私がbeatmaniaIIDXを始めるまでの話(2)

前回はこちら↓

せめてサントラを買う

ゲーセンには踏み出せない自分だったが、ラジオで宣伝してたCORE REMIX(以下コアリミ)のサントラを買えば曲は聴けるじゃん!と思いCD屋に行って早速購入。
初代は比較的硬派な曲が多かったのだが、コアリミは珍しく煌びやかな曲が多かった。ラジオで聴いた20,Novemberもよかったが、それ以上に気に入ったのは「e-motion(ROMANTIC STYLE)」だった。dj TAKA作曲の煌びやかなトランスで、初代の中では異色の曲だった。(ちなみに現行IIDXにも入ってる「e-motion 2003」はこの曲をさらにアレンジしたもの。)
コアリミは他にも好きな曲が多く、深夜ラジオを聴いてはサントラを子守唄にして眠る日々を送っていた。不眠症にならなくてよかったね。

とはいえゲームはできず、曲だけ聴いてゲーセンへの思いが募っていった。そんな折、たまたまクラスの友達と3人でボウリングに行こうということになった。ボウリング場なら併設でゲーセンがあるかも……と思ったが、当時は稼働店舗を調べる手段がなく、コアリミが置いてあるかは不明。それどころか本当にゲーセンが併設されてるのかも不明という状態だった。まぁあまり期待せずにおくか……


ついにゲーセンデビュー

そしてボウリングの当日、自転車を漕ぐこと30分でボウリング場に到着。見たところゲーセンは併設されているようだ。私の胸は高鳴っていたが、とりあえずボウリングに興じる我々。一通り終わると、自分が言いだすまでもなく友達の1人がゲーセンに行こうと言い出した。彼はどうやらドラムマニアをやりたいようだ。音ゲーマーいるやんけ!

一方の私はビーマニの筐体を探していた……あった!!!しかもコアリミだ!!!やったーー!!!
狂喜しながら100円玉を入れ私はゲーセンデビューを果たす。が……上手くできねえ!!!それは当然で、前回書いた通り専コンは騒音公害問題により使用禁止になったため、私はずっとPSコントローラで遊んでいたのだ。DJシミュレーションとは一体。
とはいえ、譜面認識力はちゃんと培われていたようだ。何クレかこなして徐々に操作に慣れてくると、レベル5ぐらいまでならクリアできるようになった。(当時はレベル9まで)

ある程度満足し、そろそろ帰ろうかとなって店を出ようとしたその時、やたら派手な筐体が視界に入った。バカでかいサイズ、ゴツいスピーカー、足元の謎のステージ、ターンテーブル、そして鍵盤は……7個!?何これ!?!?
これが私とIIDXとの出会いだった。当時は4th styleだったかな。

いや、しかし、これは……鍵盤5個でも難しすぎるぐらいなのに、7個て!!しかも筐体は近づきづらいオーラを放っている!!俺はこんなものやらないぞ!!
と思ってその日は筐体をスルーしてそのまま帰った。


謎のこだわり

音ゲーマーがいたことが分かった結果、その3人で月2回ぐらいゲーセンに行くようになった。自分はコアリミと、もう1台置いてあったComplete mix2(1st~5thまでの曲が入ってた総集編みたいなもの)を遊んでいたのと、その友達の影響でドラムマニアをプレイするようになった。でもやっぱりIIDXはプレイする勇気が出なかった……。

この頃は月定額制のインターネットが一般家庭に普及し始めた時期だった。我が家も例に漏れず、ケーブルテレビ回線が導入されインターネットを見れるようになった。父のパソコンを借りてインターネットに接続しネットサーフィンを楽しんでいたところ、ビーマニについての掲示板が置いてあるサイトを発見。書き込む勇気はないのでいわゆるROM専で楽しんでいた。

掲示板は5鍵(初代)と7鍵(IIDX)のカテゴリに分かれていた。ただ、掲示板の活況度合いは7鍵カテゴリが圧倒的。5鍵は正直老人会のような寂れた状態になっていた。世間ではこんな風になっていたなんて……
でもでも、やっぱりあんな難しそうなゲームはできないから、自分はひたすら5鍵を楽しむぞ!とよく分からないこだわりを見せていたのだった。


ラジオ再び

この状態でしばらく月日が流れ、初代はゲーセンでもすっかり上手くプレイできるようになっていた。前回出てきたラジオ番組「Club db」もずっと聴いていたのだけど、あるとき「今回はbeatmaniaIIDX 5thStyleのサントラを紹介しまーす!」とのことで、IIDX、いつの間に5thになっていたのか。
そしてやっぱり「それでは1曲聴いてください、RIDE ON THE LIGHT(HI GREAT MIX)」とのことで曲が流れてきたのだが……ポップな曲調とギターのカッコよさが合わさってすごいいい曲じゃん!!なにこれ!!

この曲もプレイしたい……と思ったけど、IIDXをやらないといけないのか。ハードル高いな。初代に移植されねーかな。と思って謎のこだわりをあくまで堅持してしまう。面倒なオタク。

この頃、例の掲示板の5鍵カテゴリでは「初代の新作、6thmixが稼働するんだって!」という話で持ちきりになっていた。コアリミに代わる新作だ!
やっぱり5鍵だよな~~と謎のイキリを発揮するオタク、稼働日は平日だけどちょうど部活が休みの日……学校が終わってからゲーセンに行けるな。何度か友達とゲーセンに行って慣れてきたし、1人で行ってみるか~~。ということで稼働日を待つのだった。


新作稼働!ところが……

新作稼働の日、学校から帰宅してすぐに自転車で30分かけてゲーセンへ。期待通り、コアリミに代わって新作の6thが稼働していた。期待を胸に早速100円玉を投入する。
しかし選曲で違和感……コアリミの曲がない!?そう、5鍵は筐体性能が貧弱すぎたこともあり、アーケード版でも新作が稼働すると旧曲は全部消えてしまうことが多々あった。6thでもこの措置が取られていたのだ。コアリミのPS版はまだ出てないから、やる手段を失った……。

気を取り直して新曲をいくつかプレイした。のだが、正直な感想は「なんか微妙……」だった。6thはサブタイトルが「THE UK UNDERGROUND MUSIC」となっており、アングラ路線の渋ーい曲がほとんどで、コアリミに比べるとかなり硬派で地味な印象になっていた。(IIDXとの差別化を図る意味合いもあったと思われる)

自分の正直な感想は上記の通りだが、そう感じたユーザは他にもそれなりにいたようだ。これによって初代ビートマニアのユーザ離れが進んでしまい、この後7thとTHE FINALが出てシリーズ終了を迎えてしまうことになる。

さて、6thを何クレか遊び終えた自分は、ちょっと失意に陥りながら帰宅の途につこうとしたのだが、そこに例のゴツイ筐体が目に入った。5th styleになってる。その時消化不良ぎみの心境になっていたことと、偶然誰もプレイをしていなかったため、急に謎のこだわりは消失したのかスーッとステージの上に足が向かった。IIDX、やってみるか……。

こうして私のbeatmaniaIIDX初プレーが始まることになった。

続き


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?