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自転車におけるバイクフィッティングの必要性とRETUL FITについて②

前回サイクリング、コーチング、フィッティングの違いを書いたが、今回は日本にいるフィッターの種類と、どういったライダーがどの様なフィッティングを受けると効果的かについて書いていく。


大きく分けると3パターンあると思う。

①元プロ選手もしくは元競技者のフィッター。

②理学療法士など、人体の構造を深く理解しサイクリングに紐付けているフィッター。

③大手自転車メーカーが作ったメソッドを習得したフィッター。


先ず①の場合はフィッティングではなくコーチングである場合が多いだろう。

競技をやってきた経験から目視で調整していくので勘が全てである。

実際に元競技者のフィッティングを受けてきたライダーの方々に話を聞くと、身体的特徴よりも競技者目線の「こうあるべき!」の様なアドバイスは説得力あり、いきなりパワーが数W上がる事があるそうだ。プラセボが効くのかもしれない。



②の場合は個人で活動している人が多く、なぜ痛みが出ていてどういう風に筋肉を動かせば良いのかを教えてくれるだろう。そしてオフバイクトレーニングの指導にも特化していると思う。しかしサイクリングにおけるフィッティングメソッドを確立させるには個人レベルではハードル高く、計測器を用意する事も難しいだろう。



③は私の様にメーカーの作ったメソッドを習得し、メーカーの作った計測器を使い方を学んだ人間だ。大抵の場合は無知なところからいきなりフィットに必要な事だけを集中的に学ぶので教わった事しか知識しかないが、計測器を使い正確なデータを取れるし状態に対しての明確な解決法も理解している。そして全国の認定フィッターのほとんどが同じ事ができるのもメリットだろう。


理想は①〜③の全てを兼ね備えた人だが、そんな人物は今の日本にはそういない。


ではどういったフィッターからフィットを受けるのがオススメかをざっくり言うと、乗り始め〜実業団E1程度のライダーは③。JPT以上になると②or③のフィッターとセッションしながらが良いと私は思う。

例えば成人後に筆跡を修正するのは難しいだろう。無意識に達するほどに繰り返した身体の動きは、今までと別の事をしようとした途端にギクシャクするはずだ。それが習字で習う様な正しく綺麗な書き方だとしても描きにくさを感じる。


以前、自転車の元トッププロ選手をRETULを使いモーションキャプチャで見た事があるが、特徴ある動きをしていることがわかった。推奨値に収めてみるととてもスムーズにペダリングするのだが「どちらかというと慣れ親しんだ今までのポジションが心地良い」と言っていたのでサドル高を少し修正するだけにとどめた。

また別のライダーで、スケートのオリンピック選手のフィッティングをしたところ、日本の宝であるほどのアスリートなので凄まじいフィジカルを持っている為、どんなキツいフォームもとれてしまうが、推奨値に合わせると「この位置すごく良い!」と敏感に反応してくれた。(感覚センサーも凄まじかった)


どちらもフィジカルは一般人とは大きく異なるが、サイクリングに順応してきた時間の差が受け入れ易さの違いとなった一つの理由だと思う。

繰り返した時間が少ないほど修正しやすいはずなので、フィジカルレベルは関係なく初心者から上級者まではメーカーのフィッティングをお勧めし、プロレベルのサイクリストは既に型が出来上がりっているので、さらなる競技力向上をストレングストレーニングなどを取り入れてトレーナーと相談しつつポジションを決めることが良いと個人的には思っている。


次回はRETULの詳しい内容について書いていきたい。

ではまた来週。








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