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主題歌が8割増しで映えまくるアニメ映像16選

タイトル通り、今回はアニソンを論じる上で欠かせない「映像」に焦点を当て、100%主観で選んだ16作品を取り上げたいと思います。
映像技法とか専門的な知識は皆無なんで、語彙力低めでお送りしていければと思います。
なお、本当は10作品に絞りたかったんですが、それだと全皿大トロみたいなメジャータイトルだらけのラインナップになっちゃったので、16という数字になっています。

選出基準

①曲×映像×作風
90年代のビーイング系タイアップや、日テレアニメにロックバンド放り込むみたいな、曲と映像が別の方向向いてるのも、それはそれで趣があったりするんですが、基本的に曲と映像と作風がマッチして掛け算してる作品が好きです。なので、一番のポイントにこの基準を持ってきました。

②曲のBPMと映像の同期
曲のBPMに合わせて映像が進むことで生まれる一体感に弱いです。動きまくったりされたらもっとシンドいです。エヴァですね。

③クレジットの入れ方にこだわってるの好き
クレジットも色々と入れ方あると思うんですが、フォントや文字入れる場所とかこだわってるの見るとめっちゃ興奮します。

選出作品

1.『新世紀エヴァンゲリオン』OP
「残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子」
制作:GAINAX
https://m.youtube.com/watch?v=t-QSmNReDyI

アニソン界のクラシック。
「フラッシュカット」("0.2~1秒程度で瞬間的に映像カットを変化させていく映像手法" Wikipedia「フラッシュカット」より引用)って言葉はエヴァで知りました。

2.『進撃の巨人』OP
「紅蓮の弓矢 / Linked Horizon」
制作:WIT STUDIO
https://m.youtube.com/watch?v=iKjFfKBg05c

フラッシュカット繋がりでこれもお約束。
ただし、あくまでメインは立体機動装置を駆使してジェットコースターみたいに動き回るサビの部分で、エヴァで出来なかったこともアップデートしてくれてる感じです。「イェーガー」のキメの部分は何回見ても興奮しますね。

3.『日常』OP
「ヒャダインのカカカタ⭐︎カタオモイ-C」
制作:京都アニメーション
https://m.youtube.com/watch?v=oe2fPs0_xXg&t=3s

動きまくる系で外せない『日常』の1クール目のOPです。わちゃわちゃした曲と映像がマッチしてて、かつ、作風とも見事に合致してて素晴らしいです。あと、曲調が落ち着く35秒くらいのタイミングでタイトル出すのがめっちゃおしゃれ。

4.『ユーリ!!! on ICE』OP
「History Maker / DEAN FUJIOKA」
制作:MAPPA
https://m.youtube.com/watch?v=ORDXWrL5EuQ

あとタイトル出しのタイミングで秀逸なのが「ユーリ」で、1分弱、全体の2/3過ぎそうなところで満を持して登場します。
あと「ユーリ」のOPは、回が進むにつれて背景とか徐々に変えたりしてて凄い力入ってます。その周辺の考察は、ユーリ警察がたくさんネットに上げてくれてるので、アニメ見終わったら調べてみてください。

5.『GIGANT KILLING』OP
「My story 〜まだ見ぬ明日へ〜 / THE CHERRY COKE$」
制作:スタジオディーン
https://m.youtube.com/watch?v=VX_QGTdipB4

「ユーリ」は実際のフィギュア振付師に映像の振り付け依頼することで現実感のある映像作りに成功してたと思います。その観点だと「ジャイキリ」のOPもかなりリアルな仕上がりになっていると思います。
この作品の良さは、開始〜30秒までで大体伝わると思います。Jリーグのサポーター文化にもガッツリ焦点を当てた作風が、サポーター目線の映像にしっかり反映されており、キックオフに合わせてBPM上げてくる曲と映像の同期具合がエグい良いです。サッカー観に行ったときのワクワク感がリアルに伝わる仕上がりだと思います。

6.『亡念のザムド』OP
「SHUT UP AND EXPLODE / BOOM BOOM SATELLITE」
制作:ボンズ
https://m.youtube.com/watch?v=M15KrbVP5Ms

曲のBPMと映像の同期というキーワードだと、この作品は開始5秒で良さが伝わります。
曲のキックに合わせた足踏みが最高にカッコよくて、 BOOM BOOM SATELLITEのクールな感じにめちゃくちゃ合ってます。
あと、冒頭の選考基準には挙げなかったんですが、映像内に一貫したストーリー性があるやつ凄い好きで、ザムドOPもその一つです。逆に、「とりあえずキャラ走らせとけ」は条例で取り締まるべきという立場です。

7.『ひだまりスケッチ×365』OP
「?でわっしょい / ゆの(阿澄佳奈)・宮子(水橋かおり)・ヒロ(後藤邑子)・沙英(新谷良子)」
制作:シャフト
https://m.youtube.com/watch?v=0K06y0Bna2M

曲のBPMと映像が噛み合ってる例でさらに凄いのが、ひだまりスケッチの二期OPです。
一期の正当後継的な映像で、観てもらえれば分かると思うんですが、終始、曲のBPMと映像が噛み合っていて、観てて本当に気持ち良い作りになってます。
シャフト演出というと、なんか奇抜で拗らせたイメージが先行するかもしれませんが、こういう地味なところもしっかりしてるのは好感度高いです。

8.『WORKING!!』OP
「SOMEONE ELSE / 種島ぽぷら(阿澄佳奈)伊波まひる(藤田咲)轟八千代(喜多村英梨)」
制作:A-1 Pictures
https://m.youtube.com/watch?v=i-ZwhxaOQJk

