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【ポケモン剣盾】一番好きな禁伝だけに活躍させたい【禁伝幻環境】

 9月1日から10月31日までの2か月間、ポケモン剣盾のランクマッチは幻のポケモンも含めた剣盾に登場する全てのポケモンが使用できるいわゆる『レジェンド・オブ・ラウンド』と同じルールで行われています。
 幻のポケモンが使えるのはもちろん、6体の中に何匹でも禁止伝説級のポケモンを採用できるため、まさに剣盾最終盤を飾るに相応しいルールと言えるでしょう。
 また、普段ランクマッチでは使えない幻のポケモンにマスターボール級のリボンをつけられる貴重な機会でもあります。

シーズン34(9/1〜10/1)使用率トップ10

 禁止伝説級が複数体採用できるルールなので、今まで採用されなかったポケモンの使用率が上がる傾向にありますが、上位を占めるのはザシアンやカイオーガといった竜王戦ルールや伝説2体ルールでも上位を占めたポケモンです。
 そんな状態でもトップ10にランクインする霊獣ランドロスは環境問わず活躍できる本当に強いポケモンとも言えますし、10位以下でも特性かわりものでザシアン対策が可能なメタモンや、進化の輝石を持つことで脅威の耐久を得るラッキーなど、一部の一般ポケモンも入っているため、一般ポケモンと禁止伝説級が入り混じったカオスな環境と言っていいでしょう。

あのポケモンに弱すぎるが故に

レシラムとキュレムの融合体

 そんな混沌とした環境において自分がメインに据えたいと思ったのがホワイトキュレム。シーズン34では全体使用率16位と禁止伝説級ではちょうど真ん中の位置にいるポケモンです。
 ちなみに自分が何故ホワイトキュレムを軸に据えたいと思ったかというと、性能が高いのもそうですが、単に「好きなポケモンだから」というのもあります。

でもこれが難しい

 そんなホワイトキュレムですが、種族値で際立つのはやはり剣盾に存在する全ポケモン中2位に位置する特攻種族値の高さです。

タイプ:氷/ドラゴン
特性:ターボブレイズ(相手の特性を無視して技を出せる)
種族値
125-120-90-170-100-95

 ホワイトキュレムの特攻種族値は170。これはデンジュモク(173)に次ぐ数値であり、数字の上では雨+潮吹きが全ポケモン中屈指のものとなるカイオーガ(150)や相手を倒すと特攻ランクを1段階上げることのできる黒馬バドレックス(165)より上になります。そのため、高い特攻から繰り出される特殊技は非常に強力と言っていいでしょう。
 また、氷技は攻撃技としての通りが良く、大半の禁止伝説級に抜群を取ることができます。剣盾からは水タイプのポケモンに対して抜群になる氷技・フリーズドライを覚えたため、本来氷技がいまひとつのカイオーガにも効果抜群を取ることができるようになりました。
 しかし、そんなホワイトキュレムの使用率が伸びないのには明確かつあまりにもわかりやすい理由がありました。

約束されし勝利の剣

 それは、現環境において使用率1位のザシアン(剣の王)に非常に弱いということです。
 ザシアンは素の攻撃種族値170に加えて特性・ふとうのけん攻撃ランクを1段階上げることができます。そして専用技・きょじゅうざんはダイマックスしたポケモンに対して威力2倍(100×2=200)になる鋼タイプの技です。
 ホワイトキュレムはHP種族値こそ125と高いものの、防御種族値は90と低く、仮にザシアン側が攻撃無補正+攻撃努力値無振りホワイトキュレムがB補正あり+HB252振りでもきょじゅうざんを確定耐えできません。

ザシアン(けんのおう)
きょじゅうざん/威力100
A190(0)/A+1

ホワイトキュレム
232(252)-156(252)
性格B↑
206〜246(88.7〜106.0%)
確定2発〜乱数1発(31.2%)

 また、ザシアンは素早さ無補正無振り(165)でも最速ホワイトキュレムより素早い(161)ため、こだわりスカーフや麻痺などの素早さを操作する手段がない限りザシアンには先手を取られてしまいます。
 そのため、何の変化もなくこの2体が相対した場合、ホワイトキュレム側は交代するそのまま倒されるしかないという有様なのです。

ホワイトキュレムの主要技(シーズン34)

 基本的に特攻種族値170を活かすために特殊技の採用が多く、ザシアンなどの鋼タイプのポケモンの弱点を突ける大地の力が採用率1位、次点が水タイプに抜群になるフリーズドライになっています。
 ホワイトキュレムは持たせる道具で役割が変わるポケモンですが、基本的にこの2つの技を確定として残りの枠を攻撃技2つor攻撃技/補助技としている印象があります。

ホワイトキュレムの性格(シーズン34)

