【小説】駆けて!ホンマチ 最終話
「本町の通りが写ってる写真は少ないけど」
トシ君は何冊かアルバムを引っ張り出してくれ、その中からかつての本町商店街の様子を探してくれた。
私が訪れた時代よりも、少しあとの写真が多かった。時を経るにつれ、アルバムの写真は白黒からカラーに変化し、パノラマサイズという横長にプリントされた物もある。
私の見た50年前の活況に満ちた本町商店街は、幻でも夢の中の光景でもない。あの活き活きとした商店街は、こうして写真の中にも残っている。とりわけ、お祭りでの人だかりには目を見張る