【IIDX】十段から皆伝までの話

こんなツイートをしてしまったので……自分が十段になってから皆伝になるまでのことを書こうかと思います。適当に書いてたらメチャクチャ長くなっちゃった。
十段まではツイートを何となく見てくれ。


書いてある通り自分はGOLDの時に十段を取得した。2007年のことである。この時の十段は電人暁に斃れる、LASER CRUSTER、AA、Candy Galyだった。最近の十段と比べると若干易しめかなと思う人がほとんどではないだろうか。ただ、この頃は☆12自体が少なく(なんと30曲程度)、あったとしても癖の強い譜面(ギガデリや扇子など)が中心であり、物量に寄ったこのラインナップは当時は難しく感じたものだ。
十段を取得したのだが、当時は中伝はなく(初登場はcopula)、次は皆伝で最後にはやっぱり穴冥が待ち受けているという状況だった。ただ、ここでも当時の曲数の少なさが響いてきて、AAやらOne More Loveryやらをクリアすると次はいきなり蠍火や嘆きの樹に挑まないといけなかった。当然ほとんどの人は歯が立たず、かといって間を埋める練習曲もないから、十段が取れれば充分かなといって後はのほほんと遊ぼうという人が多かったように思う。皆伝は一部の選ばれし人が挑むものという認識だった。
自分自身も皆伝は無理だろう、と考えてのほほんと遊ぶようになっていった。

のほほんと遊んでいるうちに社会人になり、世間ではtricoroが稼働していた。tricoroでは今ではあって当たり前のFHSの機能が追加されたりして大きな変革があったバージョンと言える。また、この頃には☆12が凄い勢いで追加されるようになり、ついに100譜面を超えたと話題になっていた。
物量譜面も増えてきて、渚の小悪魔、JOMANDA、タイピ、コンフィなどなど……いずれも好きな曲なのだが当時の自分には歯が立たなかった。物量譜面に対する見切り力が全くついていなかったのだ。
まぁこれも世代の波?自分もいい年だしもう無理かなぁ。とか思っていたのだが、周りにも最近始めたというプレイヤーが増えてくると、普通に皆伝を取得していく人が多いなと感じるようになった。そういう人に実力も抜かれてしまい悔しいと思うこともままあった。

それである時に、弐寺を10年以上遊んできているのに最高段位である皆伝が取れないままでいいのだろうか?このまま人生を終えたら後悔するのではないか…?などと考えるようになった。ゲームとはいえここまで来たら人生を共にしたと言っても過言ではないと思った。その時もう27歳だったこともあり、やるなら今しかないと思った。本気で皆伝を目指そう。

その頃にはSPADAが稼働していた。皆伝になるためにはどうすればいいかと考え、まずはやっぱり練習量の確保が先決と考えた。ただ、ちょうどタイミング悪く仕事が炎上中であり、帰るのは22時~23時というのもザラであった。とはいえ収まるのを待っていたのでは遅いと思った(そもそも収まる見込みもなかったのだが)。電車で20分程度の場所に1時まで空いてるゲーセンがあったため、仕事後になるべく練習するようにした。
そうやって22時ごろに会社を出て閉店近くまで練習して帰ると1時過ぎという日々が続いた。過酷ではと思われるかもしれないが、仕事は仕事で辛かったし、ある意味弐寺が心の拠り所になった部分もあった。そういう意味ではちょうどよかったのかもしれない。よくないけど。

どう練習していくかというのもあって皆伝の友達に話を聞いていたが、友達は「皆伝になるころには☆11が全部エクハできるんじゃないかなぁ」と言った。それでなぜか自分は☆12をやりつつも☆11のエクハも埋めるようになった。が、前述のとおり物量は苦手なので、練習していると☆11エクハの方が増えていって、成果が出て楽しいからといってだんだんそっちが中心になってしまった。それを続けているとSPADAのうちに☆11はエクハで埋まってしまった。
これで皆伝になれるかな!?と思ったが、当然ながら無理だった。友達も☆11エクハ埋めたら皆伝になれるとは言っていない。逆は成り立たないのは当たり前だった。
ただこれにより個人差力は大きく培われることになった。皆伝になるにはあまり役に立たなかったが、その後に生きているとは思う。ただ、かなり回り道をしたと言えるだろう。

こうなるとあくまで☆12の物量を中心にした練習をすべきではないかと考えた。気づくのが遅い。その頃バージョンはPENDUALに変わっていた。
別の皆伝の友達に「正規でやりすぎじゃないかな?」と指摘された。確かにランダムも使ってたものの半分以上正規でやっていた。それだと物量見切り力はなかなかつかないから、全部ランダムでやるぐらいでもいいよ~と言われた。
ちょっと苦しいなと思いつつランダムで頑張ってプレイしていると、だんだん見切りの感覚が変わってくるのが感じられた。段々変な同時押しにも対応できるようになってきたのだが、やはりJOMANDAレベルは苦しい・・・
どうも皿が混ざってくると上手く行かないようだ。自分の運指を確認してみると、皿が来ているときには小指で取り、鍵盤の1,2を両方親指で押している状態だった。これを一般的な押し方のように1を親指、2を人差し指で押すように改めることにした。
ずっとやってると心が折れるので、1~2曲目だけそれでやるみたいな感じで苦しくならないようにしつつ、意外と2週間ぐらい続けると慣れてきて正しい運指の方が押しやすいなとなった。また、慣れてくるとだんだん皿を回しながら3鍵を押すという芸当も可能になってきた。

