AI時代で生き抜くために

目次 

1.AIが仕事を奪うということは?

2.消える仕事消えない仕事

3.AI時代を生き抜くには?

4.人として


1.AIが仕事を奪うということは?

今、人間が従事している職業や仕事を、人間ではなくAIが社会というのはなんとも想像がつきにくいものです。そう遠くない未来「AIが仕事を奪う」「AIで仕事がなくなる」という意見を、僕たちはどのように受け止めればよいでしょうか。

近年の第三次人工知能ブームにより、AIは加速度的な発展をとげていて、機械学習やディープラーニングを通じて、AIが徐々に人間が行うような複雑な問題に対応できるようになってきているという現実があります。実際に多くの分野において、AIが既に私たち人間の役目を肩代わりをしているというのは事実であり、最早AI は私たちには無くてはならない存在になっています。

そのことが、この先の未来において、AIが人間の仕事を奪ってしまうという予測につながっている大きな要因です。

この先、人々はAIに仕事を奪われることになるという主張の根拠としては、国内外の研究施設から発表された論文があります。イギリスのオックスフォード大学は、近い将来に現在ある仕事の90%は機械(AI)に置き換えられると公表しました。また、野村総合研究所は、この先15年で今ある仕事の49%がなくなるというレポートを発表しています。

特に、単純作業に関しては、人間が行う場合よりもAIが実施した方が高い生産性を生む分野でもあります。AIの得意分野に該当する仕事は、それぞれの論文でも共通してAIに取って代わられる仕事だと言われています。

例えば、

• 資料整理

• 文字入力

• 機械類操作

これらの仕事は、近い将来人間の仕事ではなくなっていく可能性があります。

2.消える仕事消えない仕事

では、どのような仕事が無くなる可能生があるのか今回はそれぞれ違いを見て見たいと思います。

まずはこの図を見て見ましょう。

なくなる仕事なくならない仕事

AIに奪われる仕事

野村総合研究所とオックスフォード大学の協同研究レポートによると、将来AIやロボットによって代替される可能性が高い職業として、以下の2点が挙げられます。

• 人よりもAIの方が正確にできる、作業効率が上がる

• AIが人の代わりに全てをこなせる

ご存知の通り、データや数字を扱う仕事は、AIが最も得意としている仕事のひとつです。計算や計測などの仕事は、人が行うよりもAIが行う方がオペレーション上のミスが少なく、その作業すべてをAIがまかなうことが可能です。同じく、単純なデスクワークや資料整理、文字入力、機械操作などの定型業務についても、上記ふたつの特徴に当たる仕事として、AIに代替されやすいと考えられています。

AIに奪われにくい仕事

では奪われ憎い仕事とにはどのような特徴があるのでしょう?先ほどの研究レポートと同じもので、AIやロボット等による代替可能性が低い職業としてあげられているのは、クリエイティブや物理作業、複雑な判断を伴うような仕事は、AIが発展しても消えない職業と判断されています。

AIに代替されにくい仕事の特徴は、代替されやすい仕事の特徴として先ほどあげた

• 人よりもAIの方が正確にできる、作業効率が上がる

• AIが人の代わりに全てをこなせる

この2点に当てはまらないものであると言えます。

複合的な行程や知性や複雑な判断が要求される仕事、あるいは型にとらわれないような仕事はAIに代替されにくいと考えられます。例えば、芸術、考古学、哲学など抽象的な概念の理解が求められる仕事は、AIが概念を理解することが非常に困難な以上奪われる可能性が低いものです。またコミュニケーションや交渉などの論理だけでなく人の勘定も密接に求められる仕事も同様です。今のAIが人間の感情や発言の裏側まで想定することが出来ない以上これらの仕事が人から奪われる可能性は低いと思われます。

参考:株式会社野村総合研究所:『日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~』

3.A時代を生き抜くには?

実際にはAI時代という明確な言葉の定義は無いのですが、スマホ、パソコン等の分かりやすい身の回りのものだけでなく、私たちの実生活では実感のない舞台裏でも活躍しているAIは最早私たちの生活の一部であり、この世はもうAI時代だと言っても過言ではありません。

ではそのAI時代を生き残るのに重要な能力とは何でしょう?ここでは、田坂広志著「能力を磨く、AI時代に活躍する人材、3つの能力」から参考にしたいと思います。

「現代の知的労働に求められる能力は、基礎的能力、学歴的能力、職業的能力、対人的能力、組織的能力の5つ。この内、最初の2つは、AIによってそのまま代替されてしまう。一方、後の3つはより磨き上げることでAIに代替できない能力となる」と田坂氏は、AI時代に磨くべき3つの能力を挙げています。

それは、

・ 組織的能力

・ 対人的能力

・ 職業的能力

の3つです。

組織的能力

AI時代において、マネージャーに求められるのは、部下やメンバーが仕事に働き甲斐を感じ、心が躍るようなビジョンやミッションそして志を語れるかということです。また、部下やメンバーの成長を支えることができるかも問われます。その意味で、全てのマネージャーにカウンセラー的な能力が求められる即ち「心のマネジメント力」が求められる時代がやってきます。

対人的能力

対人とは、一般で言われるただ、言葉を使ったコミュニケーション力のことではありません。コミュニケーションの8割は、言葉以外によるものであり、これこそは人間ならではの能力であり、今現在のAIには苦手な領域です。会議の後などに参加者の無言の声を推察し、その心の動きを想像するという経験によって身につく能力でもあります。また、このコミュニケーション力の奥には、自身の苦労の体験から身につけた「体感的共感力」が極めて重要であり、それは、決してAIでは代替できない力だということです。

職業的能力

職業的能力とは、ただ「知識」の修得力という表面的なものではなく、経験と体験を通して「智恵」を身につける体得力であり、これを部下や社員に教えることのできる伝承力です。人間は

「知識」の修得トいう点において、AIには到底立ち向かえません。だからこそ、言葉で表せない智恵、いわゆる、テクニック、センス、スキルや、ノウハウ、さらには、ハートやマインド、スピリットやパーソナリティなどを身につけ、磨き、それらをしっかりと次の世代にも伝承できる能力を身につけることが大切です。

4.人として

確かにAIは多くの面で人間よりも遥かに優れた力を持っており、このAIに頼り切り、AI無くしては人の世が廻らない今の時代は最早、「AIの時代」と言っても過言ではありません。しかし、AIはあくまでも、私達人が作りあげたモノでありAIに全てを任せるのではなく、私達人間こそがその手綱を握るという意識を持つ自覚が重要だと思います。

上で挙げた3つの能力に共通するのは、AIの論理思考力と知識修得力では決して辿り着けない人間だけが発揮できる能力の世界があるということです。これからこの「AI時代」で生き残る為には、AIが苦手なところ、逆にいえば人間ならではの強みを最大化することこそが社会人としてこの重要なのだと思います。