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〘カフェ語り〙言語聴覚士(ST)体験談012「回想法」

高齢者施設の利用者の多くは認知症です。認知症のリハビリもST業務になります。私の場合は「回想法」を主に使っています。思い出を語ってもらい、今の自分を整えてもらいます。でも認知症ですから、同じ話の繰り返しになる訳です。本人は初めて話すように語りますが、こちらは何度も聞いています。同じ話を繰り返し聞くことは正直苦痛です。「同じことを繰り返されると誰しも限界がきてキレてしまう」と認知症の講演会で偉い先生が言ってました。業務中にキレてはダメですから、どうするか?実は同じ話を聞く時の楽しみ方を私はみつけたので大丈夫なんです。

「なぜ」「どうして」という質問はできるだけ使いません。
「いつ」「どこ」「だれ」という質問で新しい情報を引き出します。
同じ話を何度も聞いていると肉付けされて物語の完成度が上がっていきます。登場人物が増えた時は心の中でガッツポーズ!よし!って叫んでしまう喜びがあります。

語ってもらうだけでなく、書ける人には書いてもらい、書けない部分はこちらが代筆して記録を残しておきます。その記録は認知症の進行で語れなくなった時に使えます。大切な思い出を聞いてもらうと表情がおだやかになり、あったかい空気に包まれた時間を過ごしてもらえます。

「初めましての設定」で会話を楽しむ回想法
「なんで私の事をそんなに知ってるの?」って疑われないように
会話テクニックをあれこれ使って傾聴します。

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