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古着屋にいそうな音楽通をオタク堕ちさせる、オシャレ声優楽曲の紹介【2017-2019】

はじめに

人生において、何をもって"成功"とするかは、人それぞれ色々な形がある永遠のテーマです。ただ、黒髪パーマの丸メガネで古着屋に通える人間は間違いなく人生の成功者と言えるでしょう。
そして、彼らの中には、"音楽通"を兼職している者も多数確認されています。聴いてる音楽もオシャレでめっちゃセンス良いです。悔しいことに。
そんな私怨を動力に、「レコード」「古着」「映画」「アート」「カフェ」の五角形の大きさがそのまま戦闘力を示す文化圏で生きる彼らをオタク堕ちさせることが、今回の記事の目的となります。異文化を頭ごなしに否定するのではなく、救済の手を差し伸べていくことが、今のグローバル化した社会には必要なのです。

選曲の基準

オシャレ声優楽曲であること
彼らが聴く音楽ジャンルは、シティポップ、AOR、ファンク、R&B、ソウル、フュージョン、jazzy hiphopなどをルーツに持つ邦楽、いわゆる「和モノ」的オシャレジャンルであることが多いです。絶滅したはずの渋谷系の遺伝子は、確実に彼らの中で生き続けています。
従って、選曲もそれらのジャンルに寄せて、カフェで流れててもおかしくなさそうな楽曲を紹介するのがマナーと言えるでしょう。

アニソンではないこと
彼らはマイナーなものを自分で掘り起こすのが好きです。彼らは皆、『カメラを止めるな!』を掘り起こしたのは自分だと信じています。
従って、アニメタイアップのついていない楽曲の方が、よりフックとしては強力だと考えます。

現在活動中で、かつ直近3年間でリリースされていること
彼らの"その先"まで見通してあげましょう。オタク堕ちしたあとは声優現場に通って欲しいですよね。やまとなでしこを薦める訳にはいきません。
そこで今回は、現在活動中のアーティストによる、2017-2019の間にリリースされた楽曲という縛りを設けました。

楽曲紹介

1.斉藤朱夏「くつひも」(2019)

斉藤朱夏の1stミニアルバムの表題曲。
彼女のやや硬質な歌声とブルージーな曲調を調和させた佳曲です。
「高校生の頃aikoは聴いてたけど椎名林檎はそこまで聴いてない」人に聴かせてあげてください。
なお、もし古着屋にいそうな音楽通に斉藤朱夏を紹介する際は、「田村淳も好きな『ラブライブ!サンシャイン』の声優」という薦め方をしましょう。彼らは文化人と芸能人にめっぽう弱いはずです。
ちなみに、楽曲名押すとYouTubeのリンクに飛ぶようになってるんで、良かったらご利用ください。


2.伊藤美来「ルージュバック」(2017)

伊藤美来の1stアルバム収録の1曲。 シングル『Shocking Blue』のカップリングにもなってた曲です。
「ルージュバック」はカクテルの名前から取ってると思うんですが、曲調もかなりメロウな感じに仕上がっています。ただ、声優然とした甘めの歌声のため、題材に対してちょっと背伸びしてるようなアンバランスさが逆に魅力になっています。


3.中島愛「Odyssey」(2018)

中島愛が活休復帰後にリリースした4thアルバム『Curiosity』収録。
シンセポップ/フュージョンな感じで、chill感のある1曲です。
中島愛というと、セールス的には「TRY UNITE!」「Hello!」最近だと『星合の空』タイアップの「水槽」などミドル〜アップテンポの曲が目立ちますが、本曲のようなじっくり聴かせる曲も良いですね。


4.水瀬いのり「Shoo-Bee-Doo-Wap-Wap!」(2018)

水瀬いのりの2ndアルバム収録。
ハネるキャッチーなイントロで一気に引き込まれるスウィング調な1曲です。
例えば、今の日本で「スウィング・ジャズバンド作ってメジャーデビュー目指そう!」は高難度クエストだと思うんですが、音楽性に縛られない声優だと、この辺もメジャーシーンで自由に出来ちゃうのは強みですよね。


5.上坂すみれ「ノーフューチャーバカンス」(2018)

上坂すみれ3rdアルバム表題曲。
シティポップ/アーバン・コンテンポラリーな1曲です。
水瀬いのりの項で「音楽性に縛られないのが声優の強み」って書いたばっかでアレなんですが、上坂すみれとか喜多村英梨とか、声優自身の通ってきた音楽ジャンルが尖ってて、それに寄せていくアーティストな感じも一つのやり方かなと思います。
それでも、「POP TEAM EPIC」みたいに、アニメタイアップなんかで作品に寄せてガラッと変えていけるのはやっぱり強いですね。


6.早見沙織「メトロナイト」(2018)

早見沙織の2ndアルバム収録の1曲。
多分、今回紹介する曲の中で最も一般受けするかなと思ってる曲です。
ジャンル的にはシティポップに分類されるんですが、早見沙織さんの歌唱力がエグいんで、シティポップ・ブームに乗っかったその辺のバンドを一蹴できるくらいの重厚感があります。
ただ、歌詞に「もっと働いてよ」というフレーズがあるため、聴かせる相手には十分に留意願います。


7.三森すずこ「アレコレ」(2018)

三森すずこ4thアルバム『tone.』収録。
まさかのポエトリーラップです。
ただ、本人曰く「ラップではなく…語り」とのこと。

加齢を感じさせる顔文字のチョイスが良いですね。
話が脱線しましたが、ポエトリーラップと声の演技で勝負してる声優の相性って抜群だと思っているので、イロモノジャンルの枠を超えて欲しいですね。
トラックもジャジーな感じで、聴き心地の良い仕上がりになってます。


8. 安野希世乃「Destino ~恋は一秒の永遠~」(2019)

安野希世乃3rdミニアルバム収録。
ドラマティックなラテンジャズ調に仕上がってます。
というか、作曲・松本良喜っていうのがヤバイですね、、、
代表作、柴咲コウの「月のしずく」に中島美嘉の「雪の華」ですよ、、、


9.尾崎由香「僕のタイムマシン」(2018)

尾崎由香の1stアルバムおよびデビューシングルのカップリングにもなってた曲です。
前項の作曲家の話繋がりで、この曲は渋谷系の代表的バンドCymbalsの沖井礼二が作曲を担当しています。
そして、Cymbalsのこの曲のセルフオマージュみたいなことやってます。
渋谷系自体はもう過去のジャンルなんですが、かつて渋谷系を支えたクリエイターたちがここ数年結構オタクコンテンツに楽曲提供したりしていることが多いので、逆にオタクは渋谷系掘りからグルーヴ楽曲いろいろ発掘するのも良いかもしれません。


さいごに

Spotifyで今回紹介した9曲のプレイリストを下記のとおり作成したので、良かったらシェアしてください。
『古着屋にいそうな音楽通をオタク堕ちさせる、オシャレ声優楽曲の紹介』

これ読んでくれてるのがオタクしかいないことに気付いたので、当初の目的は果たせそうにありません。

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