膝の水を抜くとクセになる?

膝に水が貯まっている状態を関節水腫といいます。
膝に水が貯まると膝関節を包んでいる袋が膨らみます。そのため、膝を伸ばしにくい 膝を曲げるときに重だるい などの症状がでます。

膝に水が貯まって腫れるとお皿(膝蓋骨)周囲の皮膚のシワがなくなりお皿の輪郭が不明瞭になります。また膝蓋骨を上から押さえると膝蓋跳動といってブヨブヨした感じがあります。下の写真で右膝は腫れお皿の輪郭がなくなっています。

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膝に水が貯まるのは滑膜炎が起こっているからです。膝の軟骨を痛めるとすり減った軟骨の破片ができます。その軟骨の破片が滑膜に取り込まれて滑膜炎を起こします。炎症を起こした滑膜からはさらに炎症を誘発する化学物質が関節液中に放出され関節軟骨の変性を進行させます。

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水を抜くとクセになると言うけど大丈夫ですか?と質問されることがありますが、貯まった水には炎症を誘発し軟骨を変性させる物質(サイトカイン)が含まれています。放っておくとなかなか炎症が治らないばかりか軟骨が傷んでいきます。また、膝が腫れて伸ばせない状態を放って置くと膝を曲げる筋肉が固くなって伸びない膝になってしまいます。ですから、水は抜いた方がいいです。水を抜いた後にヒアルロン酸やステロイド剤の関節注射を行い経過を診ます。一度、水を抜いた後も滑膜炎が続く限りまた水が貯まるのでしばらく時間がかかることもあります。