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【競馬】フェブラリーS(GⅠ)有力馬考察【2021】

※こちらは前回の関連記事となります※
前回の記事はこちら↓
https://note.com/gata_keiba/n/n44a109e8bf85

 前回の記事ではコースの紹介と過去の傾向を解説しました。
 こちらの記事では、その傾向から浮上した有力馬の考察をしていきます。
 以下の表は、過去の傾向からそれぞれの馬に加点方式で点数をつけたものとなります。以下の表の上位5頭について考察していきます。

 エアスピネル、ミューチャリー と想定2桁人気の馬が2頭も。
 これは"有力馬"と呼んでいいのだろうか……
※想定人気は執筆時点の「netkeiba」参照

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◆レッドルゼル(牡5歳 想定2番人気)

父:ロードカナロア 母:フレンチノワール 母父:フレンチデピュティ
想定騎手:川田 将雅  所属厩舎:安田 隆行(栗東)
競争成績:7- 5- 1- 2
     (東京:2- 1- 0- 0 左回り:2- 2- 0- 0 1600m:経験なし)
◆過去データからの好走ポイント
 世代:5歳     所属:栗東
 前走:根岸S 1着  前走上り3F:2位  脚質:差し・追い込み
◆過去データからの凡走ポイント
 馬格:500kg未満 

 ここまで15戦して着外は2回だけという安定感。

 前走はステップレースの根岸S(GⅢ)で、道中は中団後ろの内を回って追走。直線では前が壁となりましたが、空いた進路から鋭く抜け出し、追ってくるワンダーリーデルをアタマ差しのぎ切って勝利。

 根岸S組の勝ち馬の過去10年の成績は【3- 1- 1- 3】と上々。また、フェブラリーSは直近5年間は初角5番手より後ろの差し・追い込み傾向の馬が【3- 5- 5- 40】と非常に優秀で、安定して速い上りを使うことができるこの馬の武器が光るところ。

 馬格も500kg未満は過去10年で【2- 3- 2- 55】と奮っていませんが、昨年の【モズアスコット(494kg)】、2018年の【ノンコノユメ(450kg)】と、近年は500kg未満でも勝ち馬が出ており、共通点は根岸Sの勝ち馬ということ。 差し・追い込み脚質ということも共通しており、ここは期待したいですね。

◆懸念点
 1600mの経験がなく、距離不安が大きい。これは陣営も考慮しており、前走は1600mを意識したレースをしてきている。馬群に揉まれるのは苦とせず、ゲートも問題がない馬なので、内枠を引いてロスなく立ち回る展開が良さそう。また、前々走(カペラS)、前走(根岸S)と連続して重賞レースをこなしてかつ、3歳の頃に7着と敗退した中2週と間隔が詰まったローテも気になります。


◆カフェファラオ(牡4歳 想定1番人気)

父:American Pharoah 母:Mary's Follies 母父:More Than Ready
想定騎手:C.ルメール  所属厩舎:堀 宣行(美浦)
競争成績:中央 4- 0- 0- 1  地方 0- 0- 0- 1
     (東京:2- 0- 0- 0 左回り:3- 0- 0- 1 1600m:2- 0- 0- 0)
◆過去データからの好走ポイント
 世代:4歳         馬格:500kg以上
 前走:チャンピオンC(GⅠ)  脚質:差し・追い込み
◆過去データからの凡走ポイント
 所属:美浦  前走上り3F:4位以下

 現4歳世代のダート界のトップで、デビューから3戦無敗で重賞制覇を果たしたユニコーンS(GⅢ)では5馬身差の圧勝、その前のヒヤシンスSでは後方から早めに動いて一気に抜きさる競馬で快勝しており、東京1600mはベストな舞台です

 前走でチャンピオンズC(GⅠ)では6着と敗れましたが、極端な力負けという印象ではありません。この馬の特徴も考慮してか道中はずっと外を回す競馬でしたが、流石に外を回して勝てるほどのメンバではありませんでした。

 馬格も好走傾向が強い500kg以上。
 早めに仕掛けてもある程度長くて良い脚を使える馬なので、道中の位置取りが重要です。道中をスムーズに運びたいので、揉まれないように、砂を被らないようにするには外枠が欲しいところです。

 実績こそ浅いものの勝ったレースの勝ち方が非常に良く、持ってる能力は高そうな印象です。鞍上もルメール騎手がコンビ3戦目ということも心強い。

◆懸念点
 米国馬らしく、揉まれたり砂を被ったりするとやる気をなくす脆い面を見せる馬で、内枠で位置取りに失敗したら大敗ということも十分あり得ます。
 チャンピオンズCでは外を回したのは上記を考慮せざるを得なかったから。今回も外を回す展開になりそうで、それで届くほどの能力があるかどうか。
 東京1600mがベストとはいえこの舞台で古馬との対戦はなく、チャンピオンズCで展開が向かずに敗れたのはこの馬だけではないことから、この馬の方が着順が上だったからと過信するのはやや危険です。
 また、そこまで気にするほどではないが、美浦所属馬の成績が奮っていない。


◆オーヴェルニュ(牡5歳 想定5番人気)

父:スマートファルコン 母:ギュイエンヌ 母父:タニノギムレット
想定騎手:丸山 元気  所属厩舎:西村 真幸(栗東)
競争成績:7- 3- 0- 7 ※ダートのみ
     (東京:0- 0- 0- 1 左回り:2- 0- 0- 1 1600m:0- 0- 0- 1)
◆過去データからの好走ポイント
 世代:5歳    所属:栗東     
 前走:東海S 1着
◆過去データからの凡走ポイント
 脚質:先行  前走上り3F:4位以下  馬格:500kg未満

