見出し画像

【ポケモンSV】ヒスイ地方のポケモンがパルデアに来たら?〜後編【ポケモンLEGENDS アルセウス】

 こちらは前回記事の続きになります。前編では全国図鑑順にポケモンLEGENDS アルセウスで初登場したポケモンについて自分になりに考察し、ウインディ(ヒスイの姿)からダイケンキ(ヒスイの姿)についてまで書かせて頂きました。
 今回はその続きで、ドレディア(ヒスイの姿)からラブトロスまで書いていければと思います。ちなみに前後編になっていますが、どちらから読んでいただいても大丈夫です。

ドレディア(ヒスイの姿)

タイプ:草・格闘
種族値
70-105-75-50-75-105(480)
特性
葉緑素/張り切り/リーフガード(隠れ特性)

原種ドレディアとの違い
・原種ドレディアは草単タイプ
・原種ドレディアの特性は張り切り→マイペース
・原種ドレディアの種族値
70-60(-45)-75-110(+60)-75-90(-15)

 ヒスイドレディアは原種と異なり格闘複合に加えて物理偏重の種族値に。原種は蝶の舞+花びらの舞+特性マイペースによって混乱のデメリットを帳消しにできましたがサブウェポンに乏しく、特に鋼タイプに対する打点がほとんどないという有様でした。
 ヒスイドレディアは格闘複合により草技の通りにくい鋼に抜群が取れるようになり、専用技の勝利の舞は物理版蝶の舞ということもあって一度積めれば特性の張り切りも相まって非常に高い火力が出せるようになりました。
 しかし、今作には技が必中になるダイマックスが存在しないため、張り切りのデメリットが思いの外大きく、技外しのリスクを下げるために広角レンズを持たせたいところですが、そうすると紙耐久を晒すことになってしまいます。耐久を保障する気合の襷を取るか命中安定を取る広角レンズを取るかは使用方針次第といえるでしょう。

・育成例
陽気AS@気合の襷
特性:張り切り
テラスタイプ:草or格闘(一致技の威力向上、4倍弱点の軽減など)、電気(対飛行)、炎or鋼(対フェアリー)
技:インファイト/リーフブレードorタネマシンガン(安定or襷頑丈身代わりミミッキュ対策)/アイススピナー(対飛行・ドラゴン)/勝利の舞

ゾロアーク(ヒスイの姿)

タイプ:ノーマル・ゴースト
種族値
60-105-60-120-60-105(510)
特性
イリュージョン

原種ゾロアークとの違い
・原種は悪単タイプ
・原種と覚える技が一部異なる
原種:ナイトバースト、カウンターなど
ヒスイ:恨みつらみ、鬼火など

 唯一のノーマル・ゴーストタイプ複合のポケモンであり、弱点は悪のみでノーマル格闘ゴーストの3タイプを無効にできる組み合わせとなっています。
 しかし、今ひとつにできるのが毒と虫という攻撃タイプとしてはマイナーな2タイプのみであり、元々のゾロアークの耐久力の低さから等倍一致技であっても致命傷になりかねないので無闇矢鱈に使って強いポケモンとは言えないでしょう。
 原種ゾロアーク同様特性はイリュージョンであるため、その特性を活かして相手を錯乱させるのが理想的な使い方となるでしょう。
 ゴーストタイプということも相まって妨害技を多数覚えるので気合の襷を持たせて先発で起用し、起点作成役を担わせるのが主な運用になりそうです。
 ただ、原種同様特攻種族値120は高い方であり、タイプを活かして悪巧み→一致ハイパーボイスで身代わりを貫通して攻撃といった手も取ることができます。

・育成例1(積みアタッカー型)
臆病CS@気合の襷
テラスタイプ:ノーマル(一致技強化)、フェアリー(対悪)

ハイパーボイス/シャドーボール/気合玉orテラバースト(テラスタイプフェアリーの場合)/悪巧み

・育成例2(起点作成型)
臆病HS@気合の襷
テラスタイプ:なんでも(起点作成型なのでテラスタルを切る機会は少ないでしょう)

恨みつらみ(確定A↓)or祟り目/バークアウト(確定C↓)/鬼火/置き土産

イダイトウ

タイプ:水・ゴースト
種族値

120-112-65-80-75-78(530)

120-92-65-100-75-78(530)
特性
すいすい/適応力/型破り(隠れ特性)