 性格では臆病(S↑A↓)が最も多く、その次に控えめ(C↑A↓)が続きます。
 臆病が多い理由としては使わない攻撃を下げつつ、絶妙な素早さ種族値95に補正をかけることで禁止伝説級に多い90族を抜くことを意識しているように思われます。
 一方で控えめは抜ける相手が減る反面、特攻種族値170をさらに活かすことができるようになるので、素早さを他の要素で補える手段がある場合はこちらでもいいでしょう。

ホワイトキュレムの主要な持ち物(シーズン34)

 持ち物の採用率1位は変化技を使えなくなる代わりに特防が1.5倍になるとつげきチョッキ。無振りでの実数値は180(120×1.5)になり、種族値に換算すれば160(ゲンシカイオーガ・デオキシスディフェンスフォルム)と同程度になります。
 ただ、2位のいのちのたまとの差は4%ほどのため圧倒的に離れている、というわけではなさそうです。

実際に使ってみたホワイトキュレムの型

VSTARでも出てほしい

 技・性格・持ち物の採用率を見たところで、こちらの項ではそれを踏まえて実際にシーズン34で使ってみたホワイトキュレムの型を紹介していきたいと思います。

①:とつげきチョッキ型

性格:臆病
実数値(努力値)
201(4)-×-110-202(252)-120-161(252)


フリーズドライ
絶対零度
大地の力
シャドーボール

 採用率1位のとつげきチョッキを持たせた型。対特殊アタッカーには無類の強さを誇り、ダイマックスすれば特殊アタッカーとの殴り合いにはまず負けません。
 しかし、耐久面は申し分ないのですが使ってみると火力がやや物足りないと感じるところがあり、エース運用というよりかは構築の穴埋め的な役割がほとんどでした。
 また、特殊に強い反面物理相手には不安が残り、ザシアンはもちろんターボブレイズで貫通できないプリズムアーマーを持つ日食ネクロズマや高い特防を持つホウオウなどどう足掻いても突破できない相手には絶対零度を撃つくらいしかできることがありませんでした。
 シャドーボールの枠はバドレックスピンポイント感があるので、ホウオウ対策のストーンエッジかダイマックス時にSを上げれるダブルウイングor空を飛ぶでもよかったかもしれません。
 ちなみに性格:穏やかかつHD特化でとつげきチョッキを持たせると、臆病カイオーガの雨潮吹きが確定10発になります。

②:たべのこし+身代わり零度型

性格:穏やか
実数値(努力値)
225(196)-×-111(4)-191(4)-149(124)-138(180)

調整
HP:16n+1(奇数かつたべのこし回復量最大)
S:麻痺状態の準速スカーフムゲンダイナ抜き
D:余り


フリーズドライ
絶対零度
大地の力
身代わり

 禁伝2体環境の時の構築記事で見受けられた対受けループに特化した形のホワイトキュレム。身代わりを盾に絶対零度で輝石ラッキーなど普通のホワイトキュレムでは突破できないポケモンの突破を狙った型になります。
 シーズン34では岩石封じ+ステルスロック+電磁波or投げつける@でんきだまを採用した起点作成型のグラードンが多く見られたので、グラードン入りの構築には先発で起用しました。
 身代わりを使うことでグラードンの麻痺撒きを回避することが可能になり、また、ザシアン交代読みの身代わりをすることで、きょじゅうざんを身代わりで受けつつ、大地の力を撃ち込むこともできます。
 とはいえ、火力に全く振っていないためメジャーな耐久振りザシアンだと大地の力で半分くらいしか削ることができないので、後ろにザシアンに強いポケモンを用意しなければなりません。

③:いのちのたま+竜舞型

性格:ひかえめ
実数値(努力値)
201(4)-126-110-222(252)-120-147(252)


フリーズドライ
逆鱗
大地の力
竜の舞

 某ポケモン実況者の方が動画で紹介してから流行り出した(?)型。
 カイオーガなどホワイトキュレムが有利なポケモンに出しては相手の交代に合わせて竜の舞を積んで素早さを上げ、後から出てきたザシアンを命の珠+ダイアースで撃破することを狙ったものです。
 ダイジェット媒体の飛行技を持たない代わりに竜の舞でダイマックスを使わずとも素早さを上げることが可能であり、S+1準速キュレムは最速ザシアンと同値(220)になってしまうものの、昨今のザシアンは大半がAとSを削って臆病カイオーガの雨潮吹き耐えA+2メタモンのきょじゅうざん耐えという調整をしていることがほとんどなので、この型を運用している中でザシアンに上を取られることは一度もありませんでした。
 ちなみにドラゴン技には逆鱗を採用しています。ホワイトキュレムはA種族値120と二刀流が可能な数値であり、仮にA↓の性格かつ無振りでも1段階上昇+命の珠で防御の種族値が低いポケモンに対しては逆鱗媒体で威力140のダイドラグーンが刺さります。

