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「濃厚接触者」という肩書。

元気なのに休むと、嫌われるよねって話。

いま、先月に続いて2回目の自宅待機をしている。小学生と中学生の元気な息子がいれば、こうなってしまうことは想定していた。いくら感染対策をしているとはいえ、学校という環境で100%防ぐのはむずかしい。

ぼくは大型トラックの運転手、この仕事はリモートで、というわけにはいかないので会社を休んでいる。地域によって違いがあるかもしれないが、ぼくの住んでいる町では、濃厚接触者になると保健所から7日間の自宅待機が要請された。

しかも、2か月連続。

会社に連絡をいれたとき、電話のむこうで配車係の落胆する姿が容易に想像できた。けれども、国が定めた指針にしたがっているのだから「しかたがない」、と思う。

とはいえ、休まれる側(会社)は、たまったもんじゃないこともよくわかる。

業務は毎日決められたコースを走る大手専属の路線便、10tトラックの荷台へ1日に3回手積み手降ろしをする体力がいる仕事だ。
休んでいる間は誰かが替わりに走らなくてはいけないが、運送業は人手が足りていない。

ご多分にもれず、ぼくの勤める会社も余裕は一切なく、誰かに負担が増すことは間違いないだろう。いままでも病気やケガで休む人がいると、周りのみんなでカバーしてなんとかやってきた。

だから今回も「しかたがない」、ものなんだと思っていた。


自宅待機をはじめて3日目の月曜日、配車係から連絡がきた。
配車係「いつから出てこれる?」 

ぼく「息子が先週金曜日に発症したので、金曜日までは自宅待機です。」
  「なので、来週月曜からは出勤で・・」

話をさえぎるようにして、配車係がつづける
  「ほんとどうしても人がいなくてさー、木曜日から出てこれない?」


ぼくは大きく息を吸い込んでから、自分の考えを話した。

長くなるのでここでは簡単にお伝えする。要は、出勤するつもりはないこと、自分から絶対にまわりの人には移したくないということを伝えた。ぼくの口調が荒くなっていたせいかもしれないが、相手の機嫌が悪くなるのがすぐにわかった。いい歳をして、冷静に伝えることができない自分がいやになる。

「しかたがない」

そう考えるのは当事者だけのエゴなのだろうか?

前例がなく、だれもがはじめて経験したこの「濃厚接触者」という肩書は病気やけがで働けないのではない。

家族や、いつも近くにいる人が感染してしまっただけ。

だれもわるくない。

ただ、ぼくはそう思う。







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