そんなのをやっているうちにJOMANDAは運指矯正の成果でイージーすることができた。この辺りから地力が大きく伸びるようになった。(これまでと比べてなので、最近始めた人よりは鈍いペースだっただろうけど)
copulaが稼働することには地力Sの曲にイージーで挑めるようになっていた。このあたりから皆伝自体も受けていたが、卑弥呼で落ちることが続いた。やはり卑弥呼の物量は辛い…二重階段で削られて低速で耐えられず、という状態だった。

この頃は仕事の状況も少しマシになったため、基本毎日ゲーセンで練習というのは順調にこなすことができていた。ただ、周りから「皆伝まだ取れないの?」と言われたり、自分自身も焦りが出てきていた。決心からはもう2年以上たっている。
何度も卑弥呼で落ちながら、とにかくクリアランプを増やそうと続けていった。copulaで追加された中伝は普通にクリアできた。copula終盤にはクロペンにイージーがつき、物量に自信がついた。また、卑弥呼もランダムなら押せるようになってきておりイージー、さらにcopula最終日、PPとPlan8にイージーがつき、これでレジェンダリア以外の譜面は全てイージークリアとなった(当時はマレがないので今より難度が低い)
ちょうど稼働最終日で次の日には皆伝はしばらく封印されてしまう。ここまで来れたのだから、きっと皆伝になれる。自分もそう思ったし、イージー付いたことをツイッターで言ったらフォロワーからも同様の励ましをいただいた。閉店間際だったのでちょうど最後の1回ということで挑戦した。
……が、結果は同じで卑弥呼で叩き落されてしまった。イージーまでしたのに……。その日はかなり落ち込んで帰ったことを覚えている。(ランプ更新したのにね)

翌日にはSINOBUZが稼働した。皆伝が解禁されるのは少し先だ。ツイッターでは「もう地力は十分だから、癖が抜ければいけるよ」と言った慰めをもらっていたものの、ここまでずっと皆伝になれていないし、あまり自信は持てなかった。ただ諦めることもできないので、とにかく少しでも地力を上げて解禁日を待とうと思った。段々ハードクリアも増えてきて、A+はほぼハードで埋まっている状況まで持ってきていた。

そして皆伝の解禁日を迎えた。当日は仕事の終わりが遅くなってしまい、23時ごろにゲーセンについた。かるくウォーミングアップをして、☆12もやって指を温める。
そして覚悟を決めて皆伝を受けることにした。自分の性格上自信はほとんどなく、どうせ卑弥呼で落ちるだろうと思っていた。
嘆きと灼熱はもともと余裕だった。問題の卑弥呼、ドドドド地帯から二重階段で案の定ゲージが削られていく。ただなんとか踏みとどまっていた。でも低速は苦手なのでギアチェンすることにしていたから、きっとそこで落ちる……と思いながらギアチェンを敢行。4%とか見えたがギリギリ踏みとどまった。その後は回復して40%ほどになった。

でも…ここで終わりではない。冥に挑むのは初めてだった……。本当の戦いはここからだと思っていた。ニコニコ動画で見た攻略動画を思い出して何とか食らいつこうと思ってた。
何とか耐えろと言われている序盤を耐え、乱打で少し回復。80%ほどで低速に入る。加速してきてだんだん意味が分からなくなる。まずいと思ったが、頼む頼むという気持ちだった。ブインブインで2%って文字が見えて肝を冷やしたが、ギリギリ耐えきってウイニングランに入った。もう大丈夫。曲が終わってリザルトを撮り、なぜか淡白なツイートをした。


皆伝合格しましたぐらい書け。

とはいえ、拗らせてから合格した場合は意外と淡白になることが知られている。
でも多くの人が祝ってくれたし、時間はかかったし制約も多かったけど、なんとか目標を達成することができた。いまいち自信を持てない私だが、このことに関しては自信を持つべきかもしれない。
この時十段取得からは10年、始めた時から数えると15年が経ってしまっていた。ずいぶん長い戦いになってしまったが、ここまで続けてきて本当に良かったと思った。

皆伝になったが当然やめるわけもなく、今度は全白を目指して練習をするようになった。その目標はまだ達成できていない。
ただ、難しい曲もこなせるようになったのでスコアを詰めたりもして楽しみが増したことは確かだ。
人生を共にしているというのも本当に過言でなくなってしまった。続けられる限りはこれからも戦いが続いていくだろう。

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