小説を読むこと、書くことが好きです。主に、歴史とSFジャンルの小説をコツコツと書いています。 エンタメ志向。公募歴あり。

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最近の記事

歴史時代小説を書くために 其の六(登場人物の名前をどう書く?)

 こんにちは。何かと忙しくて前回から少し間が空いてしまいましたが、その六です。  今回は、歴史時代小説を書く場合の人物名の表記の仕方についてのお話です。  江戸時代までを背景にした小説を書いたことがある方は、とっくに御存知かと思いますが、キャラの名前をどう書くかは、意外に厄介な問題です。  武士の場合、「幼名」、「諱(いみな)」、「仮名(けみょう)」、「官途」、「法号」などなど。さらに、正式にいうと「姓」と「氏」があり、その者の名前表記として、どれを選択するかはシーンの状況

    • 歴史時代小説を書くために  其の五(流行と衰退②~犬追物) 

       こんにちは。その五です。  さて、前回は、その時代にたいへん流行していて人気があったものが次第に廃れて過去のものになってしまう一例として、「連歌」を取り上げてみました。今回は「犬追物」のお話をしたいと思います。  「犬追物」は、中世の歴史で習う(のかな?)ので、御存知の方も多いかと思いますが、流鏑馬(やぶさめ)などと違って現代では全く行われないものなので、知る機会もなく興味・関心もない方が大多数だと思います。(もっとも、犬を家族のように飼っている人も多数ある現代でそれをや

      • 歴史時代小説を書くために  其の四(流行と衰退~連歌)

         こんにちは。其の四です。今回は、歴史のなかの流行り廃りについて書きます。  多くの人々に親しまれて流行っていたものが、時代が下るにつれて廃れてゆき、ついにはあまり知る人のいないマイナーなものになってしまうものがあります。一例として挙げられるのは、「連歌」です。  連歌は、連歌界のスター「宗祇」の名とともに日本史の授業で取り上げられますから、ご存知の方も多いかと思います。連歌は鎌倉、室町、戦国期あたりまでは大流行りしていて、公家も武家も僧侶も、あちこちで競うように連歌会を開

        • 歴史時代小説を書くために  其の三(歴史資料としての軍記物と日記)

           こんにちは。其の三です。  さて、歴史資料には様々なものがあります。舞台とした時代の事物や行動や考え方などを再現するには、その時代に生きていた人が書いた日記や公的記録、世に広まった物語などを参考にするのが、基本になるでしょう。  「平家物語」や「太平記」、「応仁記」のような軍記物は、物語として面白く読める(聞ける)ように事件を加工していると考えられるため、事実と異なる部分や誇張がかなり入っています。  しかし、その誇張ぶりには、やはり当時の世評や感覚、ものの見方が表れてお

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          歴史時代小説を書くために  其の二(その時代らしい表現)

           こんにちは。歴史時代小説を書くために学習している者です。  前回の続きです。  すでに歴史モノを執筆されている方にとっては、釈迦に説法、そんなこと常識として知ってますけど今さらなにか?と思われるでしょうが、原稿執筆のモチベーションとなる創作メモのような位置付けで書いていますので、御容赦ください。  さて、歴史時代小説を書くにあたっては、風景や人物、物、行動の描写やセリフなどを、設定した時代に適合した表現にするのが基本です。(例外はありますが、かなりアイデアと技術が要ります

          歴史時代小説を書くために  其の二(その時代らしい表現)

          歴史時代小説を書くために  其の一(用語と背景)

           初めての投稿になります。  長年休んでいたのですが、数年前から再び小説を書くようになりました。  ジャンルは歴史時代小説です。  以前は、SFやミステリを書いていました。ハヤカワや講談社等に応募しましたが、二次を通過出来ませんでした。  なぜ今、歴史モノを書いているかというと、まず単純に歴史のエピソードやビジュアルがとても好きだったこと。古記録にある人物の行状や事件の経緯など、とても面白くロマンを感じられて、胸躍るものがあります。また、歴史ものは現代のモラルや常識、皆が

          歴史時代小説を書くために  其の一(用語と背景)