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そして、いつかは幸せな日々

テレビでは芸能人の方々が、海外特派員による極上グルメのレポートを見て、笑顔でコメントをしている。

私はN市にあるアパートで、その様子をみつめている。

東京にいた頃は、その前に放送されるクイズ番組が好きで、毎週母と楽しみにしていた。

今見ている番組を見始めた理由は、特になく流れで見ていた感じだったが、海外の人が日本料理を味見するコーナーが好きだった。

まさかN市でずっと住むことになろうとは、、、あの時は全く思わなかった。

2週間前に私はF市を離れ、ここに来た。

パートナーのM氏と一緒に。

海外から帰ってきてから、20年ほど家族とF市にいて、私の半身はその街を離れない。

そして、Mに捧げる心も、ふらふらと落ち着きなく、あたりを彷徨っている。それについては、またいずれ。


Mは夜勤で今日もいない。

料理も食べ終え、特にやることのない私は、しばらくしたら今日も早めにベッドに入るだろう。

Mは、毎朝始発に乗って帰ってくる。

6時過ぎにNが帰宅する前に、お風呂を温め直して、パジャマとタオルをバスルームのカゴに置いておく。

そして、湯上がりのMと一緒に少し二度寝して、、私は少し早めに起き、朝ごはんを用意する。

そのあとは、夕飯の献立を考え買い物に行く。

歩いて30分ほどの大型スーパーが最近のお気に入りだ。実家のあるF市で売られている品物に比べ、全て安くて、初めて見た時は感動した。しかも気に入った理由は、店内が明るく、お客さんの雰囲気もなんとなく余裕のある朗らかな空気をまとっていたからだ。

買い物が終われば、また30分の道を経て、アパートに帰り、趣味の語学の勉強をダラダラとして、起きてきたMにお昼を提供し、友人や家族とLINEでやりとりする。

Mは、お昼を食べたら夜の仕事に備え再び眠る。その間に夕飯を作り、出勤の30分前になったらMを起こす。

出かける前に、愛情を込めてハグをして見送る。

Mが自分のことを本当に好きなんだな、と、毎回ハグの強さで感じる。

Mの温もりを感じながら、急風に吹き飛ばされまいと必死に棒にしがみつく自分を想像する。


見送ったあと、また孤独な夜を迎える。

こんな暮らしがいつまで続くことに、実は緩慢な絶望を感じている。

ある理由で職場が休業中の為、収入0の私は、食費は出しているものの、やや肩身の狭い思いをしている。

仕事を探せば良いのだが、N市に着いてから気持ちの浮き沈みが激しく心から笑える自信を失っている。 Mの前では元気にふるまうが、Mがいない時、もしくは寝ている時、涙が出てきてしまう。

少しでも孤独を感じている人の気持ちに、ほんの0.001mmでも近づけたことは良いのだが。。

私の抱える問題の重さなんて、きっと本当に軽い。きっと、しばらくしたら、この文章も恥ずかしいよって笑える日が来ることを信じて、日記をつけることにした。

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