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世界一周探検家の最後

こんにちは。ブログの習慣が抜けてしまったおのしゅんすけです。滑り込みで書いてます。

さて。今日は前回予告(?)した通り、マゼランについて書きたいと思います。


初世界周航を成し遂げたその人は

マゼランという名前は皆さん、聞いたことぐらいはあるでしょうか?

フェルデナンド・マゼランという名前のポルトガル人です。

彼は1519年、スペイン王の信任を得てスペインの艦隊を率いて香料諸島を目指します


え、スペイン?

そうなんです。ポルトガル人であるマゼランはスペインから世界一周を始めるんです。それには色々ありました。

(香料諸島はまた後ほど)

ポルトガルが握った覇権

1499年、ポルトガル人のバスコ・ダ・ガマが東回り航路でのインド航路を開拓します。

バスコ・ダ・ガマも皆さん、名前くらいはご存じですか。

僕が小学生で習った時は

奴は妙木山からやってきたに違いない!

なんて盛り上がりましたが、れっきとしたポルトガル人です。


東回り航路とは喜望峰(アフリカ大陸の南端)を通ってインドに行く航路です。

そしてその航路はさらに伸ばされ、香料諸島までたどり着きます。香料諸島とは現在のインドネシア・モルッカ諸島のことで当時は香料貿易の拠点として、ヨーロッパの貿易独占権の争いの渦中にありました。

歴史にあかるい方ならわかるかと思いますが、当時のヨーロッパでは香辛料(スパイス)は宝石以上の価値のある物でした。

そのためこの航路を開拓したことによって、ポルトガルは香料貿易を独占していました。


マゼランは元々、ポルトガルでは地位のある探検家でした。しかし、ポルトガル王とは馬が合わず西回り航路を探したいことを訴えたのですが取り合って貰えませんでした。

そんな時でした。コロンブスの成功をはじめ、ヨーロッパから西へ西へという航海に力を入れていたスペインに目をつけます。さらには、香料諸島がスペインの領域内にあったこともあってマゼランはスペイン王の説得を試みます

その結果、マゼランはスペイン王から艦隊を任せられることになるのです


マゼランの航海

マゼランの航海は波乱万丈、いやそれ以上のものでした。

北米大陸まではコロンブスのおかげで航路が開拓されていましたが、それ以降は未開の海でした。

まず、南米大陸を南下してぐるっと回って太平洋に出ます。この時に発見した海峡が今のマゼラン海峡です。

この太平洋も実はマゼランが名付けたと言われています。

太平洋の航海は過酷そのものでした。

海面は穏やかだったようですが、食料を補給できる島にめぐりあえなかったそうです。その時の様子を記した航海日誌はこのようなものでした。

3ヶ月と20日のあいだ新鮮な食べ物は何ひとつ口にしなかった。ビスコット(乾パン)を食べていたが、これはビスコットというよりむしろ粉クズで、虫がうじゃうじゃ沸いており良いところはみな虫に食い荒されていた。そして、ネズミの小便の臭いがむっと鼻につくようなしろものだった。日数がたちすぎて腐敗し黄色くなった水を飲んだ。また、主帆柱の帆桁に張り付けてあった牛の皮さえも食べた。(中略) それからまたわれわれはオガクズもしばしば食べた。ネズミは半デュカート(当時の金貨)の値段がつけられ、しかもなかなか手に入らなかった
ーピガフェッタ

ピガフェッタとは航海日誌を付けていたスペイン人のことです。


こんな苦難を乗り越え、ようやくたどり着いた島がマリアナ諸島・グアム島です。

ここでの上陸準備中、島民が船に乗り込み窃盗を働いたため、マゼランはここをラドローネス諸島(スペイン語で泥棒諸島)と名付けたそうです。


その後、マゼランの最後の地・フィリピン諸島に到着します。


マゼランの最後

フィリピン諸島に到着したマゼラン一行はマゼランの奴隷のマレー人の通訳のおかげでフィリピン人と親密な関係を築くことになります

やがてマゼランはこの辺りの王達の間で1番力を持つ王がいたセブ島でキリスト教の布教を始めます。

この布教がうまくいき、セブ島民が次々とキリスト教に改宗していきました

これに気を良くしたマゼランはさらなる布教のため、目的地である香料諸島に向かわず布教活動に専念し始めました。やがて、武力を振りかざすようにまでなりました。

改宗と服従の強要のためにセブ島対岸のマクタン島の町を焼くことまでしました。

その結果、マクタン島には2人の王がいたのですがその片方の王から

自分はマゼランに従うが、もう1人の王が従おうとしない。小艇に兵を満載にして救援に来てくれ

との連絡を受けて、マゼランは60人の兵でマクタン島に向かいました。

11人を小艇の護衛に残し、マゼランを含む49人の兵が上陸して見たものは既にその事を知っていたもう1人の王の部下・1500人でした


圧倒的数の不利に対して果敢にも挑みましたが、結果マゼランはこのマクタン島で戦死します。



勇敢な探検家の最後は自身の欲に寝首を掻かれるというなんとも人間らしいものでした。

欲には気をつけていきたいと思います。それでは。

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