 バスラオ(白筋の姿)が進化したポケモンであり、♂と♀では姿と種族値が異なる珍しいポケモンです。
 ♂は攻撃が大きく伸び、♀は特攻が高くなります。大型化の進化ということもあって進化前より素早さ種族値が20下がってしまいますが、最速スカーフで最速ドラパルトを抜けるギリギリの数値なので決して鈍足ではありません。また、防御特防の種族値は進化したとはいえ低めですがHP種族値が120と高いため配分次第では耐久を高めることも可能です。
 特性は3つとも有用ですが、やはりテラスタルと合わせてタイプ一致技の威力を上げられる適応力が使いやすいでしょう。
 ♂は攻撃種族値112を活かした適応力補正の乗ったウェーブタックルやアクアジェットが強力で、ハカドックの専用技であるお墓参りをタマゴ技で覚えることができるので、終盤のスイーパーとしての活躍が見込めます。
 ♀の特攻種族値100は決して秀でたものではありませんが、こちらも適応力補正が掛かれば中々の攻撃力に。一致技のハイドロポンプやシャドーボール、サブウェポンの冷凍ビームなど高威力技や安定技を多数覚えることができます。

・育成例(♂)
HAS@命の珠
テラスタイプ:水orゴースト(一致技強化)
特性:適応力

ウェーブタックル/お墓参り/アクアジェット/高速移動

・育成例(♀)
CS@命の珠
テラスタイプ:格闘orフェアリー(対悪)
特性:適応力

ハイドロポンプ/シャドーボール/冷凍ビーム/テラバースト

ウォーグル(ヒスイの姿)

タイプ:エスパー・飛行
種族値
110-83-70-112-70-65(510)
特性
鋭い目/ちからずく/色眼鏡(隠れ特性)

原種ウォーグルとの主な違い
・原種はノーマル・飛行タイプ
・原種の隠れ特性は負けん気
・原種ウォーグルの種族値
100(-10)-123(+40)-75(+5)-57(-55)-75(+5)-80(-15)(510)

 エスパー・飛行というタイプの組み合わせは禁止伝説級であるルギアを含めると6体存在するため複合としては多い部類になりますが、今作SVはオドリドリを除いて未解禁。
 原種と異なり特殊偏重の種族値になりましたが、オドリドリは種族値が低くコンボ向けのポケモンのため、このウォーグルとの競合相手がいないというのは追い風と言えるでしょう。
 ただ、エスパータイプは全体的に特攻の高いタイプであるためその中においては種族値112は平均的であり、また原種の時点で遅めだった素早さも65まで下がってしまっているのは痛手。
 そんなヒスイウォーグルの難点を解消するのが専用技のオーラウイング。威力こそ80と平均的ですが、追加効果で確定素早さ1段階アップに加えて急所に当たりやすいというタイプこそ違えどもウェーニバルの専用技であるアクアステップの上位互換とも言える性能を持っています。そのため努力値を少し素早さに振り分けることでオーラウイング1回で抜ける相手を増やすことができます。
 また、特性を隠れ特性の色眼鏡にすれば通りの悪いエスパー技を通しやすくなるためテラスタルと合わせて積みながら相手を倒していきたいところですね。

・育成例
控えめHC@命の珠
テラスタイプ:エスパー(一致技強化)、格闘(対悪)
特性:色眼鏡

オーラウイング/エアスラッシュ/熱風orテラバーストorシャドーボールor瞑想から2つ

ヌメルゴン(ヒスイの姿)

タイプ:ドラゴン・鋼
種族値
80-100-100-110-150-60(600)
特性
シェルアーマー/草食/ぬめぬめ(隠れ特性)

原種ヌメルゴンとの主な違い
・原種ヌメルゴンはドラゴン単
・原種ヌメルゴンはシェルアーマー→潤いボディ
・原種ヌメルゴンの種族値
90(-10)-100-70(+30)-110-150-80(-20)

 600族初のリージョンフォームであり、鋼タイプが追加。鋼複合はディアルガやジュラルドンからも分かる通り、ドラゴンの苦手な氷ドラゴンフェアリータイプを、また鋼の苦手な炎を等倍にするため非常に相性の良い組み合わせです(原種に比べて地面と格闘には弱くなっていますが)。
 また原種ヌメルゴンに加えてHP種族値が10下がっているものの、ヌメルゴンのネックだった物理耐久が大きく上がっているため全体的に強化されていると言っていいでしょう。
 また専用技の立て篭もるはSVでは防御2段階アップという既存技の鉄壁・溶けると全く同じ効果になりました。ヒスイヌメルゴンは通常特性のシェルアーマーで急所に当たらないため、急所で積みを無効化されることがないので突撃チョッキのような変化技が使えなくなる道具を持っていない場合はこれらの防御アップの積み技を入れるのもいいでしょう。
 防御アップの積み技と相性のいいボディプレスも覚えるので有用ではありますが、アルセウスではあった立て篭もるの回避率アップがバランス調整のためか削除されたため、せっかくの専用技が汎用技と同じ効果なのは少し寂しいところ。
 とはいえドラゴン特有の優秀な技範囲と物理特殊両アタッカーに物理特殊の両受けと作れる型の多さも相まって原種が押されてしまっている600族最弱の烙印は返上できそうですね。


