見出し画像

プロレス超人列伝第四回 「ハルク・ホーガン」

プロレスラーといえば、まずどんなものを想像するだろうか。

筋骨隆々、傲慢で不遜な態度…そしてポージング、まあこういったステレオタイプな想像を誰もがするだろう。

今回紹介するのはそのステレオタイプのモチーフとなった超人ことハルク・ホーガンである。

この記事シリーズの「超人列伝」もまさしくハルク・ホーガンにちなんでいる。

彼の凄いところは何を隠そう、カリスマ性にある。

かくいう僕も実は昔ホーガンの来日をみたことがあるが、出番はKENTAのWWE入団式ぐらいであったがそれでも会場を覆いつくさん限りの大声援が鳴り響いていたことを覚えている。

今でこそプロレスを代表する永遠のアイコンとして有名な彼であるが、少年時代は運動神経はほとんどない体格と力だけのノロマな大男であったそうだ。

できるスポーツは野球だけで、それですらも走り込みが苦手であったらしくせいぜいパワーヒッター程度の扱いだったらしい。

しかし、少年時代からプロレスラーにあこがれていたハルクはどうしてもプロレスの世界をあきらめれなく日本人レスラーのヒロ・マツダの弟子になり彼に一からみっちり鍛え上げられていったらしい。

良くも悪くもパワーファイターであるハルクだが、実は日本にいた時期はカニバサミやアームバー、タイガースピンといったテクニカルな技をを披露することが多く現地のファンが日本時代のホーガンをみてここまで試合ができるのかと彼を再評価する向きが非常に多いことで有名である。

これもおそらくマツダ氏の影響なのだろう。

人は変わることができるのだ。

その後、1980年代初頭に当時大ブームであった新日本プロレスに登場してあのアントニオ猪木を彼の必殺技であるアックスボンバーの一撃で失神させてしまうほどの大活躍をみせていった。

日本でスターになった彼は、本国アメリカに帰国当時大躍進をとげていたWWFに入団し、1980年代のアメリカを代表する大スターとして黄金期を築き上げていく。

そのキャラクターは今の時代では失笑してしまうほどアメリカンな善玉キャラでテレビの前にいる子供たちに「ビタミンを取れ、神様への祈りを忘れるな」と呼びかけるという具合であった。

不思議なことに、ホーガンがいうと説得力はあったのだ。

やがて、アンドレ・ザ・ジャイアントを打ち破り大スターになったホーガンはWWFの全米マット侵略に大いに貢献するのであった。

しかし、王道ヒーローが許された1980年代は終わってしまった。

やがて時代は移り変わり、1990年代になると次第にホーガンは古い時代のヒーローとしてみられ飽きられるようになった。

WWFを去ったホーガンはWCWに移籍、しかしそこでも与えられる役柄はほとんどWWFにいたころと変わらないものであった。

団体を変えても人気は落ちていく一方であった。

と、ここまで書けばまるで落ち目になっていくのではないかと思う人も多いかもしれない。

しかしホーガンはここであきらめる男ではなかった。

そして、天も彼を見捨てはしなかった!


ホーガンは善玉キャラでは受けないことがわかり、ヒール転向をすることにしたのであった。

この時に生まれたのがかの有名な「nWo(新世界秩序)」であった。


これがまた大ブレイクをした、今度はその人気はアメリカから日本やメキシコといった世界中のマットを席巻していった。

1980年代を代表するヒーローは1990年代を代表する大悪役として世界中に君臨することになったのだ。

しかし、nWoはWCWを覆いつくしすぎてしまい内部崩壊を起こしてしまった。

WCWからも去ったホーガンは当時アティテュード時代で大人気を誇ったWWFに戻ってきた。

無論、nWoのキャラクターは継続していた。

そこで当時のWWF(この時代はまだそうだった)の主役であったロック様ことドウェイン・ジョンソンとレッスルマニアでぶつかったホーガンはなんとあろうことかロック様を超える大声援を受けてしまった。

あまりの出来事にホーガンですらも困惑をする。

とうとうホーガンはnWoのキャラクターをすて、かつての超人キャラを取り戻し善玉転向に成功するのであった。

そして、時代は流れ2015年。

ホーガンはある問題発言を行い干されてしまうのであった。

これも今考えればイヤキチというか、悪質なクレーマーが編集しただけでしかないのであるが当時大問題になり、ホーガンが看板キャラだったゲームも差し替えになってしまう時代になってしまった。

流石にホーガン、もうダメかな…。だれしもそうおもっていた。

しかし!!2019年、ホーガンは再びWWEに戻ってきたのだ!!


とことん天に愛された男である。

なんど挫折しても這い上がる、あきらめないその背中それこそがホーガンスタイルなのだ。

アメリカンドリームを体現する超人神話はまだこれからも止まることはないだろう。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?