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強がりはもういいや

記憶を消したい、と思うことがある。

どんな記憶も、出会いも、経験も、いまの自分の糧になっているから、後悔はない。

そんなのはただの強がりで、綺麗事だ。

記憶どころか、自分の存在をまるごと全部消してしまいたい、と思うことがある。

エモい、なんて言葉で片付けられるか。

償えない罪、知らず知らずのうちに傷付けてきた人たち、これから先もおそらく傷付けてしまうだろう人たち

抑えられない衝動や攻撃性
その裏の弱さ、芯のない覚悟
へらへら笑ってしか生きられないかなしさ

考えるだけで涙が出てくる。
吐き気がする。

すこしでも良く生きようと思えるだけえらいか。

自己肯定感とやらを上げるのに必死だ。

吐き出す先がないから、じわじわと苔のように溜まる。
近くでよくみたら、ひとつひとつ形がある。

どうしようもない自分を、いかにどうしようもなくないよう演じるかに日々を費やす。

やさしいひとのやさしさに救われながら、
申し訳なくて、なさけなくて
ひそかに、ただひとり自分だけがわかる温度の涙をながす。

ちゃんと寝られたらきっと、いっときは忘れられるから
ほんとうのやさしさを焚べるひとになれるように

明日はなるべく、笑って生きようか。

そんな夜。


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