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アレグザンダーの理論「パタン・ランゲージ」から「センタリング」へ繋ぐための話

私は会議や研修のファシリテーションや、チーム作りやプロジェクトのファシリテーションを仕事にしています。特に対話、ダイアログを用いた場をつくるのが好きで、研修はグループでの学習時間をよく入れています。

パタン・ランゲージに出会って、確かにファシリテーションにもパターンがあるなと思い、ファシリテーションに関するパターンを造りだして、ファシリテーションを伝える時に利用してチームの共通認識にしたりしました。パターンは単なる1人の思い込みではなく、自分以外の人も「あるある」と思えたり、再現性のある内容になっているもので、いわゆる「事例」とは違うのは、「それは私の環境では使えない」となりにくく、他人が造ったパターンでも自分事になりやすい点ではないかと思います。パターンには名前が付けられ、内容は自分の環境、状況に寄り添う部分があり、伝えやすく受け取りやすい工夫があります。もちろん事例も要素に分解して自分の環境に使える形にできますが、スキルが必要な気がしています。

パターンを基にチームで話し合うと、考えを揃えやすく、互いに解釈が違ったりする事にも気づきやすくなります。そのチームで共通認識をつくる対話を含めて、パタン・ランゲージと呼ばれ、自分たちのプロジェクトの文脈を背景に話し合えばプロジェクトの共通認識、つまりはプロジェクト・ランゲージを生みだすことができます。会議のファシリテーションはまさに合意形成や意見交換、報告会議でプロジェクト・ランゲージを生みだすことをしている気がするのです。いろんなテーマや課題解決もありますが、解答を教えたりはしなくて、根本的には私のファシリテーションは「ほんにんどうしが話し合える関係性に再構築する」ことがスタートなので。そして、チームでパタン・ランゲージを見つけ出したり、生み出したりすること自体が、チームの基盤をつくることに繋がります。

パタン・ランゲージからセンタリングへ

さて、いよいよ今回伝えたい本丸になるわけですが、パタン・ランゲージをプロジェクト・ランゲージにする事でチームの基盤を作れることはなんとなく、ありそうだなと思えたみなさんに次のステップと言うか、生みだすこととは違う視点からパタン・ランゲージとは何か?を問うていきたいと思います。

少し強引な言い方をすることになりますが、パターンは世の中にある事象を伝えられるようにできるので、理論化できたり、分析できたりするようにもなりますが、そもそもみなさんはパターンをなんのために見つけ出すのでしょうか?それは未来が今より少しでも良くなるためではないでしょうか?パタン・ランゲージは変化していくために使えるものだとしたら、どうでしょう。

パタン・ランゲージを次のフェーズに

悪い方向に変化したいと思う人はあまりいないと仮定しますが、アレグザンダー氏の良い方向に変化していく話としては、「いきいき」という言葉がつかわれていることが示していて、今より未来がいきいきしたものになるようにするためにパターンは使われることによって、より活用されることに、つまりパタン・ランゲージの次の進むことになるのです。

その「いきいき」に向かう方法がセンタリングで、センターに向かう、センターを見つけ出したり考えて行くためのプロセスをセンタリングプロセスと呼ぶことができ、アレグザンダー氏が書籍『パタン・ランゲージ』後に記した『ネイチャー・オブ・オーダー』にある「15の幾何学特」はそのプロセスへの道標に使えます。ここで少しややこしいのは、そもそものパターンを見つけ出す時にも「いきいき」は埋め込まれているので、実はセンタリングプロセスはパターンを見つけ出すのにも使えるのです。だとするとパタン・ランゲージの次ではないとなるのですが、私の解釈としてはアレグザンダー氏はそもそも「いきいき」するもの(アレグザンダー氏は美しさと言われたりもしますが)に進んでいく(進化していく)ことも考えていらっしゃって、その過程でパターンの存在に気付き、パターンを見つけ出す中にも根底である「いきいき」が存在し、さらに「いきいき」のセンターに近づくのにセンタリングプロセスを発見したのではないでしょうか。

このセンタリング自体はネイチャー・オブ・オーダーに記されているので、ネイチャー・オブ・オーダーを読んでいただければと思うのですが、全4巻ある上に日本語への翻訳は1巻のみという状況です。入門書として、ヘルムート・ライトナーさんが書かれたPattern Theoryという本があります。原著はドイツ語で、英語に翻訳したものもありますが、今回、日本語への翻訳プロジェクトを始めています。ここまで読んでアレグザンダー氏の考え、パタン・ランゲージの先、根本に触れてみたいと思われましたら、翻訳プロジェクトを応援していただけると嬉しいです。


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