育成例1(特殊型)
控えめHC@突撃チョッキ
テラスタイプ:飛行(対格闘地面)、水or地面(草食で草無効)
特性:シェルアーマーor草食

竜の波動or流星群/ラスターカノンorてっていこうせん/大文字orヘドロウェーブorアシッドボムor波乗りor10万ボルトor冷凍ビームorテラバーストから2つ

育成例2(物理型)
意地っ張りHA@命の珠
テラスタイプ:上記参照
特性:草食(粉技無効・Aアップ)

逆鱗/アイアンヘッド/地震or岩雪崩orアイススピナーor炎のパンチor雷パンチorテラバースト/鈍い

育成例3(鉄壁ボディプレス型)
腕白HB@食べ残しor回復実orカゴの実(眠る採用の場合)
テラスタイプ:格闘(ボディプレスの威力アップ)、飛行(対格闘地面)、悪(ボディプレスの通らないゴースト対策)
特性:シェルアーマー(急所対策)

ボディプレス/鉄壁or溶けるor立て篭もるor鈍い/アイアンヘッドor地震orテラバーストor眠るから2つ

クレベース(ヒスイの姿)

タイプ:氷・岩
種族値
95-127-184-34-36-38(514)
特性
頑丈顎/アイスボディ/頑丈(隠れ特性)

原種クレベースとの主な違い
・原種クレベースは氷単タイプ
・原種クレベースは頑丈顎→マイペース
・原種クレベースの種族値
95-117(+10)-184-44(-10)-46(-10)-28(+10)

 全ポケモンでも屈指の物理耐久を持つクレベースですが、ヒスイの姿では岩タイプが追加。氷・岩というタイプはアマルルガと同じ組み合わせですが、組み合わせとしては決して強くはありません。
 氷タイプは攻撃面では強い反面、防御面は非常に弱く、なんと半減できるのは同じ氷タイプのみ。それに岩タイプが合わさると格闘と鋼が4倍弱点になり、さらに水草地面と一致技はもちろんサブウェポンとしても持たれることの多いタイプの技が弱点になるので、タイプ相性だけで見たら厳しい点が多いのは否めません。
 しかし、物理技なら一致弱点であろうと耐えてしまうのがクレベースというポケモンであり、紙耐久である特防も逆に考えれば原種でも強力だった頑丈→ミラーコートのコンボがより決めやすくなるので、弱点が増えたことがメリットになるという見方もあります。
 地味な強化点ですが、岩タイプになったことで砂嵐で頑丈が潰されないのは○。

・育成例
腕白HB@食べ残し
テラスタイプ:格闘(ボディプレスの威力アップ)
特性:頑丈

ボディプレス/ミラーコート/自己再生/鉄壁

ジュナイパー(ヒスイの姿)

タイプ:草・格闘
種族値
88-112-80-95-95-60(530)
特性
深緑/肝っ玉(隠れ特性)

原種ジュナイパーとの主な違い
・原種ジュナイパーは草・ゴースト
・原種ジュナイパーの隠れ特性は遠隔
・原種ジュナイパーの種族値
78(+10)-107(+5)-75(+5)-100(-5)-100(-5)-70(-10)(530)

 草・ゴースト複合だったジュナイパーが草・格闘の複合に。剣盾までは草・ゴーストの複合はジュナイパー含めて4種類(パンプジン・オーロット・ジュナイパー・ダダリン)と被りまくっていましたが、SVでも競合相手が3種類(キノガッサ・ヒスイドレディア・ヒスイジュナイパー)と多いのがネック。
 特にキノガッサはキノコの胞子が強力なこともあって常に対策されるポケモンなので、ドレディア共々抑えられてしまう恐れがあります。また、この複合タイプのポケモンは全員が物理型であり、高速物理アタッカーとしては勝利の舞があるヒスイドレディアに劣る面は否めません。
 しかし、ヒスイジュナイパーはそれら2体に比べて耐久力で優っており、また隠れ特性の肝っ玉で他2体が苦手なサーフゴーなどのゴーストタイプに格闘技を抜群で当てることができます。
 また、専用技の三本の矢はSVにおいて威力と追加効果が強化され、威力90ながら急所に当たりやすい+5割防御ダウン+3割怯みという破格の効果を持っています。
 今作では攻撃しつつ自身の素早さを上げることができる物理草技・草分けを習得したため、草分けで素早さを上げつつ上から三本の矢を撃ち込んでいくのが強い使い方になるでしょうか。

