自分で考える人を育てるなら「話す2割」ぐらいでちょうどいい

先日、子育てに奮闘してきた知人がこんなことを言っていました。


「長女が幼稚園児だった頃、
あれしなさい、これしなさいと指図ばかりしていたら、
自分で行動しようとはしないで
ぼうっとするようになっていた」と。


私にも覚えがあります。


以前、営業職のリーダーをしていたとき
チームメンバーに対して
ああして、こうしてと
ことこまかに教えれば教えるほど
自分で考えなくなっていきました。


何か行きづまれば、
私に尋ねればいいのだという雰囲気が
チームにできあがってしまったのです。


尋ねてくるメンバーは、すまなさそうに
いつまでも理解できない自分に自信を失くし
仕事がつまらないようにも見えました。


問題にぶつかりどうすればいいかわからない
何を欲しているかわからないといった場面で、
自分で考え、行動できる人に、
どう接していけばいいのでしょう?


受け身な人を育てるなら
話す8割、聞く2割。


自分で考える人を育てるなら、
話す2割、聞く8割ぐらいがちょうどいい。

仕事でいうなら
お客様に喜ばれたと
いいことがあったときはその体験談を聞き、


対応に不備があり
お叱りを受けたときはその理由と
これからどう改善をすればいいのか?
対策を尋ねて話してもらうようにしました。


「どうすれば良かったんでしょうね?」
と聞けば、自分の考えを伝えてくれます。


すでにわかっていることは何で、
何がわからず足りていないのかにも気づき、
「ああして、こうして」と伝える必要はありませんでした。


話しているときの表情は
意気揚々としていて自信を感じられ
対話の8割を聞き手にまわっていたときの
まるでお説教を受けているような表情とは違っていました。


私が話すこと、に意識をおいていたのは
立場上、知っているということを
メンバーに示さなくてはならないと
感じていたからなのです。


「どうすれば良かったんでしょうね?」
と尋ねることは、
考えを持っていないと思われないか?
と恐れていたことでもあります。


大人どうしの対話だけに限らず、
大人と子どもの対話でも同じだろうと思うのです。


子どもに指図することなく
「どうすれば良かったのかな?」と尋ねれば
自分の想いを言葉にして話してくれます。


勉強や進路、趣味、スポーツでも、
「あなたは、どうしたいの?」
と尋ねてどんどん話してもらえれば
自分の考えに気づいていきます。


そして、みずから行動できる人になっていく。
私たちはサポート役に回ればいいんですね。


自分で考える人を育てるなら、
話す2割、聞く8割。
相手を対話の主役にすることが
自律した人を育てるには大切なのだと実感しています。

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