さもありました。
そんな私の不安を吹き飛ばすかのようにマイクの方は浅沼選手に声援を送り続けました。

※日本製紙石巻工場抄造二課:浅沼選手が所属している部署

しかし浅沼選手は三振、中井選手はファーストゴロに倒れ万事休す。

惜しくも試合には敗れましたが悔しい気持ちは全くありませんでした。
小木田投手のこと、そして東北地区のこと。この2つが熱いマイクでドームにこだましたこと、そしてその場面に居合わせることができて本当に嬉しいという気持ちが上回っていたからです。
帰路につく間もこの余韻は冷めず、ロマンスカーの中で自分で撮った動画やツイッターに上がっている動画をひたすら視聴。翌日以降は応援曲の原曲である十戒(1984)や誘惑、放課後ゲタ箱ロッケンロール、未確認中学生X、また応援では使われていませんでしたがTDKのCMで起用されていた小比類巻かほるさんのTOGETHERを繰り返し聴く生活を送っています。

社会人野球東北地区に興味を持たれた方へ

今年の都市対抗野球の東北地区は仙台市・JR東日本東北が2勝、にかほ市・TDKが1勝という結果に終わりました。
JR東日本東北は大会初日に前年優勝チームであるHondaと対戦、逆転勝ちで初戦を突破すると続くNTT西日本戦では9回裏に4点差をひっくり返してサヨナラ勝ち、この戦いぶりが評価されて今大会では小野賞に輝きました。そしてTDKも8年ぶりのドーム白星と両チームとも今大会を盛り上げる存在になったのではないかと思います。
そんな東北地区に少しでも興味を持たれたそこのあなたへ。都市対抗野球東北二次予選を見に来ませんか?

東北地区の開催球場は各県持ち回りとなっていて順番通りだと来年は山形県での開催となります(直近では16山形→17秋田→18岩手→19青森→20福島→21宮城の順番で来ています)。
前回の2016年は鶴岡ドリームスタジアムと酒田市光が丘球場で行われましたが、今年開催されたJABA東北地区連盟会長旗争奪野球大会は山形市のきらやかスタジアムと中山町の荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがたで開催されており、どうにか来年の都市対抗二次予選もこのスタイルで開催してほしいところですが…まあここらへんは公式発表を祈る気持ちで待ちましょう。
JABA東北地区野球連盟会長の内海さん!!!!!!山形県野球連盟会長の土田さん!!!!!!!毎日新聞山形市局長の横田さん!!!!!!!今、東北に良い流れが来てます!!!!!!みんな東北地区に興味を持っています!!!!!!!!どうか!!!!!!!どうか!!!!!!!県外からでも行きやすい村山地区で!!!!!!!!!開催してください!!!!!!!!!!!好きな山形県のアナウンサーはテレビユー山形の結城晃一郎さんと渡部有さんのどよまんコンビです!!!!!!!!!!(CV:TDKマイクのお兄さん)

JR東日本東北とTDK以外の有力チームでは
・松葉、石井、中井の3選手が補強選手として選ばれた七十七銀行
・大エース小島投手の存在はもちろんのこと今年の二次予選では2年目の武田投手と1年目の石原選手がチームの柱となり戦ったきらやか銀行
・佐野監督就任後メキメキと力をつけている印象のあるトヨタ自動車東日本
・大型新人が来年入社予定の日本製紙石巻
という顔ぶれ。

また今年の二次予選で七十七銀行を破る快挙を達成した水沢駒形野球倶楽部、今年は無念の二次予選辞退となったものの依然として県内クラブ王者の座を確固たる物としているゴールデンリバースや弘前アレッズ、TDKの補強に選ばれた田中太一投手が所属している能代松陵クラブ、富士通アイソテックベースボールクラブから衣替えし県内大会で優勝も果たしているエフコムベースボールクラブに近年台頭著しいオールいわきクラブと言ったクラブ勢の存在も見逃せません。

来年の二次予選の時期に情勢がどうなっているかはわかりませんし、応援もあるかどうかわかりません。しかし前述の通り、2019年以前はTDKは応援に駆けつけていた、ということはお伝えしておきます。
もし、少しでも興味がありましたらぜひ足を運んで見てください。

最後の方は告知なのか布教なのかよくわからないことになってしまいましたが、東北地区推しで日本製紙石巻ときらやか銀行を応援している私がTDKの応援で感極まった、というお話でした。

TDKの応援に関してはツイッターでいつもお世話になっているぶるっくさんもブログで素晴らしい記事を書かれていますのでそちらの方も是非どうぞ。


おしまい

(オリックスのレプユニってお幾ら万円なんでしょうか…(小声))

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