私の診察方法

まず患者様が診察室に入ってくる様子(歩行状態 姿勢)を観察します。
いつからどこが痛いのか、どんな動きをする時に痛みがあるのか、歩くことができる時間、階段昇降時の痛み、運動習慣などについて質問します。

膝の腫れ、可動域、圧痛点(押さえた時に痛みのある部位)、膝を動かした時の痛みの部位、膝の動揺性(靭帯の安定性)、下肢の筋力および筋肉の萎縮、股関節の可動域(股関節の内外旋)、Lasegue test(下肢伸展挙上検査 SLR)などをみます。膝だけではなく股関節や腰椎の動きも確認します。

1)伸展位で膝の腫脹 膝蓋跳動 熱感 筋肉の萎縮などを診ます。

画像4

2)膝を曲げて可動域、圧痛点、痛みの部位などを診ます。

画像3

 3)Lasegue test (SLR) を行い足の後ろ側の筋肉の固さを診ます。

画像5


レントゲンではまず骨の状態(変形の程度)を説明します。レントゲンで軟骨は写らないので関節の隙間の広さで軟骨のすり減り具合をみます。変形性膝関節症の進行度の分類としてK-L分類があります。進行に伴って骨の変形が顕著になり関節の隙間が狭くなります。

画像1


変形の進行に伴って大腿骨内側荷重部の軟骨は痛んでいきます。下のイラストのように初期では軟骨の変性や潰瘍、進行期では軟骨の部分欠損、末期では軟骨の広範囲欠損や軟骨下骨の象牙化が認められます。

画像3


MRIでは軟骨 半月板 靭帯 骨の中の信号変化 滑膜炎 などの情報を得ることができます。特に半月板損傷 靭帯損傷 軟骨損傷 脆弱性骨折 大腿骨顆部骨壊死 慢性関節リウマチの診断に有効です。高齢者で急に痛みが強くなった場合は骨の中の骨折(骨粗鬆症に伴う脆弱性骨折)がMRI検査で明らかになることもあります。