 オープンクラスを2連勝して臨んだ東海S(GⅡ)では、ハナの争いが激しくハイペースになるなか、3番手の好位につけて追走。ハイペースで前につけた馬がバテていくなか、直線であっさり抜け出し後続を振り切り見事重賞初制覇を果たしました。かなり強い勝ち方でした。
 現在3連勝中と今回の出走メンバで一番勢いのある1頭です。

 もともとは短い距離を使っていましたが頭打ちになり、距離延長してから1700m~1800で好走するスマートファルコン産駒らしさが出て好走するようになりました。
 先団好位につけて早めに動き、直線でもバテずに長く良い脚を使うことができるのが特徴です。

 フェブラリーSで好走しやすいゴールドアリュール系。
 
そして東海Sの勝ち馬の成績は【3- 0- 1- 2】と優秀です。
 抜群の末脚があるというよりはスタミナよりのタイプなので、上り勝負は分が悪いある程度ペースが速くなってほしいところです。

◆懸念点
 1600mの経験が少なく、3歳時に1戦して7着、オープンクラスでは1700m以上しか走っておらず、東京競馬場も走っていません。
 
差し・追い込みが届きやすい本レースで先行脚質というのも展開の助けがほしいところで、馬格も500kg未満なのも気がかり。
 また、非常に手があっていた川田騎手がレッドルゼルに騎乗するため、乗り替わりというのも少し割引か。


◆エアスピネル(牡8歳 想定11人気)

父:キングカメハメハ 母:エアメサイア 母父:サンデーサイレンス
想定騎手:鮫島 克駿  所属厩舎:笹田 和秀(栗東)
競争成績:0- 1- 1- 2 ※ダートのみ
     (東京:0- 0- 1- 0 左回り:0- 0- 1- 1 1600m:0- 0- 1- 0)

◆過去データからの好走ポイント
 所属:栗東     
 前走上り3F:2位  脚質:差し・追い込み
◆過去データからの凡走ポイント
 世代:8歳  馬格:500kg未満

 昨年にダート転向して本レースが5戦目となります。 
 転向初戦のプロキオンS(GⅢ)でいきなり2着と好走し、その後も武蔵野S(GⅢ)で3着と、勝ちきれないものの好走しています。

 前走のチャンピオンズC(GⅠ)では、後方からの追走で直線で伸びるもあの位置からでは届きませんでした。
 もともと芝では中団から早めに動いて最後まで粘り切るような走りを見せていましたが、ダート転向後は長く末脚を活かす競馬で好走しています。

 末脚で一気に抜きさるといったタイプではないので、道中は中団につけて早めに抜け出して長く良い脚を使いたいところ。芝を走っていた馬なので、芝スタートというのも問題ないでしょう。
 東京1600mという舞台も武蔵野Sで経験済みというのも大きいですね。

◆懸念点
 ダート転向後は好走しているものの、完全に力負けしている印象
 年齢も8歳とピークは過ぎており8歳以上で馬券内に好走したのは【エスポワールシチー】、【インカンテーション】の2頭のみ。この2頭は過去にダート重賞を勝っていた馬ですが、ダート重賞勝ち経験もありません
 差し・追い込みが届きやすいとはいえ、そこまで切れる脚があるわけではないので、展開の助けが欲しいところです。


◆ミューチャリー(牡5歳 想定15人気)

父:パイロ 母:ゴッドビラブドミー 母父:ブライアンズタイム
想定騎手:御神本 訓史  所属厩舎:矢野 義幸(地方)
競争成績:中央 0- 0- 0- 1 ※ダートのみ  地方 6- 2- 1- 6
     (東京:0- 0- 0- 1 左回り:3- 0- 1- 5 1600m:2- 0- 0- 2)

◆過去データからの好走ポイント
 世代:5歳    
 前走上り3F:1位  脚質:差し・追い込み
◆過去データからの凡走ポイント
 所属:地方  馬格:500kg未満

 現時点で出走可能な登録馬で唯一の地方所属馬です。
 地方の重賞レースでは勝ちきれないものの掲示板内に入る安定感があります。昨年も本レースに出走しましたが、11着と大敗しており今年は巻き返しを図りたいところ。

 前走の川崎記念(Jpn1)では終始後方からの競馬で、直線では上り最速の末脚で追い込むも、先行有利な展開で前の馬を捉えるには至らず5着と掲示板まで。勝ち馬とは6馬身ほど離されました。

 昨年の本レースでは外枠で出遅れ、芝でスタートダッシュが着かず、終始後方からの競馬で惨敗していることから、芝部分が短い内枠でロスなく競馬をしたいところ。差し・追い込みが届く展開になりやすく、前にいきたがる馬同士でハイペースになって前が潰れればこの馬にもチャンスはありそうです。

◆懸念材料
 安定して上りの脚を使える馬ですが、スタートがあまり良くないため道中は後方からの競馬となることが多く、先行有利な展開になるとまったく出番がなくなってしまいます
 上りの脚も中央勢と比較すると物足りなさもあり、かなり展開の助けが必要になりそうです。
 また、芝スタートというのも苦手としているような印象で、外枠を引くと昨年のようにスタートで勝負がついてしまいそう

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