日記 THX

今日は海老名に映画を観に行った。『リバリウム』と『シン・エヴァ』2回目。

シン・エヴァの感想をそろそろ、少しずつ書いていこうかな。

この映画がすごいと思ったのは、現実に向けてひらかれているから。作中でシンジ君が何度もハッと目を覚ますように、シン・エヴァは観客が夢から醒めて現実へと帰っていくための作りになっている。

僕は2回観て、2回とも、映画館を出た後の現実の生々しさに、酩酊したようにクラクラしてしまった。街中を歩いている人々が、普段見慣れているはずの景色が違って見える、そういう映画だ。エヴァが存在しないこの世界が、実はものすごい奇跡のような確率で存在していることを感じられる。

かつてエヴァは少なからず、現実に絶望したオタクたちが耽溺するための受け皿になってしまっていた作品だった。その負の呪縛を見事に断ち切ったこと、そして虚構を現実へと接続したこと。まあこういうことはもう既に多くの人が語っていると思うけど、本当にすごいと思った。

『リバリウム』はヤバい映画だったな。こっちの感想はまたいつか書くかもしれない。

映画と映画の間にカフェで『<責任>の生成』を読んでいた。この本はマジでエヴァとセットで語りたいことがたくさんある。シン・エヴァでも「責任」がテーマのひとつと言っても差し支えないだろう。ゲンドウがイマジナリー世界で独白する内容は、アフォーダンスのせめぎ合いに耐えられないASDの証言として聞こえるし、かつてのシンジ君ももちろん同様だ。

『<責任>の生成』の読書会を友人が開くらしいので、とても楽しみにしている。そういえば、最相葉月の『れるられる』というエッセイが、直接的に中動態や当事者研究に言及してはいないが、かなり近いことについて間接的に語っていたことに気づいた。そちらも読み返そうと思う。

明日は久しぶりに会う友人とエヴァの感想について話す予定だ。彼から脚本が送られてきて、感想をくれとも言われているので、今からそれを読むつもり。

そういえば、海老名のTHXシアターに行ったのが初めてだったのだけど、確かに音響はかなり良かった! シン・エヴァを前回観たときは別のイオンシネマで見たのだけど、今回のほうが明らかにセリフが聞き取りやすかった。同じ作品で比べるとわかりやすいな。特にエヴァは、色んな人のセリフが被りまくっていて、まあ単なるフレーバーとして聞き流しても良いのかもしれないが、どうしても聞き取れないところがあると気になってしまう。THXは音の分離感がよりはっきりしているので、エヴァみたいな色んな所で色んな人が喋ってる作品は特におすすめかもしれない。デジタルIMAXなんて、画質の差はたかが知れてるので、音響で映画館を選んだほうがもしかしたら良いのかもしれないな。

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