妄想14

『爆発を止めたければ私の指示に従え』
犯人からだ。
どこかに爆弾を仕掛けたと言う。
うわぁ怖いな、とか思ってたけどわたしが指名された。
だから今走っている。
犯人の指定の公園へ向かっている。

着いた途端、犯人からわたしの携帯にかかってくる。
『どこから見ている?』
『最初の指示だ、そこのブランコの裏に書いてある謎を解け』

ブランコを見つけ謎を確認する。
『謎は確認したか?15分後またかける』
電話は切れた。
書いてあったのはこれだ
『パンはパンでも食べられないパンはなんだ』

わからない、そんなパンがあるのか?
わたしはパンが好きだからなんだって食べられる。
わたしを指名したのはそういう事なのか。
パン好きな刑事を指名して答えられない謎を出し、困っている間に爆弾を爆発させる。
そういう魂胆か。

本部に応援を要請する。
『我々も今、いい大学出てる奴を集めて解明を急いでいるが、いい大学出てる奴もわからないと言っている』

なんて事だ。
いい大学出てる奴でもお手上げか。
わたしも比較的いい大学出てるがこんな難しいことは習わなかった。

パン。
食べられないパン。
そんなものこの世に存在するのか。
犯人はパンを憎んでいてこんな事をしているのか?
元々パン屋さんをやっていて潰してしまったとか?
努力が足りなかっただけじゃないのか。
逆恨みもいいとこだ。
チラシを配るとか、他の店にない個性を出すとかやれる事はちゃんとやったのか。
成功したら自分の手柄で失敗したら人のせいか。
にしてもこんな難題を出せるなんて、敵ながらあっぱれだ。
比較的いい大学を出てるわたしもわからない問題を出すとは

犯人から着信だ。
『時間切れだ謎は解けたか』
『解けなかった、ただお前は俺よりいい大学出てるんだろうなと思ったよ』
『この謎はいい大学の3年生の時に習ったんだ、俺も答えは知らない、警察なら分かるかと思ったんだが…残念だ』
電話が切れた。
どこからか爆発音がした。
本部からの電話が鳴る。
出る気がしなかった。
夜風が気持ちいい。
久しぶり思い切り体を伸ばしてみる。
今年も暑い夏がやってくる。

サポートしてもらえたらすっごい嬉しい。内容くだらないけどね。