僕とouterwildsと皆さんと②〜中盤におけるジレンマ〜

鉄は熱いうちに打て。
ということで、さっそく第二回目を書いてみる。

そして、始める前に伝えたいことがある。
前回言及した好きな映画トップ3のうち、
ワイスピ7(最後のシーンのみ)は、トップ3ではなかった。

トップ3の3番目は、同率で、酔拳2とスクールオブロックだ。

さて、本題に入ろう。

中盤、行き詰る。

序盤、訳も分からず星系を彷徨うハーシアンむさし屋。
ゲーム内でのハーシアン君は、
OuterWildsVenturesとして鼻息荒く辺りを探索しまくっているのだろうが、
操作している僕は、なんとも理解が及ばない。

それでも航行記録は増えていき、
次第におぼろげながら状況が飲み込めていく。
そして一つの推察が頭をよぎる。

こりゃあ・・・nomaiやらかしおったな。

見事に製作者側のミスリードに引っかかってしまった。
nomaiが超新星爆発を、なんやよーわからんけど引き起こしやがったな、と。

この段階では、
nomaiがまだこの星系のどこかに居る説も捨てることはできず
僕は、やらかし種族nomaiの足跡を辿る22分を繰り返す。
完全に犯人捜しだ。

そして、そのうちに、行き詰る。

OWの良いところであり、悪いところ(ではないのだが)がそこだ。

明らかにそれっぽいものは、早い段階で触れることができる。
しかし、よくよく注意してみないと気づかない要素は、
この世界に「それっぽいもの」の数倍ちりばめられており、
それに自分で気づくためには、
じっくりと一つ一つ、
舐めるように攻略していくことが必要だ。

僕の性格と極めて相性の悪い部分が、ここだ。

時間をかけて少しずつ紐解いていけば、
きっと、いつかゴールにたどり着くだろう。
(翻訳、誤訳のせいでそれが難解になってはいるものの)
OWの設計は、そのようにできているから。

しかしながら、僕は、熱しやすく冷めやすい。
鉄は熱いうちに打たないと、
急にパタリと手を付けなくなってしまう日がくることを
十分理解しているのだ。
一度手をつけなくなったものはタチが悪いもので、
なぜか、始めるときの何倍ものパワーを費やさなければ、再開できない。

だから、僕は攻略サイトに手を出した。

これは、成功と引き換えに、成功体験を排除した
もし、今改めてプレイできるのなら、
できる限り、自力で解きたいとは思う。
なぜならば、それが最高の体験になることを知っているから。
しかし、プレイ中の僕は残念ながら、
そこまでOWに対しての強い想いを持ち合わせていなかったのだ。

もし、仮に記憶を消せたら、という仮説も無意味だ。
記憶のない僕はきっと、強い思い入れのない状態の僕なので、
また攻略サイトに手を出すだろう。

だから、僕のOWはどうしても、そうなってしまうのだ。
とてもとても悲しいけれど、そうなのだ。

後になって話題にすると思うが、その悲しさがあるから、
このメモが産まれたのは、間違いないと思う。

華々しいプレイを魅せてくれる配信者の方々の一方で、
僕のように、プレイに妥協した民も、一定数いるのではないか。

同じOWを楽しむ「ゾンビ」たちにも、いろいろ居るのだ。

僕は、挫折せずにクリアするというチケットと引き換えに
最高の体験を失ったことを、終わったあとに知ってしまった。
なんともジレンマを抱えさせるゲームである。

とはいえ、中盤、わからない部分はちょくちょく先達の力を借りて、
それでも難解なゲームを、少しずつ紐解いていった。

相変わらずnomaiはやらかしているように見えた。
ぶっ放せれば多少壊れてもいいとかいうイカれたカップルみたいなのも、
その思いに拍車をかけた。
奴らの知的探求心は異常に見えた。

そういえば、
このころはもう当然ながら脆い空洞には何度もチャレンジしていたころだ。

宇宙好きには、
やっぱりここのブラックホールは外すことはできない要素の一つだ。
落ちていくにつれて歪んでいく視界と、直後に現れる、目を眩ませる天体、ホワイトホール。

現実世界においての、
ホワイトホールの実在性については疑問符が残るものの、
我々が子供のころからセットで認知している
「ブラックホール」と「ホワイトホール」を
こうも分かりやすい形で実装してくれているとは。

脆い空洞の構造上、プレイヤーは何度もその重力に飲み込まれ、
星系の端っこに放り出されたことだろう。
きっと、イラっとしたはず。
でも、そこにはまごうことなき、憧れの宇宙があった。

また、
連星である双子星も圧巻だった。
そびえたつように吸い込まれていく砂の柱は、
畏怖と、ある種、芸術作品を見るような感動が混在していたように思う。

相変わらず、OWは魅せてくれる。

中盤を過ぎても飽きずにプレイできる理由は、
知的探求心をくすぐる作りなだけではなく、
デフォルメされつつも
科学的に「非現実的ではない」ミニマムな宇宙が、
そこにあったからではないだろうか。

余談だが、映画「インターステラー」も、
キップソーン氏というノーベル賞を受賞した物理学者が、
限りなく「非現実的ではないギリギリの線を狙った」宇宙像を描いた。

それと、OWはやっぱり似ている気がする。

・・・
今回はこの辺で。
次回はきっと、OW本編についての最終回になるだろう。
でも、それはまだ僕のOW体験の序章に過ぎない。



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