マンション購入記(抄)

マンションの数だけドラマがあります。
マンションを買うときには家族との相談、実家との相談があり、中々片方の想いだけでは買えないことが多いですね。
せっかくなので、自分のマンション購入時の家族とのやり取りをまとめてみました。

マンション1戸目:中古マンション

初めてマンションを買ったのは201x年のときでした。
職場から通いやすく、価格も手ごろだった江東区湾岸エリア。
のらえもんさんのブログ(https://wangantower.com/)の愛読者だった私は、まだマンションを買ったことがないのにマンションのスラブ厚を暗記するくらい湾岸エリアに惚れていました。
いつか自分が欲しいマンションがSUUMOに掲載されるはず。そう信じて日々SUUMOチェックを重ねていました。

そんなある日、SUUMOにまさに欲しい物件が掲載されます。運命じゃん!と思いつつ、冷静になるために(当時行っていた)のらえもんさんにメール相談、のらえもんさんからも「相場を考えるといいかも」との温かい言葉を頂きました。
もう、自分の中では買う気満々です。

ただ、そのとき長男は生後2ヶ月。首も座っておらず、外出もままなりません。なので、内覧は私だけ行くことにしました。

私「中古物件で良いマンションあったんだ。内覧行ってくるね」
妻「マンション巡り好きだもんね。いってらっしゃい。」
その日の夜
私「指値入れてみた」
妻「何やってんの」
数日後
私「指値が通っちゃった」
妻「何やってんの」
私「次の週、家族みんなで内覧に行こう」
妻「何やってんの」

内覧後
妻「何が駄目というわけではないけど、今じゃないとダメなの?子供も小さいし、引っ越しも大変だし…」
私「今じゃないとダメというわけじゃないけれど、もう購入申込書出して、明日が契約日なんだよね」
妻「」

こうして家族の消極的賛成を得て、晴れて湾岸民の一員になることができました。奥様、ごめんなさい。

マンション2戸目:新築マンション

湾岸生活も数年目に入り、通勤時間も短くなった、公園も多い、空も海も広い、ごちゃついていない、で満足の日々もありましたが、その間で新築マンションも買ってみたいと考えており、マンションのモデルルームにも定期的に顔を出していました。

そんな中、駅近の新築タワーマンションが思ったよりも安い値段で出ていることにふと気づきました。

私「あれ、これ安くない?」
妻「モデルルームでも、いつもより食い気味だったもんね」
私「だって、あれ、この立地でこの価格でしょ。今よりもずっと駅に近くなるし、周りにスーパーも沢山ある。湾岸エリアのスーパー、物足りないって言ってたよね」
妻「言ったけど、マンション買う文脈ではないよ。」
私「でもさ、安くない?」
妻「話聞いてる?」
私「マンション抽選だけ良い?抽選当たっても契約申し込みまでは確定じゃないし。抽選外れたらそれまでだし」
妻「」
私「このマンションの引き渡し時期だと、息子はまだ保育園児。年中/年長クラスだから、保育園合戦にもなりにくいと思う。というか、●●市の保育園のデータを見て欲しいのだけど、この年齢児は4月で埋まり切っていないので空きがあるよ」
妻「」

こうして奇跡的に抽選に当たった結果、2戸目を購入することができました。
2戸目引渡しまで数年あったこともあり、1戸目の売却タイミングをどうするか、引っ越しをどうするかは引渡しタイミングが近づいてから考えよう、という気楽なものでした。
まさか、マンション売却タイミングで新型コロナウィルスのパンデミックが起きるとは、このとき考えもしませんでした。

マンション3戸目:中古マンション

2戸目のマンション引渡しまで残り1年と迫った頃。
マンション2戸目購入から引渡し前までの間に家族が1人増えることになりました。そうなると課題となるのは保活。2戸目のエリアも保活激戦区です。しかも、引っ越し先の自治体は、兄弟加点は上の子が小学校に入ってしまうとカウントされない仕組みでした(江東区は、今のところ上の子が小学校に上がっても兄弟加点がされる仕組みになっています)。


