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貧乏性と「物持ちがいい」の境目

これ、何の写真かわかるでしょうか?

囚人服でも歴史的資料でもありません

答えは、買ってから10年着ていた私のパジャマです。

反対側はもっとひどい

さすがに限界を迎えたので2年くらい前に捨てたんですが、自分でも満足いくまで着倒したので、記念として捨てる前に写真に撮っていました。

これは極端な例ですが、私は貧乏性でなかなか物が捨てられません。

先日も電子レンジが壊れたので新しいのを買いましたが、日付を見たら2003年製だったので、20年使っていたことになります。

貧乏性の言い方を変えれば物持ちがいいということになりますが、ものには限度があると言いますか、パジャマの写真は多分みなさん引いたでしょう。

もちろん人前に出る時はきちんとした格好をしますが、人に見られないところではこんな感じの、全然飾り気のかけらもないモノに囲まれて生活しています。

半分はお金の無駄遣いが嫌いという理由からですが、もう半分は単純に買うのも捨てるのも面倒くさいからなんですよね。

それでも20代の頃は面倒くささより物欲の方が勝っていたので、服やら靴やらたくさん買いましたが、30代以降はさっぱりです。

高い服やスーツも何着かあるんですが、傷むのがイヤだとか、丁寧に洗濯したりクリーニングに出したりするのが面倒という理由で、買ってから何年も経つのに1~2回しか着ていないのも結構あります。

最近は買う前から捨てる時のことを考えるので、服に限らず何でも「天寿を全うするまで使い切れるか」をシミュレーションして、「じゃあいいや」と見送ることが大半です。

また、面倒くさいのとは別で、思い入れがあって捨てられないこともあります。

その1つがこの電子辞書です。

もう動かない

これは私がワーホリでオーストラリアに行ったときに家族から餞別としてもらったもので、かれこれもう17年経ちます。本当に壊れるまで使い倒したのでもう捨ててもいいんですが、色んな思い出がつまっているのでなかなか捨てられず、今でも保管しています。

この辞書なしでは英語の勉強が全然はかどらず、ワーホリ生活が充実することは絶対になかったので、戦友といっても過言ではないくらいのものなんですね。

東大受験と大学に入ってからのことを考えて、より高い機能を求めてこの電子辞書が壊れる前に新しいのを買いました。10年前のことですが、当時はちょっと心苦しい感じがあって、シンプルな調べ物で済む時は古い方を使っていました。せめて壊れるまでは使ってあげないと、と申し訳ない気持ちがあったんですね。

似たようなものに、このペンケースもあります。

これも10年使っている

参考までに比較画像を用意しました。もともとはこんな感じの製品です。

私の持っているのとは違うメーカーの商品ですが、元の画像が見つからなかったので似たイメージのものを載せています

なんでこんなに傷むまで使っているかというと、私が東大受験を決意した時に、当時の会社の同僚が激励の意味を込めてプレゼントしてくれたものだからです。

「これで受験勉強を頑張ってください」と言われたのが嬉しくて、受験が終わってからもずっと使っていました。大学での勉強にも、家庭教師の仕事にもずっと使っていました。

もちろん家庭教師の依頼先のご家庭には「えっ、この先生そんなに生活が苦しいのかな…」と変な気を遣わせないよう、最初に「このペンケースもうボロボロなんですけどね、…」ともらった時の経緯を話すようにしています。

傍から見ればみっともなく見えるのは分かるんですが、くれた人の心意気を考えるとなかなか新しいものに切り替える気持ちが湧かないのです。

しかし、ついにこのペンケースにも引退の時がきました。壊れたからではありません。

私が6年近く家庭教師として指導を続けて、大学進学が決まり卒業を迎えたある生徒のご家庭から、今までのお礼として最終日にこんなプレゼントをもらったからです。

高級ペンとシックなレザーのペンケース

私のボロボロのペンケースを見かねたのでしょうか(笑)

いや、もちろんこのご家庭にも元のペンケースをもらった経緯や捨てられない性分のことは話しているのでそんなことはないのですが、長い間非常に仲良くさせていただいたこともあり、とても嬉しかったですね。

まだ元の方も使えるので名残惜しいですが、せっかくもらったものを使わないのもそれはそれでもったいないので、そろそろ引退してもらいます。当時の同僚も「よく使ってくれた」と思ってくれるでしょう。

貧乏性と「物持ちがいい」と、みなさんからどっちに思われるかは分かりませんが、まああんまり気にせずこれからもこんな感じで生きていくのだろうと思います。

実家にも同じように捨てられないものが結構眠っているのですが、機会があればいずれまた。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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