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電気推進船

こんにちは。字幕って実はすごい発明だよなって最近思うおのしゅんすけです。


さて。今日は前回の続きで電気推進船についてやっていきます。


電気推進船

まず、電気推進船とは何かというと電気で動く船のことを総じてこう呼びます。

基本的にはディーゼルエンジンよろしく、プロペラを回すのが主流です。

発電機で起こした電気を使ってモーターを駆動してプロペラを回す、その力で船を走らせます。

他にはウォータージェット推進なんてのもあります。

これは後ろに水を高圧で吐き出すことで進む船のことです。

これはスクリュープロペラでは出せない速度を出せるので高速船、特に軍用の船(高速巡視船や潜水艦等)に使われることが多いです。なので今回は割愛します。

電気推進船のメリットはいくつかありますが今回は客船に使うと仮定してのメリットをまとめていきます。

快適な船旅のために・・・

まずは何といっても振動が小さいことです。

一般的な貨物船であれば振動性はそれほど重要ではありませんが、客船に限っては快適性に直結する重要事項です。

ディーゼルエンジンはエンジン自体が軸を通してプロペラを回しています

ということは、プロペラが生んだ推進力はエンジンに伝わります。これを船体に伝えるためにはエンジンを船体に固定する必要があります

これがエンジンの振動が船体全体に伝搬する理由です。

その点、電気推進船が推進力を受けるのはモーターです。エンジンの振動に比べればモーターの振動なんて小さいです。

しかも近年はポッド推進装置という繭(まゆ)状の容器の中に電動モーターが入っていてそこにプロペラが付いた推進装置があります。

プロペラも電動モーターも船外にあるため、船体に伝わる振動がより小さくなるんですね。

電気が動力源であると・・・

貨物船に比べて、客船は船内電力需要が大きいです。

冷凍船や冷凍コンテナ船だとそこそこ電力は使いますが、客船はその比ではありません。

つまり、従来のディーゼルエンジンであろうが電気推進であろうが膨大な電力が必要なのが客船なのです。

そのため、もともとほかの貨物船に比べて発電機定格が大きいんです。

なので、どうせなら推進用のエンジンと船内電源の発電機を一緒にしちゃおうというわけです。

そうすることで新たなメリットが生まれます。

より広い空間が・・・

さっき述べたように推進用エンジンと船内電源の発電機を一緒にしてしまえば、必要な機械や予備品が少なくて済みます

また、先ほど出てきたポッド推進装置であれば駆動モーターそのものやプロペラ軸などが必要ない(船外に出ている)のでさらに多くのスペースが生まれます

船というのはエンジン、つまり機関室を軸に設計されていくためそこの制限が小さくなると結果として船内配置の自由度が上がります

これはより快適な空間をデザインするうえでは大きなメリットになります。

ちなみに基本的には船の発電機というのは複数台搭載されてそのうちの一機が稼働している状態が常であるので、仮に一つがエンジントラブル等で止まったとしても航行を続けることができます

その理由としては、船の操作は基本電気系統であり電気が止まるということは船にとって致命傷です。

お客さんが生活している客船ともなればなおさらです。

ですから、航海の安全性が高まるというメリットもあるんです。

当然デメリットも・・・

しかし、こんな素晴らしいシステムが今まで使われてこなかったのにはデメリットがあるからなんですね。

それは燃費が悪いということです。

直接プロペラを回す今までの推進方法と異なり、モーターが一枚かむことでロスが生まれるんです。

より安いことが必要な物流にとって、これは致命的だったため今までは使われてきませんでした。

しかし、技術の発展と周りを取り巻く環境の変化がこの電気推進は見直されてきています。


他にも操縦性が向上したり、環境にやさしかったり(排ガス規制が厳しくなる今こそ大事な条件!)といろんなメリットがありますがこの辺りはちょっと専門的過ぎてわかりやすく書ける文章力が僕にないので割愛します。

今では電気推進はフェリーを皮切りに客船などにも取り込まれ始めているのでもう少し調べてみたいと思います。それでは。


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