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最低な夜を抜けて

組織の中の人間が入れ替わるタイミングは組織が変わるタイミングであると思う。良くも悪くも。数本の柱で支えられ安定していた組織も、たった一本の柱を失っただけでじわじわ綻びが出てくる。一緒に支えていた他の柱は、支えるものが多くなり余裕がなくなる。柱を頼りに寄りかかっていた人は、寄りかかる場所を失い倒れそうになる。ありきたりな言葉だけれど、失ってから大切さに気づくとはこういうことだと思う。

『人柱』という言葉があるが、これは組織にも当てはまるものだなと感じた。組織をより良いものにするために尽力し、時には自分を犠牲にして働く。自分のために、誰かのために。良い組織は歴代の人柱によって構築されているものだ。そしてその人柱たちの功績は残った人々によって語り継がれていくものなのだ。そしていつの間にか新しい柱にも、過去の功績と同じような功績を期待してしまうのだ。

人の期待というものは実に身勝手。あの人はこうしてくれたからこの人もこうしてくれるはず。前はやってくれたから今回もやってくれるはず。あの人は優しいから断らないはず。あの人はここまで頑張れるからきっとこれもできるはず。自分はこの時期このくらいの仕事ができていたから、この人にも同じくらいの仕事を任せていいはず。自分の価値観を押し付け、相違があれば勝手に落胆して嫌になる。実に身勝手な考え方。
でもどうしても私の中の完璧主義が、綻びに気がついて嫌になってしまうのだった。

新天地でのご活躍をお祈りしています。本当に心からお祈りしているけれど、新天地で明らかに前よりも楽しそうにするのはまだやめてくださいね。でもずっと楽しかった思い出を懐古し続けて、思い出の中で生きるようなこともしないでくださいね。私たちにはちゃんとこの先も続いていく『今』があるので。
自分も何回も何回も別れを経験してきたけれど、何回経験しても別れは苦手だな。2週間も経てば慣れるよ。そんなこと分かっているけれど、環境の変化が苦手な私は不意にめそめそしてしまう。

着用は個人の判断に任されているマスクのおかげで今日もめそめそもイライラも隠して毎日をやり過ごす。
これが大人ぶっている子供の本性なのである。

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