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memo_20200430

2020/4/30
前営業日の金融市場トピック&サマリ


為替市場
●29日のドル円は続落。前日に107円台を割り込み、106円台での推移が続いた
●東京市場が休場で取引参加者が限られる中、アジア時間には中国で5月22日から全人代の開催が決定
●アジア株式市場も総じてリスクオンムードであったことから、リスク回避のドル買い需要が後退し106.50円台まで軟化
●ただ、その後は手掛かり材料に乏しく、小動きとなった。
●この日、米国時間には米1-3月実質GDPの速報値の発表、FOMCの結果が発表された
●注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)は28、29両日に開いた定例会合を終了
●フェデラルファンド金利(政策金利)の誘導目標レンジを0-0.25%で据え置いた
●新型コロナウイルスの感染拡大は「中期的に経済見通しに多大なリスクをもたらす」と判断し、ゼロ付近での金利を維持
●債券購入を継続すると改めて表明した。

●1-3月の米実質GDPは、前期比年率▲4.8%と四半期ベースで2014年以来のマイナスとなった
●4-6月はさらに大幅な縮小が見込まれており、少なくとも約80年ぶりの深刻なリセッション(景気後退)が近づいている
●11年弱に及んだ過去最長の米景気拡大は終わる見通しだ
●ただ、FOMCの結果、1-3月実質GDPの結果に対する金融市場の反応は限定的となった
●ただ、ギリアドの治験結果の報道を受けた米国株高はドル円にとってプラス材料であったようで、幾ばくかは上向きの力として作用した

●ドル以外の先進国通貨では、首相が勝利宣言を行ったNZドルが引き続き堅調、豪ドルもつれ高に
●NZドルは対円・対ドルともに1%を超える上昇となっている

●新興国通貨は概して堅調。原油価格の反発を受けてロシアルーブルが対円・対ドルで1%超の上昇した
●また、ギリアドの治験結果の報道も新型肺炎の拡大が続いている新興国にとってはポジティブなニュースフローであった
●南アフリカランドは対円(前日比+2.8%)、対ドル(同+2.8%)ともに3%近い上昇
●このほか、ブラジルレアル、メキシコペソ等の中南米通貨が買い戻されている
●ブラジルレアルは対円(同+2.5%)・対ドル(同+2.7%)、メキシコペソは対円(同+2.1%)・対ドル(同+1.9%)
●NY原油先物は大幅反発し、15.58ドル/バレル(前日比+3.24ドル/バレル、+26.26%)に
●経済活動の再開や新型ウイルス治療薬開発での楽観的報道で需要回復期待が広がった
●また、米国の週次統計で石油在庫が予想を下回ったほか、ガソリン在庫が予想外に減少したことで供給過剰懸念も後退した

株式市場
●アジア株式市場は概して底堅く、大半が上昇して取引を終了した
●中国株式市場で上海総合指数は2822.4424(前日比+0.44%)と上昇。国内大手銀行の第1・四半期決算が増益だったことを好感した。

●米ギリアド・サイエンシズは29日、同社の抗ウイルス治験薬レムデシビルが、COVID19治療での有効性を調べる米国の臨床試験で患者のより速い回復を促したと発表した。初めての有効なCOVID19治療薬が生まれる可能性がある
●上記の報道を受けて、株式市場はリスクオンムードに
●新型肺炎の有望な治療薬として注目を集めているレムデシビルを巡っては、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)も無作為抽出による二重盲検試験を実施しており、早ければ5月半ばまでに暫定試験結果が明らかになる可能性があるという。

●欧州株式市場でSTOXX欧州600種は347.06(+1.75%)と続伸して取引を終えた
●新型肺炎によって引き起こされる疾患「COVID─19」の治療薬の開発に進展があったことから、市場心理が好転した
●米原油在庫が予想ほど増えなかったことで原油価格が持ち直し、石油大手のトタルとBP、ロイヤル・ダッチ・シェルが3%超上昇した

