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腐った雨が降って、僕らは少しづつ錆びていく。(2)

ベッドの上で目を覚ました。
眠ってしまう前に目の前にノイズが走って
その後視界が真っ赤になり、意識を無くした。
『げへへ、目を覚ましたかい?』
買取り屋のオヤジだ。
『なんで俺は、、、』
『いやあ、アンタのとこの犬が俺の所に来て吠えるからよぉ。着いてったらなんか倒れてるから店に連れて帰って修理してやったのよ。悪ガキが部品でも盗もうとしたんじゃねえかな。』
犬がベッドに顔を乗っけて俺を見ている。
『気になってたからそのボロボロの人工肌も治して置いたよ。』
自分の体を見てみると新品みたいに綺麗に治ってる。
『そのまま死んでも良かったんだけどな。』
『そのワンちゃんが許してくれないだろうさゲハハハ。』
犬は機嫌が良さそうに尻尾を振ってる。
頭を撫でてやる。
『そういえば、この犬吠えたのか?吠えれないんじゃないの?』
『そらご主人様がピンチだったら吠える機能くらいついてるだろうよ。』
なるほど。
また雑に撫でてやる。
『ワンちゃんの方も治してやったんだけど、そのワンちゃん拳銃の弾を装填する所があったぞ。おっかねぇなお前ゲハハ。』
『弾が入れれる?どっから出るんだ?』
『目。』
『目?』
『そう目。』
犬の目を覗き込む。今はキラキラとして俺を真っ直ぐ見ている。顔を舐められた。
『発射してる所見たくねぇ、、、なんでそんな物騒なもんが。』
『金持ちが寂しくて作ったのを改造したんだろうな。流行りで増えた慰め機械犬が飽きられて捨てられたのを、武器利用できるかもとか思ったんじゃない?おもしれぇ事考える奴がいるなぁ。そんなの見た事ないよ。ゲハハ』
『少なくとも、俺が行った戦地にはそんなのいなかったな。』
『あ、タバコ吸う?良いのあるよ?』
『ああ、ありがとう。』
ゆっくりと吸い込んで吐き出す。もう首に穴は空いてないから口からしか出ない。
『でも、俺も犬もこんなにキレイに治さなくても良かったんだぜ。値段を聞くのが怖いよ。』
『まあ、とりあえずはその犬と一緒に働いて返してもらおうかな?ゲハハ』
『働くって?なにをしたらいいんだ?』
買取屋の主人は太った人差し指を天井に向けて
『上に行ってもらうのさ。』
『ん?上?屋根でも直すのか?』
『そうじゃねえ、もーっと上にある選ばれた奴らが住んでる惑星さ。』
『ハハ、冗談だろ?どうやってそんな所に行くんだよ?』
『いやいや、今アンタが吸ってるタバコだってその惑星から持って来たんだぜ?アンタはうちの商品がどっから来てると思ってたんだ?』

サポートしてもらえたらすっごい嬉しい。内容くだらないけどね。