ホワイトキュレム@いのちのたま
ダイドラグーン/威力140
A126/A↓/A+1

カイオーガ
H175-B110
176〜208(100.5〜118.8%)
確定1発

ホワイトキュレム@いのちのたま
ダイドラグーン/威力140
A126/A↓/A+1

ホウオウ
H213-B156
性格B↑
125〜148(58.6〜69.4%)
確定2発
※HB特化ホウオウの場合はりゅうせいぐん媒体の特殊ダイドラグーンの方がダメージは入ります

ホワイトキュレム@いのちのたま
ダイドラグーン/威力140
A126/A↓/A+1

ラッキー@しんかのきせき
H357-B62
性格B↑
208〜247(58.2〜69.1%)
確定2発

 特に普通の型では倒しにくいHB特化輝石ラッキーに絶対零度に頼らずとも大打撃を与えることができるのは大きいですね(竜の舞を積めないと話は別ですが……)。
 ただ、命の珠を持っている関係で珠ダメージも馬鹿にならず、ダイマックス同士の打ち合いを制しても削れたところを後から出てくるザシアンの電光石火やイベルタルの不意打ちで倒されてしまう、といったリスクもあります。
 ちなみに無振りカイオーガなら珠ダイドラグーンで確定1発なので、氷技をフリーズドライではなく、ダイアイスの威力を上げるために吹雪にしている人も多いです。ここに関しては好みですが、自分は霰が降っていない場合の命中率を考えてフリーズドライにしています。

ホワイトキュレムと相性の良い味方

ザシアンに強い(強めな)ポケモン

 ホワイトキュレムと組ませたいポケモンとしては、ザシアンのきょじゅうざんを半減で受けることができるポケモンになります。
 そういった点で好相性なのは日食ネクロズマで、ザシアンに後出ししつつ朝の日差し(月の光)で回復しつつゴツゴツメットのダメージで削るという流れになります。
 ちなみに日食ネクロズマが苦手なカイオーガやイベルタルにホワイトキュレムが強く、更に黒馬バドレックスに強いイベルタルあたりを組み合わせればより盤石になります。
 禁伝枠を除いた場合は特性が威嚇の霊獣ランドロスや天然ヌオー、ザシアンのメジャーな技を受け付けないヌケニンなどがおすすめです。

『ねばねばネット』を覚えるポケモン

 ねばねばネットは相手のポケモンが出てきた時に飛行タイプおよび特性浮遊のポケモン以外のポケモンの素早さを1段階下げる技で、ステルスロックのような設置技になります。
 95という決して高くもなければ低くもない素早さ種族値のホワイトキュレムからしてみれば出てきた相手の素早さを1段階下げるという技は一気に抜ける範囲が広がり、準速でも最速ザシアンまで抜くことができるようになります。
 ねばねばネットを使うポケモンとしては、ステルスロックや岩石封じなどの技を使用しつつ、特性の頑丈を貫通されない限りは確実に1回行動できるツボツボ、S種族値108と比較的高く、ねばねばネットを受けない飛行タイプに電気技を撃てるデンチュラ、特性のかるわざで自身の素早さを上げつつあくびやがむしゃらを撃てるペロリームが挙げられます。
 ねばねばネット自体は読まれやすいため、上から挑発をされると封じられてしまいますが、この環境で挑発を撃ちそうなポケモンはある程度絞れている(イベルタル、黒馬バドレックス、オーロンゲなど)ので、それらを読んで選出を変えるなどしましょう。

手持ちをうまく組み合わせて勝つのがポケモン

 ポケモンのパーティー構築にはこんなブラックジョークがあります。

①:好きなポケモン1匹を決める
②:次にそのポケモンの苦手なポケモンに強いポケモンを入れる
③:②を繰り返して6匹決める
④:その6匹目のフォローができるポケモンを選ぶ
⑤:①で入れた好きなポケモンを抜き、④で選んだポケモンを入れて完成

 これはいつの間にか好きなポケモンが抜け、強いポケモンで固められたパーティーができている……というもので、剣盾においては好きなポケモンを入れたつもりがいつの間にかミミッキュやリベロエースバーン、ウーラオスやサンダーのような強いポケモンや準伝説が入っていたということが多いと思います。
 実際ゲームとはいえ、勝負事なので勝てる確率を少しでも上げることは間違っていませんし、正しいことでしょう。
 ただ、本当に好きなポケモンを使って勝った方が嬉しい、という気持ちは残しておいた方が楽しめるのではないか、と自分は思っています。事務的にやるよりも楽しめる気持ちを残しておいた方がモチベーションも上がりますしね。
 スカーレット・ヴァイオレット発売まであと1か月。それまで残り少ない剣盾ライフを楽しめれば、と思います。

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