レビュー 週刊少年ジャンプ(21) 2019年 5/6 号 [雑誌](アクタージュのみ)

夜凪は黒山と二人で踊ってるんだ。

今週号のジャンプは感動的で夜凪が久しぶりにカメラの中にいることにひどく心を動かされたんですが、結局のところ私は何をそんなに心動かされたのかさっぱりわかりませんでした。
しかし十回ぐらい読み返してやっと踊っているのは夜凪だけじゃないんだと気付きました。

黒山は夜凪の先を読んで、夜凪が踊りやすいように、それでいて美しく見えるようにカメラに収め続けている。
多分何も知らない頃の夜凪ならカメラに収まり続けられなかったでしょうが、今の夜凪なら映り続ける事ができる。人にどう見えるかわかってるから。
一緒に踊るに足る相手になるのを、黒山は待っていたんだろうと。だから黒山はいつもより幼い顔で夜凪を撮り続けているんじゃないかと。
そう考えると二人のダンスが特別なものに見えて、きっと私はそれに感動したんだと思います。

次回新章?そうかもしれない。
でもツナギにしては、この話はレベルが高すぎる。
夜凪はやっと査定のラインに乗ったのだと、ここからが本当の「女優 夜凪景」のスタートで、世界に羽ばたく女優になるまで改めて目が離せません。

ここまでが感動した「女優 夜凪景」の話で、ここからは「アクタージュ」の話です。

千代子だけでも守らなければ、という星アリサの親心とは裏腹に千代子は演技に踏み込みつつあるように見えます。
千代子には才能があります。星アリサが認める才能が。だから開花しないように星アリサは必死で千代子を守ってきました。
もしかしたら夜凪よりあやういのは千代子なのかもしれません。
だって結局、星アリサは溺れないように苦心していて、溺れたあとどうしたらいいのか、なんて策はないように思えるからです。
この先戻ってこられない話は繰り返し書かれるテーマのはず。千代子の番も遠からずあるでしょう。阿良也の番もあったんですから。
その時、星アリサはどうするのか。
そう考えた私は結局、キャラクターとしては星アリサしか気にしていないのかもしれません。

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