その他のトピック
>日本 新型肺炎に対する非常事態宣言延長の議論
●西村康稔経済再生担当相は28日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い5月6日まで全国に発令中の緊急事態宣言を延長するかについて、ぎりぎりまでデータを見た上で、「混乱が生じないよう適切なタイミング」で判断する考えを示した。
●なお、日本経済新聞社によると政府は5月6日に期限を迎える新型肺炎に関する緊急事態宣言を延長する方針を固めた模様
●全国を対象にして1カ月程度延ばす案を軸に調整するとみられる
●5月1日に開く専門家会議の意見や感染状況を見極めたうえで最終判断する


>全人代開催
●中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は第13期全人代第3回会議を5月22日から北京で開く
●国営の新華社通信が全人代常務委員会の決定を引用して4月29日報じた。
●国政助言機関である人民政治協商会議(政協)が5月21日に会合を計画との報道もあったが、全人代などの開催期間や形式への言及はなかった

> 豪NSW州、移動制限緩和へ 2人まで知人宅訪問可能に
オーストラリアで最も人口の多いニューサウスウェールズ(NSW)州は28日、新型コロナウイルスの感染拡大抑制に向け導入した移動制限措置の一部を緩和する方針を示した。

> 豪財務相、新型コロナの経済的影響について来月説明へ
豪政府は28日、フライデンバーグ財務相が来月に新型コロナウイルスの国内経済への影響について説明すると明らかにした。また、6月にはさらなる景気見通しを示す。新型コロナ危機を巡り、財政の透明性を高めるべきだとの声が高まっていることに対応する。

> 米複数州がコロナ制限緩和、中西部オハイオ・ミシガンで対応に相違
米国で新型コロナウイルス感染拡大で休止状態にある経済活動再開に向けた動きが複数の州で強まっている。オハイオ州のデワイン知事はこの日、経済再開に向けた「最初のステップ」を公表した。一方、ミシガン州のウィットマー知事は、「人為的な日程」には縛られないと強調し、同じ中西部でも異なる対応が表面化した。

【主なニュース】
4月28日 / 06:42 情報BOX:新型コロナウイルスを巡る海外の状況(28日現在)
2020年04月30日05時38分 WHO、きょう専門家委 新型コロナ緊急事態から3カ月
欧州
4月30日 / 02:34 新型コロナワクチン、量産実現は来年半ば以降=英グラクソCEO
2020/4/29 17:49 仏も外出制限緩和、欧州製造業の再開広がる コロナ「第2波」懸念も
米国
2020年4月29日 22:29 ギリアド、レムデシビルが主要評価項目達成-新型コロナ臨床試験
4月29日 / 23:59 ギリアド新型コロナ薬試験、良好な結果 早期投与で効果の可能性
2020年4月29日 21:45 米GDP1-3月速報値、4.8%減-景気後退の始まり示唆
2020年4月29日 23:08 米中古住宅販売成約指数が前月比20.8%低下-2010年以来の急降下
2020年4月30日 0:12 ボーイング、人員と生産を大幅削減へ-新型コロナで市場縮小
2020年4月28日 7:42 【新型コロナ】米国の感染者100万人超、死者数はベトナム戦争上回る
米FOMC
2020年4月30日 3:19 FOMC、新型コロナ「中期的」に多大なリスク-ゼロ金利維持へ
2020/4/30 6:10 経済復元「時間かかる」 FRB議長が長期停滞懸念
2020年4月30日 4:55 FOMC声明:あらゆる手段用い経済支援、証券購入や大規模レポ継続
日本
2020/4/29 16:28 (2020/4/30 5:20更新) 「ステイホーム」でも買い物客 スーパー前週比12%増
2020年4月28日 19:03 緊急事態宣言延長の可否、ぎりぎりまでデータ見て判断-西村再生相
2020/4/29 22:20 (2020/4/30 5:15更新) 緊急事態宣言延長へ 政府調整、全国対象に1カ月程度
2020/4/30 5:00 時限措置の酒販免許に飲食店殺到 1万1400店
2020/4/29 13:00 補正予算案が衆院通過 30日に成立へ
アジア
2020年4月29日 13:45 豪州、1-3月のCPI上昇率は2.2%に加速-14年以来の高水準
2020年4月29日 11:53 中国全人代、5月22日開幕-新華社は開催期間伝えず


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