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テクシーさん。

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一緒に帰りませんか? それがあなたに必要なら。 依頼人の人生が帰り道の途中でこぼれ出す。 たまに書きます。 全て想像のお話。
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2016年11月の記事一覧

テクシーさん。#4

-kaori-

「汗かいちゃってどうしたの? 昔ひどくふった女にでも追いかけられた?」

整えたはずの息が少し乱れそうになる。

「やだなぁ、kaoriさん。私がそんなことをする男に見えますか?」

「ふふ。見える見える。飽きたらポイっと女を捨てるタイプでしょ。

昔の女の怨念があなたの肩越しに透けて、見え隠れしているわよ。」

kaoriは歩き始めながら私に話しかける。いつもこの調子だ。少し皮

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