この作品もBPMと映像の同期具合が気持ち良いです。あと、彩度高めの背景に切り絵キャラ動かす"WORKING!!っぽい"フォーマットが良いですね。パロディ動画作りたくなるのは良い映像だと思います。

9.『サーバント×サービス』OP
「めいあいへるぷゆー? / 山神ルーシー(略) (茅野愛衣)・三好紗耶(中原麻衣)・千早恵(豊崎愛生)」
制作:A-1 Pictures
https://m.youtube.com/watch?v=goT1Xz6f9kw

高津カリノ作品でもうひとつ取り上げたいのがこちら。
この作品はクレジットの入れ方が素晴らしいです。

このカットの作り込みはちょっと引きました。

10. 『私に天使が舞い降りた!』OP
「気ままな天使たち / わたてん⭐︎5」
制作:動画工房
https://sp.nicovideo.jp/watch/sm35646517

わたてんもクレジットの入れ方にかなりこだわっている作品です。

楽しみながら鎌田肇で遊んでる感が良いですね。

11.『それでも町は廻っている』OP
「DOWN TOWN /坂本真綾」
制作:シャフト
https://m.youtube.com/watch?v=32P7C0tPvQE

これまでいくつか取り上げてきた曲の「BPMと映像の同期」と「クレジットの入れ方」の両方を満たしてるのが、それ町のOPかなと思います。
作品自体はすごい上品ってわけでもないのに、OPはめっちゃスタイリッシュです。ただ、作風と合ってないって訳でもなくて、この辺のバランス感覚が秀逸です。

12.『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation』OP
「Never Say Never / TKDz2b」
制作:ラルケ
https://m.youtube.com/watch?v=2lFmxJ-vVBw

同監督繋がりで「ペルソナ4」とどっち挙げるか迷ったんですが、アニメの方は評判控えめなこちらで。
原作リスペクトの止め絵とぬるぬる動くサビのの抑揚が気持ち良くて、原作とアニメの表現が上手く融け合ってると思います。
アニメの方は原作プレイ済みなら正直見なくても…って感じですが、後継作の『ダンガンロンパ3 -The End of 希望ヶ峰学園-』はかなり面白いんでオススメです。

13.『BACCANO! -バッカーノ!- 』OP
「Gun's&Roses / Paradise Lunch」
制作:ブレインズ・ベース
https://nico.ms/sm7230550?cp_webto=share_others_iosapp

この映像の作り方、元ネタあったんですね。Snatch Opening Titles
デュラララ!!にも継承されてる演出で、単純に見てて面白いしカッコよくて大好きなんですが、「この映像観て登場キャラの名前把握しろ」は
数Ⅲ・数Cくらい難しい
と思います。
冒頭に挙げた3つの選考基準と明確に繋がる訳じゃないんですが、単純にカッコ良いので取り上げました。

14.『ゲーマーズ!』OP
「GAMERS! / 天道花憐(金元寿子)、星ノ守千秋(石見舞菜香)、亜玖璃(大久保瑠美)」
制作:PINE JAM
https://m.youtube.com/watch?v=DMKX9ETeJOw

サビまでが分かりやすい数多のパロディです。
めっちゃ言葉悪いんですが、安っぽいパロディも重ねられると物量に屈してしまう稀有な例です。
すごい好きです。
あと生徒会の一存もすごい好きです。

15.『中二病でも恋がしたい!』OP
「Sparkling Daydream / ZAQ」
制作:京都アニメーション
https://m.youtube.com/watch?v=QaRmIOOKLE0

有名どころですね。
「眼帯」ってキーワードでこの表現は上手すぎますね。
同じ眼帯繋がりだと、『ef - a tale of memories』のOPでもこんな感じの表現で、こっちも今回取り上げるか迷ったくらい凄いカッコ良いんですが、「中恋」の方はより洗練された感じですね。

関係ないですけど、『中二病でも恋がしたい!』の正式略称「中恋」らしいんですが、タイトル言うときなんかフルで言っちゃいません?

16.『涼宮ハルヒの憂鬱』ED
「ハレ晴レユカイ / 涼宮ハルヒ(平野綾),長門有希(茅原実里),朝比奈みくる(後藤邑子)」
制作:京都アニメーション
https://m.youtube.com/watch?v=kqBlD0NW_EQ

最後は京アニ繋がりで大クラシックです。
選考基準と関係なくなっちゃうんですが、この作品の功績を考えるとどうしても外せないので、トリに入れさせていただきました。
その功績が、端的に言うと「踊ってみた」文化に対するものです。
オタクの世代って、個人的にハレ晴レダンス以前と以降で性質が分かれると思っていて、ハレ晴レを機に、「踊ってみた」り、けいおんを観て「弾いてみた」りと、体験型みたいなオタクがどんどん出てきたように思います。
体験型オタクは、作品自体を観るだけでなく、作品を使って楽しむ的な新しい価値観を持った新人類で、彼らが、「自分と作品の一対一の関係性」を崩していき、「みんなで楽しむ」現在のアニメ文化隆盛のきっかけを作っていったように思います。
しかもこのムーブメントはアニメ文化だけでなく、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』や、逃げ恥の「恋ダンス」など、ポップカルチャー全体の動きに作用していき、現在は既に定着し切った感じです。
そんな一大ムーブメントを引き起こした「ハレ晴レユカイ」は、主題歌というよりアニメ文化が8割増しで映える作品なのではないでしょうか。

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