変形性膝関節症について

整形外科医になりたての頃は膝関節が変形する病気という漠然としたイメージでした。先輩から変形性膝関節症について尋ねられた際にあまり答えられず自分の知識が足りないことを反省しました。これまでの私の経験と最近の知見からこのブログを書かせていただきます。

ヒトは進化し二足直立歩行ができるようになりました。
二足直立歩行とは頭から体幹を直立させて二本の足で歩くということです。
二足直立歩行のおかげで大きな頭部を支えることが可能となり高い知能を得ました。また、上肢(うで)が歩行から解放されたことにより重たいものを運んだり物を投げたり、手を使うことができるようになりました。

しかし体を支える脊椎 股関節 膝関節の負担は大きくなりました。加齢に伴い膝の負担は増加し軟骨は徐々にすり減っていきます。二足直立歩行の代償としてヒトは変形性膝関節症になりやすくなりました。

高齢化の中、国内の患者数は徐々に増加しています。症状のある患者数は約1000万人、潜在的な患者数は約3000万人と推計されてます。

変形性膝関節症では進行に伴って膝の痛みや腫れが強くなり可動域も悪くなります。また、下図のように関節軟骨は徐々に減少し骨の変形が強くなります。

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