引越してしまうと保活厳しいかも知れない。しかも、3歳児以上保育料無料で意識していなかったけれど、乳児保育料は引っ越し先エリアの方が高い。生活コストが上がるのか。

どうしたものか、手付放棄解除か、取りあえず引渡しを受けて引越してから考えるか…と悩みながら、日課のSUUMOチェックをしていたところ、同じ江東区湾岸エリア内で安い物件を見つけました。

私「この物件、今より駅近になるし、良くない?」
妻「どういうこと?」
私「とりあえず内覧行ってくるね」
妻「どういうこと?」

内覧後
私「とりあえず指値入れてきた」
妻「何で?」
私「まあでも、ほら、指値は殆ど通らないものだから…。内覧の礼儀みたいなものと思って欲しい。」
妻「そんな礼儀があるんだ。」
私「僕の中でね。」

私「指値とおっちゃった。」
妻「礼儀なのに?」
私「指値通ったからには買わないといけない」
妻「礼儀で?」
私「今より駅近になるよ、いいんじゃない?」
妻「…いいけど、今臨月なの知っているよね?」
私「そうか、じゃあ売買契約は私だけで行うね」
妻「そうではなくて。引っ越しどうするの?クソ大変だよ!」
私「がんばります」

実際に売買契約を実施したのは、2人目が生まれた月、妻が産院から退院してすぐのことでした。
奥様、ごめんなさい。

マンション4戸目:新築マンション

急遽マンション3戸目を買うことになり、資金繰りのためにマンション1戸目とマンション2戸目をどうにかしないといけなくなりました。

というときに、新型コロナで世界中が混乱の渦に。今でこそ、コロナバブルで物件価格が急上昇した歴史を知っていますが、当時はマンションなんか買っている場合じゃない、そもそも内覧受付なんかできない(内覧行きたくない)、仲介事業者も店を開けている場合じゃない、という雰囲気で、急激に売却活動がとまり、相場も(結果的には一時的でしたが)急落することになりました。

この話はどこか別の機会でまとめたいと思いますが、結果的にはどうにかなりました。今にして思えば売り急がなければもっと高く売れたかも知れません。が、こぼれたミルクを嘆いても仕方がありません。何にせよ、最終的には2戸とも売ることができました。

この混乱の中で自分が得た教訓は
「マンションは買うより売る方がずっと難しい」
「が、お金がないのにマンション3戸買っても最後はどうにかなる」
という2点でした。
となると、現居1戸しか持っていない状況はリスクを取らなすぎではないのか。世の中には素敵なマンションがたくさんあります。理想的な住まいを追わなくて良いのか。まだいける。

私「下の子も大きくなって外に出やすくなったし、モデルルームに行こう」

こうして、モデルルーム巡りがまた始まりました。
そうしますと、世の中は素敵なマンションで満ち溢れておりますので、やはり素敵なマンションに巡り合います。

私「この物件、良くない?独身時代この辺に住んでいたんだよね?」
妻「うん、この辺は便利だったよ」
私「じゃあ、買おうか」
妻「今の私の回答は、マンションを買う文脈ではないよ」
私「いや、今度は急いで引越さなくてもいいよ(※過去からの学習)。セカンドハウスだとしても素敵な立地じゃない?」
妻「」

途中から妻は興味を失い会話が成立しなくなったため、黙認を得たと判断し、抽選に参加し、抽選に通り、購入手続きを踏まえ、今引渡しを待っている状況です。

まとめ

こうして自分で振り返ってみて、マンション購入が進むにつれて妻との会話が成立しなくなっていった過程が分かりました。
いえ、よく思い返すと、マンション1戸目から会話が成立していない。
考えるな、買え。という格言を忠実に実施した実例としてご参照いただけますと嬉しいです。

皆様も、ご家族との対話を第一に、住まいは目的ではなく手段であることを忘れずに、素敵なお住まいと素敵な生活に巡り合うことを祈念しております。