・育成例
意地っ張りAS@命の珠
テラスタイプ:格闘(三本の矢の威力アップ)、鋼(対飛行エスパーフェアリー)、炎(火傷無効)

三本の矢/草分け/はたき落とすor不意打ちor影撃ち/剣の舞or羽休め

ラブトロス(化身フォルム)

タイプ:フェアリー・飛行
種族値
74-115-70-135-80-106(580)
特性:メロメロボディ/天邪鬼(隠れ特性)

 アルセウスで唐突に追加されたボルトロス・トルネロス・ランドロスに連なる準伝説ポケモン。他3体が♂しか存在しませんが、こちらは♀のみしか存在しません。タイプ構成はトゲキッスと同じですが、SVにはトゲキッスが存在しないため現状固有タイプの組み合わせに。
 種族値は他3体と同じく二刀流構成で低めの耐久となっており、ボルトロス・トルネロスより素早さが低く、ランドロスより高いといった感じで特攻は他3体より高めに設定されております。
 フェアリータイプということで強力な回復技であるドレインキッスを覚え、瞑想を積んでドレインキッスで回復……も可能ですがなんとこのポケモンの隠れ特性は天邪鬼。そしてラブトロスは馬鹿力を自力習得するため、かつてのカラマネロやラランテスと同じ天邪鬼+馬鹿力で相手に攻撃しながら物理面を積んでいくアタッカー型が最も強いのではないでしょうか。
 他2体は種族値が控えめですが、こちらは準伝説とあって高い種族値でこのコンボができるのは強みですね。

・育成例
陽気AS@突撃チョッキ
テラスタイプ:格闘(馬鹿力の威力強化・対鋼)or悪(馬鹿力の効かない対ゴースト)
特性:天邪鬼

馬鹿力/じゃれつく/アイアンヘッドor思念の頭突きorテラバースト(悪テラスタルの場合)

ラブトロス(霊獣フォルム)

タイプ:フェアリー・飛行
種族値
74-115-110-135-100-46(580)
特性:防塵

 他3体と同じく写し鏡でラブトロスも霊獣フォルムにフォルムチェンジします。他3体が青龍・朱雀・白虎モチーフと言われており、長らく玄武のみ不在でしたがラブトロスがその位置に落ち着きました。SVの準伝説が四神と相対する四凶モチーフということもあるので、それを見越しての登場ということでしょうか。
 種族値は素早さ60が防御・特防にそれぞれ40・20振り分けられており、耐久面が強化されました。単純な火力や物理耐久では同タイプのトゲキッスを凌駕しますが、他の霊獣フォルムに比べて不要なAが下降しておらず、種族値に無駄が生まれてしまっています。
 また、化身と異なり特性が天邪鬼ではないので馬鹿力とのコンボは不可能であり、使うのであれば化身の項でも取り上げた瞑想+ドレインキッスの耐久型として使うことになるでしょう。
 しかし、Sが46と低いため瞑想を積む前に弱点を突かれて落とされるリスクも高く、ランクマッチなどで実際に使われるのは化身フォルムの方なのではないでしょうか。

・育成例
図太いHB@食べ残し
テラスタイプ:フェアリー(ドレインキッスの威力アップ)or飛行(テラバースト特殊一致技化)or炎(対鋼)
特性:防塵

ドレインキッス/大地の力orマジカルフレイムorテラバーストから2つ/瞑想or鉄壁or挑発から2つ


おわりに

 時間がずいぶんとかかってしまいましたが、これでヒスイ初出のポケモンについては全て書くことができたと思います。昨日1月28日はアルセウス発売1周年ということで多数のイラストが投稿されているなどしており、時の流れの速さを思い知らされます。
 今回はあくまで予測として立てた記事なので、私があまり良い評価をしなかったとしても新しい型の開拓で評価の急上昇するポケモンが出ると思われるので。このポケモンが強いかそうでないかという判断は早計というものでしょう(アンコール炎の渦カイリューなんてどうやって思いつくのか)。
 2月のランクマッチからはパラドックスポケモンが解禁され、環境が大きく変わることでしょう。
 HOME経由で過去作から連れて来られたポケモンもいつランクマッチで使えるようになるかは不明なので、カジュアルマッチなどで研究を進めておくのも一つの手と言っていいでしょう。ヒスイポケモンたちが活躍してくれるのを楽しみにしております。
 なので公式ははやくSVとHOMEの連携を(ry

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?