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スマホでの川崎工場夜景クルーズ撮影記録

神奈川県川崎市の東京湾沿いにある工場群は工場夜景スポットとして有名です。

今回は、その工場夜景を海から眺めるクルーズツアーに参加してきましたので、見学記を記します。

参加したツアーは(株)シーバスが運航する「KAWASAKI超工場夜景クルーズ(ハンマーヘッド発/90分)」というツアーです。

参加料金は大人1名4,500円、Webから予約可能です。

私は天気予報を見てから前日に予約しましたが、他の日程は早々に満席となっていたりするので、注意が必要です。

ツアー会社は3隻の船を保有しており、当日になるまでどの船に乗船するかは不明です。

今回私が乗船したのはSEABASS ZEROという船になります。

SEABASS ZERO

前側三分の二が屋根あり窓付き客席、後ろ三分の一が屋根あり窓無しの開放席になります。

席は乗船順に早い者勝ちであり、写真を撮る場合は窓無し席のほうが良いのですが、この船は海面からの距離が近く、波しぶきが容赦なく客席内に吹き込んできます。

カメラはSIGMA fp L、レンズはSIGMA 35mm f2 DG DNを持参しましたが、レンズが防塵防滴ではないため、早々にSIGMA fp Lでの撮影はあきらめました。

撮影はすべてスマホのGalaxy S23 Ultraです。

今回、私が乗船したSEABASS ZERO以外の2隻は、いずれも展望デッキが船の2階部分にあるため波しぶきは多少軽減されるかもしれません。

ただ、高い位置にある分だけ揺れも増幅するものと思われます。

横浜港のハンマーヘッド新港ふ頭ターミナルを出発後、船はひたすら京浜運河を東へ突っ走ります。

首都高浮島JCTのある浮島町から大師運河へと入り北上、川崎の工場夜景スポットの代表格といってよいレゾナック川崎事業所の前でUターンをして、再びハンマ-ヘッドへ戻るコースとなります。

往復約27kmを90分弱かけて巡ります。

時速に換算すると20km/h弱ですのでのんびり走っているように感じられるかもしれませんが、実際の体感としては船の揺れに強烈に吹き付ける風が相まって、数値以上の速度に感じます。

また、速度を落とすのはコース折り返し地点のレゾナック川崎事業所の前のみです。

レゾナック川崎事業所

つまり、工場夜景撮影が目的で参加した場合、ツアーのほぼ全行程において船の揺れと吹き付ける波しぶきに耐えつつ、時速20km弱で走り続ける船の上から工場の夜景を撮影することとなります。

先にも書いたとおり、防塵防滴ではなく、手ブレ補正もついていないSIGMA fp L+SIGMA 35mm f2 DG DNでの撮影は早々に諦めました。

船の上では三脚は使用不可能であり、また、仮にあっても手ブレは抑えられても船の揺れは抑えられません。

照明の明るさは工場によってまちまちですが、最も明るいレゾナックの場合でISO1600で絞りf1.8の場合、シャッター速度は1/20秒程度になります。
私が下手なだけですが、このシャッター速度でも、船の揺れによりブレが生じました。

工場夜景をきれいに撮影したいのであれば、防塵防滴(必須!)でISO10,000以上が常用可能、強力な手ブレ補正搭載の機種が必要と思われます。

その上でさらに全行程で身体全体をショックアブソーバーとして船の揺れを吸収しながら、かつ手ブレを抑え、動く船上から静止する工場を流し撮りの要領で撮影する。

おまけに狭い船上で他のお客さんにも配慮しながら、撮影を終えたらすぐに場所を譲る必要があります。


塩水港精糖埠頭と停泊中のバラ積み貨物船

私が参加したのは6月中旬で夜間の気温が20度程度と暑くも寒くもない快適な時期でしたが、特に冬はさらに過酷な環境となることが容易に想像できます。

カメラの性能、自身の撮影テクニック、気力体力、全て求められるかなりハードな撮影環境です。

私はそのいずれも欠いていましたので早々に戦線離脱、窓付きのキャビンに座り、撮影スポットだけ窓無しエリアへ行ってスマホで撮影していました。

川崎天然ガス発電

窓付きのキャビンにいる分には、非常に快適に夜景が楽しめます。

窓付きキャビンは、中央通路を挟んで両脇に4人掛けロングシートが並んでいますので、私のように撮影の時だけ移動したい、という場合は一番通路側に座るのが迷惑をかけないので良いかと思います。

JERA東扇島火力発電所

まとめ

撮影目的での参加に当たっての注意点は以下のとおりです。

・カメラ&レンズは防塵防滴が必須

→上で書いたとおりです。私が参加した日の天気はほぼ無風でしたが、それでも容赦なく波しぶきが吹き付けます。

服がずぶぬれになる、ということはありませんが、下船後、唇をなめるとしょっぱかったです。

言うまでもなく塩分は精密機械の敵ですので、防塵防滴の機種の使用を強くお勧めします。

・ウェットタイプのレンズ拭きが必要

→レンズに波しぶきかかった時に拭くためです。

塩分を含んでいますので、ウェットティッシュタイプが最適です。

・夏でも上着を1枚持参

→私が参加した際は気温20度でしたが、長袖シャツ1枚では肌寒かったです。

防水のアウトドアジャケットなどあると便利です。

・三脚、一脚はほぼ効果なし

→船の揺れがダイレクトに伝わることになるので、ブレを抑える効果は皆無と思われます。

そもそも三脚は他の方の迷惑になるので、現実的に使用不可能です。

船上からの夜景
ハンマーヘッド

声優、ナレーターもしていらっしゃるというガイドさんによる生の解説を楽しみながら、次々に現れる工場や巨大タンカーなどを眺める経験は、なかなか他では味わえません。

いろいろ苦労も書きましたが、全体としては大変楽しい経験であり、4,500円払う価値は十分以上にありました。

ハンマーヘッドから眺める赤レンガ倉庫街
帰路の横浜夜景

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