「西成のドヤ街をうろつく」サイバーカナコの日記 20200204

サイバーだよー。

今日は大阪に来てみた。昔ちょっとだけ京都に住んでたことがあって、その頃にちらっと大阪に立ち寄ったことはあったんだけど、観光目的で来たのは初めてかな。

で、大阪のどこに行こうか考えて、せっかく関西に来たんだから、東京と同じような均質的な商業施設を見たって仕方がない、と思って、とりあえず西成に行ってみたわけ。

西成にはあいりん地区って呼ばれてる日本最大のドヤ街があると聞いたので、その辺をうろうろ散歩した。数年前のネット記事だと、闇市だの泥棒市だの開かれてるって書いてあったけど、最近は警察の指導でそういうのはなくなったみたい。時間帯によっては多少はあるのかもだけど、私が行った夕方頃は特に無かったな。

でも、たしかに見たことない光景というか、空気感だった。と言っても、別に怖い場所とか思ったわけではなくて、普通なら家の中にあるはずの「生活」とか「暮らし」がそのまま路上に溢れ出てるような感じが、日常を異化されたみたいな感じで面白かったってこと。

日常的に見る風景の中で路上にいるのは通行人か、キャッチ、か、待ち合わせくらいのものだけど、この人たちは路上で「生活」してるんだって感じた。別にそこに悲壮感はなくて、当たり前のように安弁当を分け合ったり、立ち小便をしたり、文字通り浮浪していたりする。

ここには、私の知らない形で「社会」が存在してるんだって思ったわけ。東京では、オリンピックに向けてどんどん浮浪者を溜まり場から蹴散らして、追い出しをしている。だけど蹴散らしたって浮浪者はいなくなるわけじゃない。その人はまたどこかで居場所を探さなければならない。

これは昔、どこかでちらっと見た話なので信憑性はわからないけど、どこかの地域のホームレスが役所に行って生活保護を求めると、西成までの切符を渡されて、「うちでは生活保護は出せないけど、ここへ行けば簡単に申請が通るから」と言われるようなこともあったらしい。

あいりん地区は治安が良くなってきているとはいえ、オリンピックイヤーの今年は都内から追い出された浮浪者が流れ着いたりなんかして、人口密度が上がる可能性なんかも考えられるかもしれないな、とか思うわけ。

この地域の凄いところは、そういう日雇い労働者とかのために、飯屋も居酒屋もパチンコも銭湯も宿泊所とにかく安い。彼らの存在を前提にして、地域全体が成り立ってる。しかも、路上にゴミが山のように積まれている場所のすぐ側に、表参道にあってもおかしくないようなお洒落な店構えの美容室なんかもあったりするわけ。

冷やかしと思われるかもしれないけどさ、この場所を見に来て良かったと思う。私は資本主義社会でのし上がって行ける人間じゃないから、もしかしたらいつかここで暮らすような日も、まじで来るかもしれないし。小一時間歩き回っただけでわかったつもりになるのも違うとは思うけど、私はただ、現実を想像し尽くせないことを確認するために、こういう私自身の日常からかけ離れた場所を見ておきたかったわけ。

ちなみに写真は一枚も撮ってない。怒られるだろうと思って。

そんで、新世界で串カツ食べて、難波の方へ移動して、ホステルに泊まってる。ホステルって初めて泊まったんだけど、なんか治験の宿泊所みたいな感じね。もちろん治験は二段ベッドなんかないけどさ。ここは布団が結構分厚くて寝心地は悪くはなさそう。宿泊料金は驚きの1500円!

そんな感じかな〜。じゃ、またねー。

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