韓国:鬱陵島(ウルルンド)で汚染垂れ流しか?

2021.4.21に韓国の毎日新聞が鬱陵島(울릉도、ウルルンド)の養豚場による河川汚染について報じていました。

매일신문、メイルシンムン〜毎日新聞は大韓民国大邱広域市を拠点とする地方新聞。カトリック財団が運営している。http://news.imaeil.com/

豚を飼育する施設(慶尚北道鬱陵郡鬱陵邑沙洞里[사동리、サドンリ]周峰[두리봉、トゥリボン413m]登山道付近)で排泄物が隣接する河川に流れ込んでいるそうです。

ここ5年ほどで2棟の畜舎と地下排泄物貯蔵槽が出来て、夏にはハエや悪臭がひどく、隣接する河川へ浸透し特に雨の日には大量流出。しかも登山道近くとあって観光にも大ダメージ。

鬱陵郡では問題となっている農場主と状況改善のため協議中とのこと。

現在、鬱陵島では特産である韓牛355頭の他、豚38頭と鶏527羽が飼育されているそうで、記事によれば鬱陵郡では2024年までに畜産施設を整備する計画があるとか。

沙洞里といえば旅客港ターミナルもある島の中心地ですから河川が臭い汚いのはイメージダウンになること必死。そのまま海に流れ出ているので水産物への風評被害もありえますね。

환경오염、ファンギョンオヨム〜環境汚染

ところで、韓国にも家畜糞尿法があり行政処分が行われるそう。1年間の啓蒙期間を経て2021.3.15から本格実施されている堆肥(퇴비、トゥェビ)腐熟度(부숙도、ブスクド)検査(法施行は2020.3.25)も関係して今後は丁寧に対策されるのでしょう。

完熟していない堆肥は臭気など環境被害をもたらします。しかし畜産農家への周知が不足しており、また厳格化で不満をもつ畜産農家は多いそうで前途多難。
㈜畜産経済新聞社「堆肥熟度検査、義務化の課題」

가축분뇨법、カチュクプンニョウポゥ〜韓国の家畜糞尿法
(2007.9.27施行、以後改正を重ね厳格化)
韓国環境省「家畜糞尿法施行令公布」
퇴비부숙도、トゥェビブスクド〜堆肥の熟成度

法制化の背景は、河川周辺や農地での糞尿の野積みや、公共水域への流出行為、糞尿施設の無断増設と不適切な管理方法があり、住環境への悪影響(悪臭や水質汚染)が顕在化したためです。

※ちなみに日本では「家畜排せつ物法」(1999.11.1施行)で適切な管理と土づくりへの活用の促進が図られているそうです。汚染対策として不浸透素材を床面に用いるなど法律で定めています。
農林水産省「家畜排せつ物法とは」

面積の狭い島内での産業活動には苦労があると思いますが、エコツーリズムをかかげる同島では環境問題にも敏感なのでしょうね。

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