コルドニエの継承問題

コルドニエ、というのは靴の修理屋のこと。

私は靴みがきが好きだが、靴が修理されるのを見るのも好きだ。

で、このコルドニエは靴だけでなく、革製品も修理する。日本のミスターなんとかと同じような感じでしょうか。

先日、17歳ぐらい年上の日本人女性の家でお茶をもらって話していたら、「あら、その赤いバックいいわね」といわれた。

5年ぐらい前にパリの革製品をその場でカスタマイズしてくれる職人さんの店で買ったお気に入り。

「でも、穴が空いちゃって、チャックの縫い付け部分もほどけてきていて…」

といったら、近くにある街に、ものすごくお気に入りのコルドニエがあるからそこに持っていったら?と言われた。

コルドニエはもちろん、普段からも時々靴底の修理とかで利用しているけども。そんなに大きな違いあるの?と思ったら。

「あるわよ!もう、あのコルドニエはすごくいいわよ。うちの娘たちの革のブーツなんてでっかい穴を何度も直してもらってるわよ。」

と猛プッシュされた。

修理ついでに、ちょっと弱っているところを補強してくれたり、とにかくちゃんと物を再生させるという気概があるのだと。

「私の今の心配は、あのムッシューがかなりの年齢で、いつ引退してしまうのか。果たしてあそこの息子は後を継ぐのか。そこが気になって気になってしかたないのよ」

お気に入りの靴修理屋の継承問題を見守る日本人マダム。

そこがどうも面白くて仕方ないが、私も彼女がそこまで気にかけるコルドニエが気になるので、来週バック修理を依頼しようとおもっている。

その前に内側が汚いからとりあえず布部分を洗ったほうがいいかなぁ。

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